ネルさんの相談
現在上海に在住しており、インプラント治療を検討しています。
対象は左上顎部の5番6番で下記状況のもと、医師から治療提案を受けておりますが、海外での治療に不安を感じており、日本の先生にご意見を頂ければと思います。
■状況
・5番は骨が十分あるが、6番は6.7mmしか骨がありません
■医師の提案
・6番にソケットリフトを2mm行う
・5番は10mm、6番は8mmのインプラントを埋入
・上部構造は連結冠でセメント固定方式
・メーカーはストローマン
■質問
上記の提案は日本でも一般的な治療方法でしょうか?
心配している点は下記になります。
(1)6番のソケットリフトは2mmが限界でしょうか?できれば10mmnのインプラントを埋入し単冠にしたいです。
(2)連結冠はセメント固定方式が一般的なのでしょうか?セメントから歯周炎になると聞き非常に心配です。
できれば6番にソケットリフトを3mm行い、10mmのインプラントを入れ、
単冠でスクリュー方式で固定したいのですが、小職の状況ですと日本で治療を受けたとしてもこの希望は難しいでしょうか?
海外での治療に非常に不安を感じております。
まことに恐れ入りますがご意見いただければ幸いです。
- 医療法人 加来歯科
- ( 大分県 中津市 )
- 2023-08-25 03:21:00
近年、中国でもストローマンインプラントがかなり使われるようになっていると聞いています。
(1) 上海のドクターのレベルは全く分かりませんし、上顎洞の底部の形や、どのような方法と器材で上顎洞の骨に穴を開けるのかによってソケットリフトの挙上量は変わってきます。通常であれば、2ミリは全く問題なくできる数字だと思います。
CT撮影はされたのでしょうか? 上顎洞底が平らな形であれば、上顎洞粘膜が破れやすいのであまり挙上することはできません。逆に深いアーチであれば簡単に5ミリ以上の挙上ができます。ドクターが2ミリを提案したとするなら、形態の問題か、あるいは自信がないのかもしれません。
(2) セメント固定かスクリュー固定かは難しい問題です。既成のアバットメント(土台)を入れて上に連結冠をセメント固定にすると、境界は部分的に歯肉の内側に入りがちです。この場合はご心配されているセメントの取り残しが起こりやすく、周囲炎を起こす可能性があります。しかしCADCAMでカスタムアバットメントの境界を歯茎の形に合わせてパソコン上で設計して作成すれば、セメントの取り残しも少なくすることができて炎症も起こしにくくできます。
ネルさんの言われるように長いインプラントが埋入できれば単独でスクリュー固定も可能だと思います。
ただ、ストローマンインプラントには色々な形態がありますので、その形態のものを選択するのか、またその太さがどれくらいなのか、そしてあなたの歯肉の厚みがどれくらいあるのか、などの条件で結果が変わります。歯茎が薄い場合はインプラントの辺縁骨が吸収しやすいので、深めの埋入が必要となります。
色々と書きましたが、担当ドクターの経験と技術、知識がどの程度なのか、CTデータをソフト上でシミュレーションして正確に埋め込むためのドリルガイドを作成するのかなどで結果が変わると思います。
再度、ドクターと相談してみてください。
- ネル(44歳 男性 )
- 2023年08月26日19時20分
ご回答いただきましてまことにありがとうございます。
その後、医師と相談し下記の内容で手術することとなりました。
・6番のサイナリフト2mmとし、直径4.8mm長さ8mmのインプラント
・5番は直径4.1mm長さ10mmのインプラント
・ネジ式での固定とし、連結か単独冠かは技工士と相談の上、のちに決定
しかし、CTも撮影の上での治療となりましたが、実際ドリルで穴をあけると、6番に大きな穴があり、骨がまったくなく、インプラントを入れられず、人口骨のみ入れ、5番のみ予定通り埋入となりました。
今回埋入した5番の隣の4番は過去に歯根先端切除術を行っており、若干炎症が見られるため、5番も無事定着するかわからないとのことでした。
治療後5日ほどたっておりますが、5番からはいまだ血がにじむ状態で不安に過ごしております。