骨移植|骨不足でインプラント治療を諦めている人のための治療

インプラント治療を受けようと考えて歯科医師に相談したところ、「顎骨の量が足りないため難しい」といわれた方はいませんか。その時に「骨移植・骨造成を受ければインプラント治療ができます」といわれた方もいらっしゃいませんか。一体どのような治療なのでしょうか。

インプラント治療ができる可能性がある骨移植・骨造成のメリット・デメリットも含めて詳しく解説します。

更新日:2024/07/04

インプラント 骨移植

■目次

  1. インプラント治療の骨移植とは
  2. インプラント治療の際に骨移植が必要なケース
  3. 歯周病が進行している
  4. 歯が抜けた状態を放置している
  5. 入れ歯を長く使っている
  6. インプラント治療の際に骨移植を行うメリット
  7. インプラント治療が受けられる
  8. 見た目の良い歯冠や歯茎の形成に役立つ
  9. インプラント治療で骨移植を行うデメリット
  10. 通常のインプラント治療よりも費用がかかる
  11. 合併症リスクが高くなる
  12. 骨移植を行わずに済むグラフトレスソリューションとは
  13. グラフトレスソリューションのメリット
  14. 体への負担が少ない
  15. 骨移植・骨造成のデメリットを避けられる
  16. グラフトレスソリューションのデメリット
  17. 強度に不安が残る
  18. 治療後に関する研究報告が少ない
  19. 治療後に関する研究報告が少ない
  20. まとめ

インプラント治療の骨移植とは

インプラント 骨移植

インプラント治療では、インプラント体を顎骨に埋め込む手術が必要で、顎骨の量が足りない場合はインプラント体を埋めることが難しいです。

顎骨の量が足りない場合でも、顎骨の量を増やす治療法である「骨移植・骨造成」を受ければ、十分な顎骨の量を確保することが可能です。骨移植・骨造成では、顎骨が足りない部分に自家骨や人工骨を入れて骨再生を図ります。

インプラント治療の際に骨移植が必要なケース

次に紹介する口腔内の状態だとインプラント治療の際に骨移植・骨造成が必要です。

歯周病が進行している

歯周病が進行すると、歯を支える骨が溶けます。顎骨の量が足りない状態では、インプラント治療が難しいです。

歯が抜けた状態を放置している

歯を失ったまま放置していると、歯がない部分の顎骨は徐々に減ります。

入れ歯を長く使っている

入れ歯は噛む力が弱く、顎骨に刺激が伝わりにくいという問題があります。刺激が少ない状態が続くと、顎骨は痩せやすいです。

インプラント治療の際に骨移植を行うメリット

骨移植・骨造成には以下のメリットがあります。

インプラント治療が受けられる

骨移植・骨造成によって顎骨の不足を補います。顎骨の量が多いと、インプラント体を埋め込んだ直後の初期固定を得やすくなります。

見た目の良い歯冠や歯茎の形成に役立つ

骨移植・骨造成によって十分な顎骨の量を獲得できると、顎骨を覆う歯茎の審美性も高くなります。また、歯冠の形状も美しくなります。

インプラント治療で骨移植を行うデメリット

骨移植・骨造成を受ける際は、以下のデメリットも把握しておかなければなりません。

通常のインプラント治療よりも費用がかかる

骨移植・骨造成はインプラント治療のオプションで行われるため、追加費用がかかります。骨移植・骨造成の費用は200,000~400,000円、インプラント治療の費用は1本あたり300,000~400,000円が相場です。

2024年3月 株式会社メディカルネット調べ

通常のインプラント治療よりも治療期間が長くなる

骨移植・骨造成はインプラント治療の前に行われるケースが多く、トータルの治療期間が長くなります。目安として骨移植・骨造成で4~6ヶ月ほど、その後のインプラント治療で3~6ヶ月ほどかかるため、トータルで半年から1年かかることもあります。

合併症リスクが高くなる

骨移植・骨造成を受ける場合、インプラント治療のみを行う場合と比べて、手術回数が多くなります。手術は身体に負担がかかるため、合併症リスクが高くなります。

骨移植を行わずに済むグラフトレスソリューションとは

骨移植・骨造成(グラフト)とは違う治療法でインプラント治療を受けられますが「グラフトレスソリューション」といいます。グラフトレスソリューションにより患者さんは様々な負担を軽減できます。

グラフトレスソリューションには、インプラント体を斜めに埋め込む「傾斜埋入」、従来よりも短いインプラント体を使用する「ショートインプラント」、従来よりも細いインプラント体を使用する「ナローインプラント」などの種類があります。

グラフトレスソリューションのメリット

インプラント 骨移植

骨移植・骨造成を受けないことで、以下のようなメリットを得られます。

体への負担が少ない

骨移植・骨造成のための手術が不要となります。精神的・肉体的な負担のかかる手術を回避できる点は、グラフトレスソリューションを選択する大きなメリットといえます。

骨移植・骨造成のデメリットを避けられる

費用負担の増加、治療期間の長期化、合併症リスクの上昇などのデメリットを避けてインプラント治療を進められます。

グラフトレスソリューションのデメリット

以下のようなデメリットがあります。

強度に不安が残る

ナローインプラントは、顎骨の幅が狭い部分にも埋め込むことが可能ですが、従来のインプラント体よりも直径が細く強度や維持力に劣ります。

治療後に関する研究報告が少ない

ショートインプラントに特化した研究報告は少なく、臨床データが不十分であるといえます。

治療後に関する研究報告が少ない

ショートインプラントに特化した研究報告は少なく、臨床データが不十分であるといえます。

まとめ

インプラント 骨移植

骨移植・骨造成は、不足している顎骨を補う治療法です。骨移植・骨造成によってインプラント治療を受けられるようになるものの、追加費用がかかり治療期間も長くなるといった点がデメリットです。

骨移植・骨造成をしないグラフトレスソリューションも選択肢に挙げられます。骨移植・骨造成のデメリットを避けてインプラント治療を受けたい場合は、グラフトレスソリューションが可能か歯科医師に相談してみてはいかがでしょうか。

この記事で、骨移植・骨造成に対するあなたの不安が少しでも解消されたら幸いです。

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開

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記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。