ヒラッチさん（大阪府）の相談

こんにちは。宮川デンタルクリニックの宮川と申します。
ご質問いただいた内容について回答させていただきます。
　まず、型取りをしているということは、もう製作に入っていると考えられますので、ヒラッチ様が納得できていないのであれば、トラブルを大きくしないようにするためにも、早急に歯科医院に連絡して作業を止めてもらうべきだと思います。その上で、もう一度医師とよくご相談をされたほうが良いでしょう。
　まず、ヒラッチ様の２つのご希望を共にいい状態で実現することは不可能だと思われます。
　「下の歯が無い間に上の歯が伸びる」ということは個人差もありますが、よくあることです。その経過については分かりかねますが、歯が伸びてしまった現状では、咬み合わせの問題や清掃性の問題、修復物の構造の問題が起こると考えられます。
　咬み合わせについては、歯並びが崩れていることと狭い隙間に下の歯を作る事になるので、下の被せものの形態もおかしなものになり、その結果咬み合わせがうまくいかなくなります。また、上の歯が長くなっていたり、下の歯が薄っぺらい扁平な歯になっていると非常に歯ブラシがしにくく、歯周病や虫歯のリスクが高くなります。そして、修復物の構造においては、下の被せの高さが確保できないため強度も低下し、壊れたり外れたりしてしまう可能性が高くなります。セラミックの白い歯を入れる場合にはなおさらでしょう。
　これらの問題をクリアするためにはやはり上の歯の治療が必要です。理想的には上の歯を削って被せることになってしまいます。必要な削除量がごく少ない場合には上の歯を削るだけで対応できることもありますが、その先生の説明からすると、上の歯を削るだけではしみる症状が出なかったとしても歯の形態が大きく崩れますから、咬み合わせの観点からも決して良くはならないと思います。また、上の歯を削った場合には、歯の神経をとらなくてはならなくなる可能性と、上の歯の高さが確保できないような時は歯茎の高さを調整するオペが必要になることもあります。しかし、お口の中の健康を長期的に考えると、上の歯を被せて伸びた分を元に戻してあげたほうがメリットは大きいと思います。
　ここまできちんと治療をして、下の歯を作るスペースをしっかり確保できれば、インプラントの上にセラミックの白い歯を入れることは可能でしょう。
　私にできる回答としては以上となりますが、参考になりましたでしょうか？　

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