インプラント手術が怖いと思う9つの理由&怖さを少なくする7つの方法

インプラント手術をこれから受ける予定なのに、徐々に怖いという気持ちが大きくなってきたという方もいらっしゃるでしょう。昔から歯科医院が苦手な場合などは、インプラント手術に対して怖いという感情がどうしても拭いきれないですよね。

この記事では、怖いけれどインプラント手術を受けたいという方のために「インプラント手術が怖いと思う9つの理由」と「怖さを少なくする7つの方法」を紹介します。

更新日:2024/03/28

インプラント 怖い

■目次

  1. インプラント手術の未経験者ほど怖いと感じる?
  2. インプラント手術が怖いと思う9つの理由
  3. 1. 手術自体が痛そうだから
  4. 2. インプラント自体を詳しく知らないから
  5. 3. 歯科医院に良いイメージがないから
  6. 4. 年齢的に体力に自信がないから
  7. 5. まとまった治療費がかかりそうだから
  8. 6. インプラントがすぐにダメになりそうだから
  9. 7. 術後の痛みや腫れが怖いから
  10. 8. ネット上で悪い評判を見たから
  11. 9. 実際にトラブルが起きているから
  12. インプラント手術の怖さを少なくする7つの方法
  13. 1. カウンセリングの際に「怖い」と伝える
  14. 2. 手術の流れを把握しておく
  15. 3. 静脈内鎮静法を利用する
  16. 4. 術後の説明をよく聞く
  17. 5. ネット上の声を参考にしすぎない
  18. 6. 手術実績数が多い歯科医院・医師を選ぶ
  19. 7. インプラントが特殊なものではないと理解する
  20. まとめ

インプラント手術の未経験者ほど怖いと感じる?

インプラント 怖い

公益社団法人日本口腔インプラント学会の調査によると、インプラントに対して怖いという印象・イメージを持っている人の割合は、治療を受けた患者さんは「5.5%」、治療を受けていない一般生活者は「20.3%」でした。

このことから、インプラント手術未経験者ほど怖いというイメージを持っていることがわかります。インプラントの手術が怖いと思うことは不思議なことではありません。

参考:公益社団法人日本口腔インプラント学会

インプラント手術が怖いと思う9つの理由

インプラント 怖い

ではなぜインプラント手術を怖いと思うのでしょうか。

1. 手術自体が痛そうだから

インプラント手術では、歯肉を切開したり、顎骨にドリルで穴をあけたりする必要があります。

また、術後の数日間の腫れ、痛み止めや抗生物質の服用の必要性などの説明を受けます。手術と聞くと痛そうなイメージが元々あり、インプラント手術を怖いと感じることでしょう。

2. インプラント自体を詳しく知らないから

公益社団法人日本口腔インプラント学会の調査によると、インプラントを「よく知っている」と答えた人の割合は「3.7%」と少なく、「なんとなく概要を知っている」または「名前だけ知っている」という回答がほとんどを占めました。

このようにインプラント自体を詳しく知っている人の割合は非常に少なく、馴染みがないものを怖いと感じることは自然なことです。

参考:公益社団法人日本口腔インプラント学会

3. 歯科医院に良いイメージがないから

幼い頃から歯科医院が苦手な場合、大人になっても印象が変わっていないことが多々あります。

歯科医院に良いイメージがないと、インプラント手術に対する怖さもなかなか払拭されません。

4. 年齢的に体力に自信がないから

高齢になると病気や体力の衰えからインプラント手術に耐えられるかどうかという不安を感じる方も少なくありません。

厚生労働省の調査結果を見ると、インプラント装着者の割合が最も高いのは「65歳~69歳」であることがわかります。年齢が高くても健康状態に問題がなければ、インプラント手術を受けることができます。

参考:厚生労働省

5. まとまった治療費がかかりそうだから

インプラント手術は基本的に公的医療保険が適用されず、高額な治療費がかかります。高額な治療と聞くと難易度が高そうにも感じ、不安や恐怖を感じるのではないでしょうか。

6. インプラントがすぐにダメになりそうだから

治療後にどのくらいインプラントが保つかわからないことで、治療への不安を感じることがあります。

一般的に、入れ歯は約4年~5年、ブリッジは約7年~8年が寿命とされています。インプラントはきちんと手入れをすれば約10年以上持つとされています。このことから、入れ歯やブリッジよりもインプラントのほうが長持ちしやすいと考えられます。

