junさんの相談
インプラントして10年、20年後、トラブルが出た時はどうなるんでしょう
- 投稿者 jun さん [45才 女性 会社員] 2019/08/25/ 15:11
- カテゴリー インプラントを長く使う アフターケアその他 治療前
- お悩みの歯 下あご右5番 下あご左5番
こんにちは。インプラントについて教えてください。
インプラント後は、セルフケア、定期的な検診をうけるとしても、
10年、20年たつと、歯周炎とか、ぐらぐらしたり抜けたりするなど、何らかのトラブルが起こる可能性があるかと思います。
そうなってしまった場合、どのように対処するのでしょうか。
歯周炎が、治療できないほど進行してしまったら、あるいは骨がやせたりしてぐらぐらして来たりしたら、インプラントを抜くのでしょうか?
骨と結合してしまっていたら、抜くとかできるのでしょうか。
そして、その部分はもう一度インプラントできるのでしょうか?入れ歯にするしかないのでしょうか。
10年20年たつと技術も進んでいるかもしれませんが・・・
まだ45歳で、今後ずっと先のことが気になるので、教えていただけると嬉しいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
- かねこ歯科インプラントクリニック
- ( 山口県 下関市 )
- 2019-08-28 08:06:00
インプラント周囲炎(骨が溶けている)の場合は、エルビウム・ヤグ・レーザーを照射、除菌し、露出したインプラントのネジ山を削ります(implantplasty)。
インプラントの全長の1/3くらいまでの骨吸収の場合は、これらの方法で助けられます。しかし、1/3を越えると、進行する場合が多いため、骨が溶けきる前に、インプラントを除去します。
インプラント除去後は、3ヶ月以上骨の回復を待ちます。
それから、必要があれば骨を造成して、同時あるいは、骨の造成が完了してからインプラントを再埋入します。
さて、1965年に、はじめてのインプラント手術がブローネマルク教授によって行われました。そのインプラントは、初の患者ラーソン氏が亡くなるまで、40年以上機能しました。
私はその患者さんのX線写真を、1965年当時から2006年の死亡直前まで、時系列のパノラマ写真として見たことがあります。
よく見ると、ブローネマルク教授が埋入したすべてのインプラントが40年以上もったわけではなく、何本かは脱落していました。また、その患者さんには、後で歯を失った上顎などに、何本もインプラントが追加埋入されていました。
このように、はじめて手術したインプラントが生涯維持されることもありますが、脱落するものもあります。他の部位の歯が抜けてしまった時は、その部位にインプラントが埋入されることもあると思います。
ブローネマルク教授は「合わない取り外しの入れ歯をコップの中に入れて、人は死んでいく。」と言っていたそうです。しかし、この患者さんは、インプラントの治療恩恵を受け、生涯口機能に不便を感じることなく人生を送れたのだと推測されます。
医療の技術は日進月歩です。受けられる恩恵は得て、junさんもすばらしい人生を送って欲しいと思います。
- jun(45歳 女性 会社員 )
- 2019年08月28日22時57分
ご回答ありがとうございます。 インプラントがぐらついたり、抜けたりしても、再度インプラント可能だとわかり、とても安心しました。
できるだけ、そのようなことにならないようにメンテナンスをきちんとしていきたいとおもいます。
ありがとうございました。
- 医療法人 加来歯科
- ( 大分県 中津市 )
- 2019-09-01 15:47:00
私はインプラントの勉強を始めて36年、初めてインプラントを埋入してから33年になりました。最初の頃は「インプラントは5年しか持たないので、余命5年の人に行え!」と言われてて、
私自身、自分ではやってはいけない事と思っていました。
初めてのインプラントはブレードタイプで、顎の骨に溝を掘り、板状のインプラントをたたき込むというものでした。所属していた九大補綴科がブレードインプラントに骨とくっつきやすいコーティングを新商品の治験を受け、当時は医局長だったため30症例中4症例を担当しました。
顎の骨に溝を掘ることが非常に怖かったことをいまだに覚えています。
開業してから現在の主流のスクリューインプラントの ITI インプラントを平成4年から使い始めました。現在も同じインプラントですが、メーカーがストローマン社に変わり、種類も増えて全ての症例に使っています。
初期型の ITI 現在のインプラントの症例は27年筆頭に20年超の経過症例も50人以上になりますが、脱落したり撤去したインプラントは1本もありません。全て上手く行っています。
旧型は種類が少なく、仕上げ方法が限られていましたが、現行のストローマンインプラントは形態は初期型と同じですが、素材や表面処理などが変更、改良されていて更に使いやすくなっています。旧型と同様に長期に使用できるものとなっているのです。
現在、色々な報道でインプラントトラブルなどが取り上げられています。また当院にもインプラントトラブルを抱えた患者さんが来院し、その対応に苦労しています。
そのトラブルになっている患者さんの全てに当てはまるのが、使用されているインプラントの種類や、術者である先生の経験や知識不足による埋入位置や不適切な仕上げがあります。
現在は手術前にCT撮影を行い、パソコン上でシミュレーションを行い、十分に埋入位置や仕上げを考慮し、信頼のおけるインプラント体を使用して、経験豊富で技術の高い先生が治療を行えば、ほとんどトラブルもなくインプランがト長持ちすると考えています。
日本口腔インプラント学会の専門医であればかなり努力して勉強、研修を積んでいますので、相談してみては如何でしょうか。
参考になれば幸いです。
- jun(45歳 女性 会社員 )
- 2019年09月02日19時28分
CT を撮って、きちんとシミュレーションし、高品質のインプラント体を使い、経験豊富な先生にお願いできれば、現在では、長くもつ、安全な治療なのですね。安心しました。
ありがとうございました。