インプラントがぐらぐらして不安!原因やメンテナンスの費用とは?
「インプラント治療を受けてから最近インプラントがぐらぐらするようになった。」そのように悩んでいる方はいませんか。
インプラントのぐらぐらは放置せずに早めに歯科医院を受診しましょう。インプラントがぐらぐらする主な原因、対処法、メンテナンス費用などを紹介します。
更新日:2024/12/26
■目次
この記事のポイント
・インプラントがぐらぐらしている原因が「インプラント周囲炎」の場合、放置しておくと抜け落ちてしまう可能性がある
・インプラントの寿命を守るためにメンテナンスは欠かせない
インプラントがぐらぐらする原因3つ
インプラントがぐらぐらする原因を紹介します。
インプラントのネジが緩んでいる
インプラントがぐらぐらする原因の一つに、インプラント体と上部構造をつないでいる『アバットメント』のネジが緩んでいることが挙げられます。
強い噛む力がインプラントにかかり続け、アバットメントが徐々に緩んでいきます。歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は注意が必要です。
アバットメントの緩みが原因でインプラントがぐらぐらしている場合、ネジをしめ直すことで比較的簡単に改善できます。
インプラント周囲炎を発症している
インプラント周囲炎は、インプラントの周囲組織に炎症が起こる状態です。インプラントの周りにプラークが溜まることによって歯周病のような症状が起こります。歯茎が腫れて赤くなる、出血する、膿が出るなどの症状が出ます。
症状が進行すると歯ぐきや歯を支える骨が下がりインプラント体が露出し、インプラントがぐらぐらして、最終的にはインプラントが抜け落ちてしまうということもあります。
インプラント周囲炎は歯周病菌が関与しているため、歯周病の治療をしないままインプラント治療後のインプラント周囲炎が起こりやすいといわれています。
参考:日本歯科医師会
インプラント体が定着していない
骨量不足の状態でインプラント治療を受けると、インプラントが定着しないままぐらぐらすることがあります。
インプラントを入れる十分な骨量がない場合、骨を足す手術が検討されます。
→詳しくは『インプラントの骨造成とは?メリット・デメリット、費用』の記事をご覧ください。
インプラントがぐらぐらするのを防ぐための対処法
インプラントの安定性を保つため、治療後に気をつけたい対処法を紹介します。
メンテナンス
インプラントを長持ちさせるには、メンテナンスが欠かせません。メンテンナンスの頻度はお口の中の状態によって異なりますが、1年間に2回から4回の通院が一般的です。
インプラントの周囲組織に異常がないかがチェックされるだけでなく、PMTCといわれる専門的なクリーニング、ブラッシング指導なども行われます。メンテナンスの頻度は歯科医師から指示されるので、インプラントの寿命を保つため、トラブルを防ぐために定期的に受診しましょう。
インプラントのメンテナンス費用は?
インプラントのメンテナンス費用の相場は3,000円~10,000円です。インプラント治療は公的医療保険適用外のため歯科医院によって大きく異なります。また、インプラントのメンテナンス費用は、医療費控除の対象となる場合が多いです。
2024年10月 株式会社メディカルネット調べ
→医療費控除については『インプラントの医療費控除の申告方法と還付額について』の記事をご覧ください。
セルフケアを怠らない
インプラントの状態を良好に保つため、セルフケアはとても重要です。
インプラントや歯茎を傷めないために、毛先の硬さに注意して歯ブラシを選びましょう。硬めの歯ブラシはインプラントや歯にダメージを与える可能性がありますので、普通か軟らかめの歯ブラスがお勧めです。
インプラントと歯茎の境目を意識し磨くことが大切です。上部構造(被せ物)も磨きましょう。
デンタルケアグッズを活用
歯ブラシだけではしっかりと汚れが落とし切れません。デンタルフロス、歯間ブラシ、タフトブラシを併用しましょう。
デンタルフロスは歯と歯の間のプラークや食べかすを取り除くために使用される細い糸です。デンタルフロスは非常に細く、歯間にスムーズに入るため、狭い隙間の汚れを効果的に除去できます。
インプラント治療に限らず、歯ブラシで届きにくい歯と歯の間のプラークや残った食べかすを取り除くことは大切です。虫歯や歯周病予防につながります。
歯間ブラシは、歯と歯の間(歯間)を効果的に清掃するための小型ブラシです。隙間の大きい箇所や、インプラント、ブリッジ周囲にも使用できます。
タフトブラシとは、一番奥歯など磨きにくい特定の部分を集中的に磨くために設計された小型の歯ブラシです。歯ブラシよりも小さなブラシヘッドで、毛束が少なく、歯ブラシが入りにくい狭いスペースや歯間、インプラント周囲細かい部分を効果的に磨けます。
まとめ
インプラントがぐらぐらしたら放置せず、かかりつけの歯科医院を受診しましょう。ぐらぐらの状態を長期間放置すると、最終的にはインプラントが抜け落ちてしまうことも考えられます。早期発見・治療がインプラントの寿命をより長く保つコツです。
記事監修
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。
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