7. 術後の痛みや腫れが怖いから

インプラント手術後は、痛みや腫れが生じる場合があります。

痛みの感じ方や腫れ具合は個人差があるものの、どちらも次第に改善していくため、過度に心配する必要はありません。

8. ネット上で悪い評判を見たから

インターネット上の口コミや体験談をいろいろ見たことで、インプラント手術は怖いというイメージを持った方も多いのではないでしょうか。

怖い気持ちが大きいと、悪い評判が目につきやすくなります。また、個人の書き込みは不安や不満があると投稿されやすいといわれており、否定的な意見の方が良い意見よりも目につくかもしれませんね。

9. 実際にトラブルが起きているから

インプラント手術に関する実際のトラブルを見聞きしたことで、怖いと思うケースもあります。

独立行政法人国民生活センターが発表した資料によると、インプラントに関する相談が、2013年~2018年にかけては毎年60件~80件程度寄せられていることがわかります。インプラント治療のトラブル自体はゼロではないので、納得できる歯科医院を探しましょう。

参考:独立行政法人国民生活センター

インプラント手術の怖さを少なくする7つの方法

インプラント 怖い

インプラント手術が怖いと思う理由はさまざまです。インプラント手術に対する怖い気持ちをできるだけ少なくするために、以下7つの方法を紹介します。

1. カウンセリングの際に「怖い」と伝える

インプラント手術の前に、カウンセリングで不安を和らげることが大切です。怖い気持ちを正直に歯科医師に伝えましょう。

患者さんに寄り添ってくれる歯科医師であれば、適切な対応を考えてくれます。自身が何に対して怖いと思っているかを事前に整理しておくと、当日歯科医師に不安な点を伝えやすくなります。

2. 手術の流れを把握しておく

インプラント手術で何をされるのかよくわからないことも怖さや不安の原因となります。インプラント手術の大まかな流れを把握しておくと良いでしょう。

一般的なインプラント手術では、歯肉を切開して骨に穴をあけ、人工歯根を埋め込み、歯茎を縫合してインプラント手術は終了です。1本あたり30分ほど、長くても1時間~2時間の手術で、入院の必要もありません。

3. 静脈内鎮静法を利用する

インプラント手術では局所麻酔をするため、手術中の痛みについては心配いりません。意識があり音や振動を感じますので、恐怖が強い場合はリラックスできる麻酔の「静脈内鎮静法」を検討してみてはいかがでしょうか。

静脈内鎮静法とは、鎮静剤の点滴によって半分寝たような状態となり、リラックスした気分でインプラント手術を受けることができます。

4. 術後の説明をよく聞く

インプラント手術は、術後のケアが極めて重要です。痛みや腫れがひどくなったり、治療箇所の治りが遅くなったりすることがあるため、インプラント手術後の説明を事前によく聞いておきましょう。

また、インプラント周囲炎などにかかるリスクがあるため、手術後のケアについても詳しく聞いておきましょう。

5. ネット上の声を参考にしすぎない

インターネット上の口コミや体験談が、インプラント手術の感想の全てではありません。

歯科医院を選ぶ際などの参考にする分には良いですが、ネット上の声を信用しすぎないことも大切です。

6. 手術実績数が多い歯科医院・医師を選ぶ

怖い気持ちを少なくするためには、経験豊富な歯科医師を選ぶことも重要です。何らかのトラブルが起きた場合にも、経験を活かして適切に対処してもらえる可能性が高いといえます。

公益社団法人日本口腔インプラント学会の調査によると、歯科医師の選び方について、「実績のある歯科医」という回答が「45%」と最も多い結果となっています。

参考:公益社団法人日本口腔インプラント学会

7. インプラントが特殊なものではないと理解する

インプラントは世界中で行われている一般的な治療法です。50年以上の歴史があり、ヨーロッパ諸国やアメリカではインプラントは高い普及率を誇っています。

また、国立研究開発法人科学技術振興機構では、インプラント手術から20年以上経過した患者さんへのアンケート調査を実施しています。これによると、「インプラントの経過について」という問いに対し、「77.57%」の人が「特に問題ない」と答えているのです。

参考:公益社団法人日本口腔インプラント学会

まとめ

インプラント 怖い

インプラント手術は、手術に伴う痛みや幼い頃からの歯科医院へのイメージなどが原因となり、怖いと感じる場合があります。とはいえ、カウンセリング時に正直に怖いことを伝えたり、静脈内鎮静法を利用したりすれば、怖い気持ちを軽減できるでしょう。怖さの原因を知って歯科医院に対応できるか確認することで、多くの場合インプラント手術を安心して受けられるはずです。

カウンセリングが無料の歯科医院もあるため、インプラント手術が怖いと思う方は、一度相談してみてはいかがでしょうか。

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。

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記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。