イクさん(東京都)の相談
4月11日にインプラントの根を植えました。右下第一小臼歯です。植える前に骨が薄いと言われましたが、植えるのは巧くいったようで、腫れも引きましたが、植えた直後から虫歯の様な痛みが続いて鎮痛剤をそのつど服用し、唇にかけての痺れもあります。このまま様子をみたほうが良いのでしょうか、それとも外した方がいいのでしょうか。お忙しい所宜しくお願い致します。先生は深めに入れたと言いました。

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- 水戸インプラントクリニックおおとも歯科
- ( 茨城県 水戸市 )
- 2010年04月20日09時23分
まだ、治っていないなら、下歯槽神経損傷したと思われます。
施術前に危険性についての説明を受けたでしょうが、右下第一小臼歯では、ごくまれにこの様なことが起こります。
その後の適切な処置で、まれに治る場合もありますが、ケースによっては、治らない場合もあります。
まず、この辺りの解剖顎的構造を記します。
下顎の奥歯からこの部位にかけては、骨の中に神経がと通っており、第一小臼歯付近で骨から出て下唇に向かいます。下唇の感覚は、この神経を通って脳に伝達します。
さて、下歯槽神経損傷ですが、ここでは、わかりやすく大きく3つに分けて説明します。
①骨の外に出た神経の枝の一部が切断された可能性
骨から出た部分をオトガイ神経と呼びますが、手術のために骨を露出させるためにメスで肉の組織に切開を加えますが、このときに神経を傷つけた可能性です。神経は、中枢ほど治りにくく、末端ほど治りやすいので、この神経の末端であるオトガイ神経は、程度により数ヶ月から数年で治る可能性があります。
②骨の中の神経が手術時にできた血腫で圧迫されている可能性
インプラントを埋めたときに神経は傷ついていないものの、血の塊が神経を圧迫して障害がでることがあるといわれています。この場合は、数週間で治るといわれています。
③骨の中の神経を傷つけた可能性
完全に切断した場合と一部損傷した場合がありますが、いづれにしろドリルが骨を突き出て神経に到達してしまったか、インプラントが神経に到達してしまったか、その両方というケースです。
この場合は、2週間以内にインプラント除去や、切断された神経の縫合などで改善する報告もあります。早めの対処が治癒に影響します。数ヶ月経つと手術はできません。
まずは、インプラントを除去前にCT撮影をすることが大切です。除去前にCTをとって下さい。
神経の縫合は、慶應義塾大学病院の河奈先生が有名です。