さっくんさん(京都府)の相談
母(骨粗しょう症のボナロンを3年服用中)がインプラントをするにあたって疑問がありお聞きしたいのですが。
現在、母は前の上4本が部分入れ歯です。
近々、部分入れ歯を、インプラントにする予定なのですが、「ボナロン」を服用している人はインプラント要注意。と知り怖くなってきたそうです。
既に歯が無く、抜歯をする必要が無い場合、ボナロンを服用中でもインプラントは出来るのでしょうか?
また、血液サラサラの薬を飲んでいる場合も要注意と聞いたのですが、インプラント手術前後、どれくらいの期間、投薬を止めるのでしょうか?
術後、蓄膿症やシビレなどの後遺症がでることもあると知りましたが、後遺症がでた場合、処置をすれば治るのでしょうか?
たくさんになりましたが、宜しくお願い致します
- 横浜インプラントセンター THE IMPLANT
- ( 神奈川県 横浜市中区 )
- 2011年05月17日10時23分
さっそくお答えします。
まず、一般的に、お母様が内服されている「ボナロン」という骨粗鬆症の薬は、歯科処置でいうと歯を抜いたり、インプラント埋入などの、外科処置をする場合、術後の傷の治癒が遅くなる副作用があります。そのため「要注意」とう表現になっていますが、その言葉通り、注意をして治療を進めれば、問題なくインプラント治療が受けられ、成功します。
まずは、お母様の全身状態を把握することが重要になってきます。「ボナロン」を処方してもらっている主治医とも連絡をとり、患者様の既往歴や現病歴を診断した上で、「ボナロン」を休薬した方がいいのか、または別の代替内服薬に変更できるのか、いろんな選択肢が考えられます。内科主治医と連携をとって、お母様のインプラント治療にあたることが大切です。
一概に骨粗鬆症の薬を内服しているから、インプラント治療はできない、という短絡的なことではありません。巷の情報を鵜呑みにせず、どうぞ、そういったことを親身になって考え、そして正しい医学的な知識を持った歯科医師に受診してください。風評だけで、インプラント治療をあきらめるのは、もったいないと思います。
また、血液サラサラの薬を内服している場合も上記と同様です。現在、インプラント埋入術では、いわゆる「血液サラサラの薬」を休薬する必要はない、とされていますが、それも、患者様の全身状態を診察してから、きちんと決めていきます。
術後の後遺症についてですが、一般的に身体のどの部位の手術においても、外科的な処置というのは、術後合併症というリスクはゼロではありません。しかし、そのリスクを回避できるように、私ども医師は、高度な技術と知識を持って手術を行っております。
術前の診断、手術方法、術後管理、そういった諸々の正しい診察、処置をした上で、もし仮に、術後の合併症が出てしまった場合は、医療人としての責任として、誠心誠意、その治療にあたらせていただきます。
ただ、インプラントはあらゆる外科手術の中でも最も成功率の高い手術の1つと言われています。正しい診断と知識、技術の下、きちんと治療が行われ、また、術後患者さん自身も医師の指示に正しく従っていれば、そのようなトラブルが起こることは殆どありません。
さっくんさんが、大切なことは、上記のことを正しく、きちんと対応してくれる、体制を持った医院を捜し、正しい医学知識を持った歯科医師と巡り合うことです。
インプラント治療というのは、その後の人生を劇的に変えるぐらい、素晴らしい治療です。どうぞ、諦めずにがんばってください。