インプラント治療で使われる「治癒」ってどういう意味?

ここでは、インプラント治療においてよく聞かれる「治癒」について、どのような現象をそのように呼んでいるのか、ご紹介します。歯科医師の言っている「治癒」とご自分が想定している治癒が同様の意味であるのか、少しでも不安に感じたら、確認してみましょう。

更新日:2019/09/20

■目次

  1. 「治癒」するということ
  2. 顎の骨を増やす手術後の「治癒」
  3. インプラントを埋め込んだ手術後の「治癒」
  4. アバットメントを接続した手術後の「治癒」
  5. まとめ

「治癒」するということ

一般的に「治癒」とは、身体に負った傷や病気などが治る、または支障がない程度まで回復した状態をいいます。インプラント治療でも「治癒」という言葉がよく使われますが、インプラントでいう「治癒」とはどういう意味なのでしょうか。治療過程によって意味合いが異なりますのでご紹介します。

顎の骨を増やす手術後の「治癒」

インプラント治療を行う部分の顎の骨が、なんらかの理由で痩せている(吸収している)ことがあります。そのままの状態でインプラントを埋め入れると、インプラントをしっかりと支えることができなかったり、治療後の見た目や機能に問題が生じたりすることがあります。そのような場合は、顎の骨を増やす手術を行います。

▼顎の骨を増やす手術後の「治癒」とは
顎の骨を増やす手術後の治癒とは、主に移植した骨が、顎の骨と同化され、インプラントを埋め入れることができる状態になることをいいます。一般的に6ヶ月~1年の治癒期間を要します。お口やお身体の状態によっては、顎の骨を増やす手術と併せて、インプラントを埋め入れられる手術を同時に行えることもあります。

>>インプラント治療とあごの骨
>>骨の薄い人でもできるインプラント

インプラントを埋め込んだ手術後の「治癒」

インプラント治療は、歯茎を切って顎の骨にインプラントを埋め込む外科手術が必要です。埋め込んだインプラントが顎の骨としっかり結合することにより、咀嚼に耐えうる土台となることが重要です。

▼インプラントを埋め込んだ手術後の「治癒」とは
インプラントを埋め込んだ手術後の治癒とは、主に顎の骨にインプラントがしっかりと固定された状態のことをいいます。一般的に下顎で2~3ヶ月、上顎で4~6ヶ月の治癒期間を要します。なお、お口やお身体の状態によっては、治癒過程と並行して人工歯を接続する「即時負荷」、または「早期荷重」と呼ばれる治療法を受けられることもあります。

>>インプラントと骨結合のメカニズム

アバットメントを接続した手術後の「治癒」

インプラントの外科手術には、一回法と二回法があります。二回法では、1回目の手術で、インプラントを顎の骨に埋め込み、一度歯茎を閉じます。2回目の手術で、歯茎を切開してアバットメント接続を妨げる顎の骨を一部削った後に、アバットメントを連結します。

▼アバットメントを接続した手術後の「治癒」とは
アバットメントを接続した手術後の治癒とは、アバットメントを装着するために切開した歯茎の傷口が治った状態のことをいいます。一般的に3~6週間の治癒期間を要します。


>>一回法と二回法 ― インプラントの手術方法
>>インプラント手術 二回法手術について

まとめ

このように、一言で「治癒」といっても、色々なシーンで使われ、意味が変ってくる単語もあります。担当医の言う「治癒」と自分の考える「治癒」に認識の違いがないように、不安があれば確認をしておきましょう。この他にも、説明のなかで理解できない単語があれば遠慮なく質問するようにし、納得したうえで治療を受けましょう。

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記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。