インプラント治療を後悔する原因とは?後悔しないための信頼できる歯科医院選びのポイント
インプラント治療を検討しているものの、「インプラントにして後悔した」という声を聞いてしまうと不安になります。インプラントにすると後悔することがあるのでしょうか?実際に後悔した人は、どのような理由でしょうか?
この記事では、後悔しないインプラント治療の選び方と、信頼できる歯科医院を見つける重要なポイントを紹介します。
更新日:2025/03/03

■目次
この記事ポイントまとめ3つ

・インプラントで噛むと失った自分の歯のような感覚で噛むことができ、見た目も優れた仕上がりが期待できるが、ごく僅か治療を後悔している人がいる。
・インプラント治療後のトラブル(インプラント周囲炎やグラつきなど)は、定期検診と適切なケアで防げる。
・実績の豊富な歯科医師と充実した設備を持つ歯科医院を選ぶことが、満足のいく治療結果につながる。治療前のカウンセリングをしっかり受けることも大切。
インプラント治療を後悔している人もいる
インプラント治療によって失った歯を補うと、自然な歯に近い噛み心地と高い審美性を得られる治療法です。食事を楽しむことができ、周囲の健康な歯を削ることなく他の歯を削るなど負担をかけずに治療できるなど多くのメリットがあります。
しかし、インプラント治療を後悔している人が僅かながらいます。
国民生活センターの資料に「インプラント、ブリッジ、入れ歯の満足度」という調査(平成31年)があり、インプラント治療を受けた方を対象とした結果では、「どちらかといえば不満」「不満」と回答した人が、それぞれ3.6%、2.8%いることがわかりました。
参考:国民生活センター
→インプラントにして後悔したというケースや、満足いくインプラント治療を受けるための注意点は「インプラントをして後悔した理由は何? 治療前に見ておきたいまとめ」の記事をご覧ください。
インプラント治療を後悔する原因8つ
インプラント治療を受けて後悔する原因は何でしょうか。主な原因を8つ、ピックアップしました。
①インプラント周囲炎になった
インプラント周囲炎とは、インプラントの周囲の組織が、細菌感染して炎症を起こす病気です。症状は歯周病に似ており、歯肉の痛みや出血があります。
②インプラントが壊れた
インプラントを支えている骨が溶けて、インプラントがグラグラして抜けるおそれがあります。インプラント周囲炎を予防するためには、定期的に検診を受ける必要があります。
③インプラントがグラグラするようになった
インプラント周囲炎による骨の吸収やスクリューの動揺により、インプラントがグラグラします。スクリューが破折して除去できない場合には、被せ物を新しく作り直す必要があります。
インプラントがグラグラする原因や対処法については「インプラントが動く・ぐらつく 原因と対処法を紹介!」の記事をご覧ください。
④インプラントが脱落した
インプラント体の埋入の際にインプラントと骨が初期にしっかりと結合しないと、治療後にインプラント体が脱落する場合があります。埋入する骨の量が元から少ないケースなどで起こりやすいです。
⑤麻痺やしびれが生じた
インプラント体を埋入する手術により、顎や舌の神経を損傷する、圧迫すると、知覚麻痺や痺れが生じます。下顎の奥歯部分にインプラント体を入れる場合は神経損傷の頻度が高いとされており、注意が必要です。
⑥費用が高額だった
インプラント治療で主な不満なポイントが、費用です。国民生活センターの調査(平成31年)によると、インプラント治療に対する不満で最も多い回答が「治療費が高額」(37.0%)となっています。
参考:国民生活センター
インプラント治療は公的医療保険が適用されないのが一般的なため、治療費が高額になります。自費診療のため費用は歯科医院により大きく異なりますが、1本あたり300,000円~500,000円ほどかかると考えてよいでしょう。
インプラントの詳しい費用に関しては「インプラントの値段は?費用相場から保険まで治療費についてまとめました!」こちらの特集記事をご覧ください。
また、インプラント治療は医療費控除の対象です。医療費控除とは、その年(1月1日~12月31日)に支払った医療費が一定の金額(基本的に10万円)を超えると、その超えた分が控除対象となります。
申請方法と戻ってくる控除額については「インプラント治療の医療費控除額どれくらい?いくら戻ってくるの?」の記事をご覧ください。
⑦見た目が悪くなった
インプラント体の埋入位置や角度によっては、理想とする審美性を得られない場合があります。前歯を治療するケースではとくに審美性の回復が求められます。インプラント体の埋入角度が前方すぎると、歯茎が下がったように見え、やや出っ歯のように見えるおそれがあります。
⑧保証を受けられなかった
インプラント治療では、万が一のトラブルに備えて独自の保証制度を設けている歯科医院があります。しかし、治療後に引っ越しや転勤などによって歯科医院が変わってしまうと、保証制度を使えなくなることが多いです。
また、
・定期検診に通っていない
・喫煙している
場合も、保証制度が適用されないことが多いです。制度の詳しい内容については、治療を受けた歯科医院に確認しましょう。
インプラント治療の不安を解消するため、患者さんの負担を軽減するためにインプラント治療に保証制度を設けているクリニックが増えています。
インプラント保証制度の内容について詳しくは「インプラントの保証制度 チェックすべきポイントはこれ!」をご覧ください。
インプラント治療で後悔しないための選び方
5つの選び方のポイントを押さえて、素敵なインプラント・ライフを楽しみましょう
1.実績が豊富な歯科医院を選ぶ
日本口腔インプラント学会の調査データ(平成27年)によると、「あなたが、もしインプラント治療を受診しようと思う場合、どのように先生を選びますか?」に対し最も多い回答が「実績がある歯科医」(45.0%)となっています。
インプラント治療の結果は歯科医師の経験や技術に大きく左右されます。歯科医院のウェブサイトに記載されているプロフィールを確認するなどして、実績がある歯科医院をピックアップするとよいでしょう。
参考:日本口腔インプラント学会
②設備が充実している歯科医院を選ぶ
インプラント治療を成功させるために大切なのが設備です。とくに必要とされているのが歯科用CTです。歯や骨の状態を正確に把握するだけでなく、神経や血管の位置もわかるので手術時に問題が起こるリスクを軽減できます。X線撮影により正確な診断が可能になります。
③費用のみで歯科医院を選ばない
治療費が安い歯科医院は魅力的に映りますが、極端に安さをうたうところは注意が必要な可能性があります。品質の低いインプラントを使っている可能性があり、しっかりした治療を受けられないかもしれません。
④定期的なメンテナンスを受け続ける
インプラント治療を受けたあとは、定期検診をおすすめします。インプラント周囲炎の予防につながり、インプラントが長生きし、虫歯や歯周病予防といったお口全体の健康管理にもつながります。
⑤カウンセリングを受けてみる
インプラント治療を受ける前に、歯科医院が実施しているカウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。カウンセリングに力を入れているところでは、お口の中や全身の状態を考慮しながら話を聞いてくれます。カウンセリングに時間をかけているところを調べると選びやすいかもしれません。
インプラントのカウンセリングに行く予定がある場合は「インプラント治療のカウンセリングで行われること・伝えるべきこととは?」の記事をご覧ください。
まとめ
インプラント治療を受けて後悔している人が少数います。後悔した理由として、インプラント周囲炎やインプラントの破折、手術後の麻痺などです。
治療後に後悔をしないためにも、治療実績が豊富な歯科医院を選ぶなど、下調べが大切です。インプラント治療についてお悩みがある場合は歯科医院のカウンセリングを受けるほか、気軽に活用できるインプラントネットの相談コーナーも検討してみましょう。
記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。
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