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Q インプラントオペのリスクが知りたい!

インプラントを埋め込むオペの日が決まりました。自分で決めたことだし予定が決まった以上やるしかないんだけど、オペ(手術)となるとやっぱり不安で……。
自分の体にメスを入れるんだから不安になるのはしょうがないよ。でも、オペの前にはしっかり検査もするし、オペに備えて体調を整えればきっと大丈夫。
「うまくいくといいね」と励まされたけど、うまくいかないこともあるのかと気になっちゃって。インプラントオペってどんなリスクがあるの?
インプラントを埋め込む本数やオペの範囲によってリスクは変わるし、オペをする以上どうしてもリスクはゼロにすることはできないけど、限りなくゼロに近づけるためにはどうするか、自分でできることはなにか説明していくね。

インプラント治療の中でオペのリスクに関しては誰もが不安で気になる要素だと思います。

インプラントオペのリスクとして挙げられるのは、インプラントを埋め込む際に神経や血管を傷つけてしまうことですが、オペ後にもリスクがあるんです。

インプラントオペのリスク、オペ後のリスクを回避するためには精密検査や治療計画、ご自身でのケアがポイントになってきます。

更新日:2022/1/27

インプラントオペで考えられる4つのリスク

神経麻痺のリスク

顎の骨にインプラントを埋め込む際、ドリルを使用し穴を開ける必要があるのですが、その時に誤って神経を傷つけてしまう可能性があります。
また、埋め込んだインプラントが神経に当たってしまい、傷つけたり圧迫してしまったりすることも。

血管を傷つけてしまうリスク

神経麻痺のリスク同様、ドリルやインプラントが血管を傷つけてしまい、大量出血してしまうリスクがあります。

顎の骨がやけどしてしまうリスク

インプラントを埋め込むドリルの摩擦熱(オーバーヒート)の影響で骨が壊死してしまう可能性があります。骨が壊死してしまうとインプラントを埋め込んでも顎の骨と結合しなくなってしまいます。

上顎洞を突き抜けてしまうリスク

上顎洞とは、副鼻腔のひとつで粘膜に覆われた空洞です。上顎の骨の厚みが薄くインプラントを埋め込んだ際、インプラントが上顎洞を突き抜けてしまうことがあります。

埋め込んだインプラントで上顎洞の粘膜が傷ついてしまうと、上顎洞炎を引き起こしてしまいます。

インプラントオペのリスクを回避するために

CTを活用し精密検査を行い神経や血管の位置を把握し、顎の骨の厚みを確認して適切なインプラントの長さや埋め込むポジションを決定することでリスク回避につながります。

そして、顎の骨が熱で壊死することを避けるために、常に注水を行いインプラントを埋め込むドリルや骨を冷やしながらオペを行うことで顎の骨のやけどは防ぐことができます。

顎の骨の厚みが不足している場合は、インプラントを埋め込む前に骨を増やすためのオペも別途行わなければいけないこともありますので、インプラント治療を検討している歯科医院が、事前の精密検査や治療計画をしっかり行っているかどうかが重要なポイントといえるでしょう。

インプラントオペのリスクを回避するために自分でできること

インプラントオペもそうですが、インプラント治療自体を成功に導くためには治療を受ける方自身も体調管理が大切です。

睡眠不足や疲れが溜まっている状態でオペに臨むと、オペ中に気分が悪くなり体調を崩してしまうかもしれません。オペの前日は時間にゆとりをもって、リラックスした状態でオペに臨めるようにしましょう。

また、タバコを吸う方は歯科医師から禁煙するようにと事前に伝えられることがあります。タバコに含まれるニコチンが血管を収縮させてしまい、血行が悪くなってしまうのです。その影響で、傷の治りが遅くなったり、顎の骨と埋め込んだインプラントがしっかり結合しないリスクに繋がってしまう可能性も。

お酒を飲む方も、オペの前日は控えた方がよいでしょう。アルコールは免疫力の低下を招くといわれていますので、オペに影響が出てしまうかもしれません。

インプラントオペ後にもリスクはある!?

インプラントオペが無事に終わったからといって安心するのは要注意。オペ後にもリスクはありますので安静に過ごさなければいけません。

インプラントオペ後に考えられるリスクとして、腫れたりアザができたりすることがあったり、インプラントを埋め込んだところを触って出血してしまうことが挙げられます。

オペ後の腫れやアザは数日から1週間ほどで自然に治まっていきます。出血してしまった場合もガーゼを当ててしっかり抑えて止血をしましょう。

腫れやアザ、出血が治まらないようであれば、歯科医院へ相談が必要です。

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メディカルネット

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歯科記事監修

  • 歯科医師 古川雄亮 先生

    歯科医師 古川雄亮 先生

    国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。