当院では、万が一に備え、AED(自動体外式除細動器)を設置しております。近年、公共の場で設置数が増加し、高速道路のSAや駅構内、空港、学校などで見られた事のある方も多いと思いますが、この機器は急に人が倒れ、意識消失と呼吸停止と脈拍まで無くなった時(心肺停止、心停止時)に、電気ショックを与え蘇生させる一次救命処置(BLS;Basic Life Support)の時に使う機器です。心肺停止から、この機器を一刻も早く使えば、救命率は向上し、社会復帰も出来る確率が高くなります。歯科治療でも麻酔の注射やストレス、患者さんの持病などが原因で、様々な偶発症が起こる可能性があり、全国規模でも歯科医院での心肺停止までの報告例はわずかですが、ゼロではありません。その為、緊急時に備え、当院ではAEDを設置し、さらに、当院の歯科医師はAHA(米国心臓協会)の一次救命処置の資格(BLSヘルスケアプロバイダー)も取得しております。
また、加えて、心停止前(不整脈も含む)から心停止に至るまでの心電図を含むモニター診断から点滴での薬剤投与や気道管理(気管挿管など)、そして、様々な検査方法の選択から病因に対する原因の探索まで行い、高度な知識と技術が要求される二次救命処置(ACLS;Advanced Cardiovascular Life Support)に関しても、難度の高いとされているAHA(米国心臓協会)の二次救命処置の資格(ACLSプロバイダー)を、当院の術者(執刀医、副院長)と麻酔専門医(静脈内鎮静法の時)が共に取得しており、当院では酸素や緊急薬剤の常備はもちろんのこと、心停止のみならず、呼吸停止や異物除去などに対しても、バッグバルブマスク、エアウェイや各種のラリンジアルマスク(声門上気道デバイス)、喉頭鏡とスタイレット付気管チューブ (気管挿管)、潤滑ゼリー、ブジー、胃管、聴診器、異物除去カンシ(SUZY型)、その他(外科的緊急気道確保器具、輪状甲状膜穿刺キットなど)にも様々な器具を揃え、さらに開業医では珍しく、ビデオ喉頭鏡(ビデオ+直視も可能)までも備えており、挿管困難例(DAM;Difficult Airway Management)における気道管理(気管挿管等)や異物除去にもさらなる対処ができるようにして、常に万が一の緊急時に備えております。