インプラントのメンテナンス費用はいくらが普通?頻度や医療費控除は?

インプラントは、治療後のメンテナンスが欠かせません。
ですが「インプラント治療自体が高額なのにさらにずっとメンテナンスの費用がかかる」「高額な治療のメンテナンスならそれも高額なのでは?」と、治療を躊躇ってしまう方もいるでしょう。

今回は、インプラントのメンテナンスにかかる費用・頻度・流れについて、詳しく解説します。

更新日:2024/09/19

インプラント メンテナンス 費用

■目次

  1. インプラントのメンテナンス費用の相場
  2. 医療費控除でメンテナンス費用の負担を軽減!
  3. インプラントのメンテナンスの頻度
  4. インプラントのメンテナンスの流れ【4STEP】
  5. STEP1. お口の中の状態のチェック
  6. STEP2. レントゲン検査
  7. STEP3. ブラッシング指導
  8. STEP4. PMTC
  9. インプラントの寿命ってどのくらい?
  10. まとめ

インプラントのメンテナンス費用の相場

インプラント メンテナンス 費

インプラントのメンテナンスにかかる費用は歯科医院によって異なりますが、一般的には3,000~10,000円が相場です。歯科医院によっては「インプラント1本あたり」で費用を定めている歯科医院と「1口腔内」で費用を定めている歯科医院があり、前者の場合はインプラントの本数が多ければ多いほど費用がかかります。また、他院で入れたインプラントのメンテナンスの場合は追加料金が発生する歯科医院もあるようですので、費用については事前に確認しましょう。

相場から計算すると、年間のインプラントのメンテナンスにかかる費用は(メンテナンス頻度は患者さんによって異なりますが)3~4ヵ月に1度のメンテナンスを受けた場合、年間で10,000~40,000円かかります。

インプラントのメンテナンス費用は医療費控除の対象のため、ほかにも医療費がかかった場合は比較的安価にメンテナンスを受けることができます。

2023年10月 株式会社メディカルネット調べ

医療費控除でメンテナンス費用の負担を軽減!

インプラント治療は医療保険の適用外ではありますが、治療に使った医療費の一部を返還してもらえる、「医療費控除」という制度を適用できます。基本的に1年間の治療費が100,000円を超える場合、そのぶんの金額が所得税の控除の対象になる制度です。

また、インプラント治療においては、人工歯の製作やインプラント埋入費用に加えて、メンテナンスの費用も医療費控除の対象となります。

メンテナンスは定期的に受けるものであるため、1年間で支払った医療費が100,000円を超えた場合は、毎年申請を行うことで金銭的な負担を減らすことができます。

参考:国税庁

インプラントのメンテナンスの頻度

インプラント治療が終わってから1年間は、治療から1ヵ月後、3ヵ月後、6ヵ月後、12ヵ月後と、4ヵ月に1回ほどのスパンでメンテナンスを行う歯科医院が多いでしょう。インプラント治療から1年以上が経過し特に衛生状態に問題なければ、3~6ヵ月に1度メンテナンスを行う歯科医院が多い傾向にあります。

歯周病の検査結果などによってはメンテナンスの間隔が狭まるケースもあります。厚生労働省の「歯科インプラント治療指針」では、「2~6ヵ月に1回実施する」という記述が存在します。

参考:厚生労働省

インプラントのメンテナンスの流れ【4STEP】

インプラント メンテナンス 費用

インプラントのメンテナンスでは、大きく4つのステップを踏んでメンテナンスを進めていきます。

STEP1. お口の中の状態のチェック

治療を始める前に、お口の中の状態をチェックします。まず最初に、インプラント周囲炎、歯茎の炎症・腫れ、インプラントのぐらつき・破損の有無を確認します。

その他、インプラントを入れた後の噛み合わせがしっかり機能しているか、歯垢や歯石が溜まっていないかなどのチェックを受けて、問題がなければメンテナンスを進めていきます。インプラント動揺などのトラブルが確認されれば、除去などのトラブル対応を行います。

STEP2. レントゲン検査

インプラント周囲炎は肉眼で全てを確認することができないため、定期的にレントゲン撮影で状態確認します。

メンテナンスのたびに毎回撮影する必要はありませんが、天然歯でも1年に1回程度のレントゲン撮影による検査が推奨されています。

STEP3. ブラッシング指導

メンテナンスの際には、インプラントの周囲の磨き残しを確認します。汚れはメンテナンスで取り除きますが、日頃から磨き残しがないようにすることがインプラントを守ることにつながります。

患者さんご自身に日々のセルフケアで汚れを取り除いてもらうために、ブラッシング指導を行っている歯科医院が多いです。特に磨き残しが多かった部分があれば、歯科医師または歯科衛生士が歯磨きの仕方や歯間ブラシやデンタルフロスなどの補助用具の使い方を指導して落とし方をレクチャーします。日々のケアがしっかりできればメンテナンスの頻度を減らすことができるようになり、治療費節約になるかもしれません。

STEP4. PMTC

PMTCは「プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング」の略称であり、歯科医師や歯科衛生士が行う、専門的なクリーニングのことです。

専用の機材を用いることで、普段の歯磨きでは落とせない歯石や汚れを取り除いていきます。

インプラントの寿命ってどのくらい?

一般的にインプラントの寿命は10~15年程度です。実際のデータを参照してみても、厚生労働省の資料によると、インプラント手術から10~15年にわたって問題なく使用できた割合は上顎が約90%、下顎が約94%と、非常に高いです。

しかし、日々のメンテナンスやケアを徹底的に継続している患者さんの中には、20~30年にわたって1本のインプラントを使い続けているケースもあります。メンテナンスを受けなければ早く抜け落ちるかもしれません。メンテナンス次第で、インプラントの寿命を延ばすことができるといえるのではないでしょうか。

参考:厚生労働省

まとめ

インプラントのメンテナンスには、インプラント周囲炎の予防、インプラントの寿命を延ばすなどさまざまなメリットがあります。お口の中全体の清潔さを保つ上でも効果的なので、治療後のメンテナンスは欠かさずに続けることが大切です。

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開

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記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。