ココイチさんの相談

カテゴリ:その他

1回法による奥歯へのボーンレベルインプラント埋入

左上顎5番・6番にストローマンのレギュラーサイズのインプラント手術を行いました。
ボーンレベルのインプラントで1回法による手術でした。5番・6番ともに10mmの長さのインプラントですが、6番は骨が9.5mmくらいしかなく、上顎洞を少し持ち上げて埋入したようです(人口骨や器具をつかったソケットリフトはしていません)。
術後、インターネットでいろいろ調べるとボーンレベルインプラントは通常2回法で行うことや、奥歯はティッシュインプラントが一般的であること知りました。
質問なのですが、奥歯にボーンレベルインプラントを使うことは一般的にあるのでしょうか?また、ボーンレベルインプラントで1回法での手術を行うことは問題がないのでしょうか?
現状は歯肉の上にヒーリングキャップが取り付けられている状態で、術後4週間がたち、特に痛みや腫れ、排膿等はない状態です。

よろしくお願いいたします。

初めまして、奈良県で開業しております福居と申します。
結論から申し上げますと、奥歯にボーンレベルを用いることはよくありますので、ご心配はいらないと思います。
ボーンレベルであっても今回のココイチ様のようにある程度骨がしっかりとあり、インプラントの初期固定(ネジの留まり具合)が良ければ一回法でヒーリングキャプを付ければ、ティッシュレベルインプラントと良く似た状態になります。

ティッシュレベルインプラントにもボーンレベルインプラントにもメリットはあり、ティッシュレベルインプラントは2歯連続になるとかなり厳密な平行生を求められるので、難易度は高くなります。そういった意味でもココイチ様のように2本のインプラントであればボーンレベルインプラントの選択に間違いはないと思います。
当院でもストローマンインプラントを使っておりますが、ココイチさんのような症例にはボーンレベルを使っております。

参考になれば幸いです。
  • ココイチ(44歳 男性 )
  • 2024年03月27日11時22分
福居先生
ご回答頂きまことにありがとうございます。
奥歯にもボーンレベルインプラントの1回法による手術は問題ないとわかり安心しました。また、ボーンレベルとティッシュレベルのメリットデメリットについてもご解説頂きまことにありがとうございます。
頂いたご回答に関連し、1件追加でご質問させて頂きたいのですが、現在主治医と5番・6番を2本連結にするか単冠にするか相談しており、型取りのタイミングで決めることとなっております。主治医からは2本連結を提案されておりますが、個人的には清掃性を確保するために単冠を希望しております。2本同時のインプラントの場合、連結するのが一般的でしょうか?睡眠時のくいしばりがあるのですが、単冠にした場合、連結に比べ強度が著しく劣りますでしょうか。
インプラント周囲炎が恐いので、清掃性は確保したいと思っておりますが、どちらを優先するべきでしょうか。
追加の質問まことに恐縮ですが、なにとぞアドバイス賜りたくお願い申し上げます。
ココイチ様
連結もしくは単冠に関しては悩むところです。
単独の方が清掃性は高くなりますが、技術的には連結の方が作りやすく、エラーは少ないと思います。
食いしばりがあるようであれば連結の方が強度は保たれるかと思いますが、最終的にはバランスを見てになると思います。
当院ではまず仮歯の段階で連結で作成して、実際に清掃性がどの程度かを染め出しして確認しています。その上で最終的な補綴物の形態を決めることが良いのではないでしょか。
  • ココイチ(44歳 男性 )
  • 2024年03月27日14時13分
福居先生
早々にご回答頂きまことにありがとうございます。
連結か単冠かは単純な正解はなく、状況に応じてバランスをみて決めるものなのですね。仮歯で様子を見た上で最終的にきめるとのご提案ありがとうございます。主治医と相談してみます。
ご多忙の中、アドバイス頂きまことにありがとうございました。大変助かりました。
ココイチさん

歯科業界の方でしょうか、非常に分かりやすい質問をありがとうございます。
まずはストローマンインプラントの歴史からお話しします。現在のティッシュレベル(TL)インプラントは以前は ITIインプラントとしてスタートしました。当院では平成4年から使用開始していますので、今年で32年目になります。非常に成功率が高く、第1号のインプラントも健在です。のちにストローマン社が販売するようになってTLインプラントと言われるようになったのです。
当初はこの形態のみの販売だったので、全ての患者さんに、太さと長さを変えるだけで応用してきましたが、ストレートタイプなので、硬い下顎骨には使いやすいのですが、上顎の柔らかい骨には食い込みが少なく、緩くなってしまうことがありました。そこで登場したのがボーンレベル(BL)インプラントです。
先端に比べて上方のネック部が太くなっているので、最後に骨に食い込んでしっかりと固定されます。
BLインプラントはTLインプラントが苦手な上顎の奥歯と前歯用に開発されたのです。
よって、ココイチさんの場合は全く問題ないということです。

それと本来は2回法用として開発されましたが、骨の状態が良ければ私も同様に1回法として使用しています。歯肉の厚みが薄い場合は要注意ですが、通常は全く問題ありませんし、手術が1回で済むので患者さんからも喜ばれています。
以上、参考になれば幸いです。
  • ココイチ(44歳 男性 )
  • 2024年03月28日23時20分
加来先生

ご回答いただき誠にありがとうございます。
ストローマンのインプラント開発の背景についてご解説頂き、上顎奥歯へのボーンレベルインプラントの使用が全く問題ないことが大変よく理解できました。また、1回法による埋入も問題ないことがわかり大変安心しました。
小職は業界関係者ではない一般人ですが、4年前に左上顎6番を失って以来歯に悩まされ続け、素人ながらいろいろ調べ今回インプラント治療に踏み切りました。あと数か月で歯を失う前の生活が取り戻せるかもしれないという期待と、治療後の不安の間で揺れ動いておりましたが、ご説明いただき安心できました。
ご多忙の中、大変ありがとうございました。
ココイチさん

ご返信ありがとうございます。
4年間も悩み、色々と調べた結果だったのですね。
そして良い先生に巡り合ったと思いますよ。
もうすぐ以前の状態にリセットできますので、楽しみにしていてください。
ココイチ様
ご相談の件ですが、当クリニックではインプラント専門医が月に一度の頻度で施術を行っております。現在相談内容の返答待ちの為ご回答まで申し訳ございませんがもうしばらくお時間をいただければ幸いです
よろしくお願い申し上げます。



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