アモウデンタルクリニック(併設:大阪インプラント)

インプラント周囲炎を予防するためのPMTCとは?詳しいメンテナンスを紹介!

歯周炎はどんな方にも起こりうる問題ですが、インプラントの治療を行った方は、特に治療後に継続的に意識したほうがいいそうです。そもそもなぜインプラント周囲炎になるのか、またその予防方法となるPMTCについて紹介します。

更新日:2024/06/21

インプラント周囲炎

■目次

  1. インプラント周囲炎とは?
  2. インプラント周囲炎になってしまう原因とは?
  3. インプラント周囲炎の治療方法
  4. 予防のためのメンテナンスについて
  5. PMTCによるメンテナンスについて

インプラント周囲炎とは?

インプラント周囲炎とは、インプラントの周囲にある組織が細菌などに感染し、歯周炎に近い状態に陥る症状のことです。インプラントそのものが虫歯になることはないものの、インプラント周囲炎が進行すると、装置の脱落を招く可能性もある点には注意が必要です。

インプラント周囲炎になってしまう原因とは?

手術時の環境が不衛生だったり、ブラッシング不足などが原因でお口の中の衛生環境が悪化したりすると、インプラント周囲炎の発生リスクが高まります。お口の中に細菌や歯石が溜まってしまうと、歯肉が炎症を起こしやすくなり、インプラントの周囲に存在する組織が炎症や細菌感染を起こす、歯周炎になる可能性も上がってしまうからです。
それに加えて、糖尿病や喫煙習慣もインプラント周囲炎の原因となるため、それらの条件にあてはまる患者さんは注意が必要です。インプラント治療に先立って、糖尿病の治療や禁煙の成功を行っておくことを求められるケースが多いのは、インプラント周囲炎の発症リスクを減らすためでもあるのです。

インプラント周囲炎の治療方法

インプラント周囲炎を治療する際には、インプラントの周囲や「歯周ポケット」の中から、細菌や歯石を取り除いていきます。それに加えて、薬剤や抗生物質の投与を行うケースもあります。インプラント周囲炎の症状が進行している場合は、外科手術で歯茎を切開したうえで、直接インプラントを洗浄・殺菌していきます。

ただし、インプラントの周囲にある骨の吸収が進み、該当箇所にある骨の量が足りなくなってしまった場合は、手術などで骨のボリュームを補わなくてはなりません。さらに、状況によっては埋め込んだインプラントを撤去したうえで、再びインプラントの治療を行う必要が生じてしまうこともあります。

予防のためのメンテナンスについて

PMTC

インプラント周囲炎にならないためのメンテナンス方法を知ることで、日々の生活の中で適切に予防に繋げることが可能です。

生活習慣を整える

インプラント周囲炎を予防するためには、日頃の生活習慣が重要になります。例えば喫煙による発症のリスクを減らすために禁煙に取り組んだり、糖尿病を予防するためにバランスの良い食生活を心がけることで、健康を維持することができるというだけでなく、インプラント周囲炎の発生リスクを軽減することにもつなげることができます。

セルフケアの紹介

マウスウォッシュ

日常におけるセルフケアの質は、インプラント周囲炎の発生リスクの軽減に直結します。お口の中の環境を良好に保つために歯磨きを欠かさず行うことに加えて、インプラント治療の後に歯科衛生士から正しいブラッシングの方法を指導してもらうことで、歯磨きのクオリティを高めていくのも大切です。

さらに、歯磨きの際にタフトブラシや歯間ブラシといった器具を併用することによって、セルフケアの質をさらに高めることができます。タフトブラシと歯間ブラシは、ともに歯と歯の間をはじめとする一般的な歯ブラシが届きにくい部分の汚れを取り除きやすい特性があり、通常の歯磨きだけではカバーしきれない部分をケアするのに大いに役立ちます。

また、薬用成分が配合されている洗口液(マウスウォッシュ)を使うことによって、歯周病の原因となる細菌に対する殺菌効果が得られます。また、洗口液は歯と歯の間のブラッシングが難しい箇所に成分を届けることが可能であり、薄めずにすすぐだけで手軽に利用できるため、セルフケアにおいて大きな効果を発揮してくれることが期待できます。

歯科医院専売の洗口液は、歯科医院で購入することが可能です。洗口液は口臭の予防や出血の防止といったさまざまな効能があり、インプラント周囲炎を防ぐ目的で使用することもおすすめできるものとなっています。

歯科医院での定期的なメンテナンス

インプラント治療を行っている患者さんの場合、自身で行うセルフケアだけでは対策が不十分になってしまうケースもあります。そのため、治療終了後も含めて歯科医院で定期的なメンテナンスを受けることによって、現状の把握とインプラントの定期的な調整を行っていく必要があります。

また、虫歯や歯周病のようなお口の中の病気に罹患するリスクを下げる目的で、予防歯科として定期的なメンテナンスを積極的に行っている歯科医院もあります。メンテナンスを受ける際には、そういった歯科医院をあらかじめ探しておくといいかもしれません。

PMTCによるメンテナンスについて

PMTC

虫歯・歯周病の要因となる歯石の除去や歯周病の予防を目的とした洗浄等のメンテナンスを希望される場合は、自由診療で行う「PMTC」を利用するという方法があります。

PMTCは歯科医院で行う機械的な歯のクリーニングであり、高いクオリティのクリーニング内容を提供することが可能です。具体的な治療方法としては、PMTC専用の機器やフッ素入りの研磨剤を使用して、歯石や歯垢の除去を行っていきます。

さらに、PMTCでは専用の機器を用いることによって、粘着力や増殖力の高い「バイオフィルム」と呼ばれる細菌や、コーヒーやタバコに起因する歯の着色を落とすことも可能になります。これらは普段のブラッシングで除去することが難しいので、PMTCを使用するうえでの大きな利点の一つとなっています。

そして、PTMCの際に「エアフロー」と呼ばれる、微粒子パウダーを噴射して歯を高圧洗浄する装置を使用すれば、歯ブラシや器具では届かないような隙間にある異物を除去することも可能になります。エアフローを使えば、インプラントや上部構造(被せもの)を傷つけずに歯石やバイオフィルムを除去できるため、インプラント周囲炎の防止にも役立ってくれます。

以上のように、PTMCを行うことで、メンテナンスの有効性を大きく高めることができます。さらに、PTMCを行う際に洗口液を使用することによって、さらに殺菌効果を高めることが可能になります。最近では、お口の中を健康な状態に保つことを目的として、定期的なPMTCの受診を勧める歯科医院が増えてきています。

とりわけ、インプラント治療を行っている方は、装置の影響で治療を行っていない方に比べて、ブラッシングの難易度が上がってしまうケースが多くなります。それによって、歯の病気が発生するリスクも高まることになるため、定期的にPMTCメンテナンスを行なって、歯の病気を防ぐことにつなげてみてはいかがでしょうか。

記事監修

歯科医師 岡田隆夫 先生

歯科医師 岡田隆夫 先生
大阪インプラント代表。元 大阪大学歯学部 臨床准教授、朝日大学歯学部 非常勤講師、大阪歯科大学 臨床講師、博士(医学) 博士(歯学)
アモウデンタルクリニック(併設:大阪インプラント)

記事提供

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記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。

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