marukoさん（鹿児島県）の相談

　上顎に何箇所のインプラント埋入を予定しているのか、２本の天然歯の状態はどうか、下顎にどのような義歯が入っているのかなどの条件によりご質問に対する回答が変わります。即ち、できる場合もありますしお勧めできない場合もあります。

　まず一般論として、下顎は入れ歯のままで上顎にインプラントを入れることは可能です。天然歯が２本しか残っていないということですから、補うべき歯の数は多くなります。インプラント埋入後上部構造を義歯にするのか、何箇所かにインプラントを埋入しブリッジのような形態で歯を並べていくのかなど最終的な上部構造の設計は患者さんと相談しながら決めていく事になります。尚、原則として天然歯とインプラント上部構造物とは連結できません。
　
　ここでひとつの目安としてお答えするならば、現在左右の臼歯部(奥歯）にしっかりとした天然歯同士の咬み合わせがあるか、または将来上顎のインプラント対下顎の天然歯というしっかりした咬み合せの設計が可能であるならばご質問の処置が行える可能性は高いと思います。
　逆に、上顎前歯部にインプラント、下顎前歯部に天然歯、上下顎臼歯部に安定の悪い義歯という設計はお勧めできません。インプラントに必要以上の負荷がかかり長期に維持安定しません。
　
　
　次に上顎がインプラントで下顎が義歯の場合、咬み合わす力は上顎の方が強くなりますので、下顎の義歯は強度的にもしっかりとした設計の義歯にしませんと義歯が破折したり、義歯を支える下顎の骨が吸収してきます。保険診療で扱える材料や設計は決められていますので、上顎のインプラント本数が多くなればなるほど保険診療の義歯では対応できません。下顎が総義歯に近い状態であれば、上顎インプラント埋入後の上部構造は義歯にした方が無難です（この場合は上顎前歯部にインプラントを用いたブリッジも可能ですので、上顎はインプラント上に前歯部はブリッジ、臼歯部は義歯という設計もあります）。

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