ももさん（山口県）の相談
カテゴリ：成功率
子供の頃上の歯を矯正をしていて、18年前、前歯を含め両側8本を結局差し歯にし、矯正を終了しました。数年前、左上の奥歯2本が傷み抜歯、左上4、5番目の差し歯の部分が弱くなり、すべて連結した差し歯でしたが、2本を切り離し治療しました。4・5番目は歯がほとんどない状態ですが、2年前から2本連結した差し歯をしていました。他の部分の差し歯も古くなり、色も悪かったので、いずれすべて直したいと思い、思い切って自費の差し歯をつくりましたが、負担がかかるようで、もう何度もはずれ、結局今回、ついになくしてしまい、別の歯科で、よい方法はないかと相談しました。
すると、4・5番目ももう抜歯するしかない状態なので、入れ歯かインプラントという選択でした。
インプラントを希望していますが、ない歯すべてを作るほうがいいといわれ、4本インプラントをいれましょうといわれました。
経済的にも非常に厳しいのですが、やはり4本すべてインプラントにするべきでしょうか?
ご回答よろしくお願いいたします。
-
- かねこ歯科インプラントクリニック
- （ 山口県 下関市 ）
- 2008年07月01日03時07分
ももさんへ
ご質問ありがとうございます。
下関市 かねこ歯科インプラントクリニックの金子 茂です。
文面より、矯正の終了時には、上顎 (右)11234567(左)
の８本がクラウンになっていたと理解します。
その後、上顎臼歯部の4567が抜歯になる（なった）と理解します。
まず、欠損したすべての歯4567の４本を補綴する必要があるかですが、
歯は上下ひと組で機能するため、対合歯（同側下の4567）があれば、
上顎臼歯部の4567の４本を補綴したほうが好ましいと思われます。
つぎに、上顎臼歯部の4567を補綴するばあい、
何本のインプラントが必要であるか考えます。
Ｘ線写真をみなければ詳しくわかりませんが、
上顎臼歯部の骨が良好な場合、（良好な可能性は低い）
(4)(5)6(7)の３本にインプラントを埋入すれば良いと思います。
一般に、６（上顎第一第臼歯部）に骨が一番少ないため、
その部位のインプラント埋入をさけます。
本数を４本から３本に減らせれば、上部構造の自由度も増すため、
補綴も楽になります。
上顎臼歯部の骨が不良な場合、（不良な可能性のほうが高い）
【a】
同じく、(4)(5)6(7)の３本にインプラントを埋入
但し、上顎洞挙上術をさけ、(7)は上顎結節方向に傾斜埋入する
【b】
上顎洞挙上術を行い、4567に４本埋入する
（３本でもいいのですが、側方サイナスリフトでなく、
歯槽頂上からのソケットリフトを行う場合では、
挙上量が十分でないことなどのリスクを考えれば、
本数を４本に増やして対応することもあります。）
ところで、オール・オン・フォーのコンセプトでは、
４本のインプラントがあれば、歯が１本もない状態である
無歯顎欠損に対応できるようになりました。
（歯が１本もなくても、インプラント４本で治療できるのです。
しかも即日に。）
このため、少ない埋入本数で、最大の治療効果をあげるように
最近では、治療方法が変化してきています。
可能であれば、治療後の予想が困難な上顎洞挙上術などの
骨造成術は避けるようになってきています。
オール・オン・フォーなどの傾斜埋入は、
ノーベルバイオケア社のインプラント・システムでないと治療できません。
どのメーカーのインプラントで治療されるか、手術前に説明を受けてください。
上顎臼歯部の治療によく用いられているHAインプラントは、
長期的な予後の点から、個人的には使用をひかえています。
用語については、以下に説明しておりますので参考にしてください。
補綴 http://www.implant-kyushu-yamaguchi.net/glossary.html#06
上顎洞挙上術 http://www.implant-kaneko.jp/implant/03.html
傾斜埋入 http://www.implant-kaneko.jp/implant/04.html
サイナスリフト http://www.implant-kaneko.jp/implant/03.html
ソケットリフト http://www.implant-kaneko.jp/implant/03.html
オール・オン・フォー http://www.implant-kaneko.jp/implant/05.html
HAインプラント http://www.implant-kyushu-yamaguchi.net/glossary.html#11
ご質問ありがとうございます。
下関市 かねこ歯科インプラントクリニックの金子 茂です。
文面より、矯正の終了時には、上顎 (右)11234567(左)
の８本がクラウンになっていたと理解します。
その後、上顎臼歯部の4567が抜歯になる（なった）と理解します。
まず、欠損したすべての歯4567の４本を補綴する必要があるかですが、
歯は上下ひと組で機能するため、対合歯（同側下の4567）があれば、
上顎臼歯部の4567の４本を補綴したほうが好ましいと思われます。
つぎに、上顎臼歯部の4567を補綴するばあい、
何本のインプラントが必要であるか考えます。
Ｘ線写真をみなければ詳しくわかりませんが、
上顎臼歯部の骨が良好な場合、（良好な可能性は低い）
(4)(5)6(7)の３本にインプラントを埋入すれば良いと思います。
一般に、６（上顎第一第臼歯部）に骨が一番少ないため、
その部位のインプラント埋入をさけます。
本数を４本から３本に減らせれば、上部構造の自由度も増すため、
補綴も楽になります。
上顎臼歯部の骨が不良な場合、（不良な可能性のほうが高い）
【a】
同じく、(4)(5)6(7)の３本にインプラントを埋入
但し、上顎洞挙上術をさけ、(7)は上顎結節方向に傾斜埋入する
【b】
上顎洞挙上術を行い、4567に４本埋入する
（３本でもいいのですが、側方サイナスリフトでなく、
歯槽頂上からのソケットリフトを行う場合では、
挙上量が十分でないことなどのリスクを考えれば、
本数を４本に増やして対応することもあります。）
ところで、オール・オン・フォーのコンセプトでは、
４本のインプラントがあれば、歯が１本もない状態である
無歯顎欠損に対応できるようになりました。
（歯が１本もなくても、インプラント４本で治療できるのです。
しかも即日に。）
このため、少ない埋入本数で、最大の治療効果をあげるように
最近では、治療方法が変化してきています。
可能であれば、治療後の予想が困難な上顎洞挙上術などの
骨造成術は避けるようになってきています。
オール・オン・フォーなどの傾斜埋入は、
ノーベルバイオケア社のインプラント・システムでないと治療できません。
どのメーカーのインプラントで治療されるか、手術前に説明を受けてください。
上顎臼歯部の治療によく用いられているHAインプラントは、
長期的な予後の点から、個人的には使用をひかえています。
用語については、以下に説明しておりますので参考にしてください。
補綴 http://www.implant-kyushu-yamaguchi.net/glossary.html#06
上顎洞挙上術 http://www.implant-kaneko.jp/implant/03.html
傾斜埋入 http://www.implant-kaneko.jp/implant/04.html
サイナスリフト http://www.implant-kaneko.jp/implant/03.html
ソケットリフト http://www.implant-kaneko.jp/implant/03.html
オール・オン・フォー http://www.implant-kaneko.jp/implant/05.html
HAインプラント http://www.implant-kyushu-yamaguchi.net/glossary.html#11
