即時負荷インプラントとは?見た目は?手術後すぐに食事ができる?

更新日:2023/11/13

即時負荷インプラント 食事

■目次

  1. 即時負荷インプラントとは
  2. 即時負荷インプラント手術後の食事
  3. 手術当日
  4. 術後の痛みが治まってから~
  5. 上顎3ヵ月~・下顎1ヵ月~
  6. 上顎6ヵ月~・下顎3ヵ月~被せ物を装着するまで
  7. 即時負荷インプラントで治療を受けるための条件
  8. 即時負荷インプラントのメリット
  9. 見た目に悪い影響を及ぼさずに済む
  10. 即時負荷インプラントのデメリット
  11. インプラントが動く恐れがある
  12. すぐになんでも食べられるわけではない
  13. 即時負荷インプラントの費用相場
  14. 即時負荷インプラントの治療の流れ
  15. 1. 問診
  16. 2. 精密検査
  17. 3. 検査結果と治療計画の説明
  18. 4. 手術
  19. 4. 手術
  20. 5. 最終的な被せ物の装着
  21. まとめ

即時負荷インプラントとは

即時負荷インプラント 食事

即時負荷インプラントとは、手術でインプラント体(人工歯根)を顎骨に埋入したその日のうちに、インプラント体に仮歯を装着する治療方法です。

歯を失った本数が多い場合に即時負荷インプラントによる治療が効果的です。
1~2本のインプラントであれば、それほど気になることはないでしょう。

一般的なインプラント手術の場合、最終的な被せ物を装着するまでに3~6ヵ月ほどの期間が空きます。
しかし即時負荷インプラントでは、最終的な被せ物を装着するまでの間も仮歯を装着しておくことができます。
骨とインプラントが結合する期間は一般的なインプラント治療と変わらないものの、インプラント体を埋入後すぐに仮歯を入れることで見た目のお悩みを解決したり、食事のしづらさを少しでも解消することができるでしょう。

即時負荷インプラント手術後の食事

即時負荷インプラント 食事

即時負荷インプラントであれば、歯を失った本数が多く一度に複数のインプラントを入れる方にとって食事がとりやすいでしょう。
1~2本をインプラントにした場合は、治療をしていない部位の歯で噛めるので大きな問題はありません。

複数本のインプラントを入れた直後からなんでも食べられるというわけではありません。インプラント手術後の食事について解説します。

手術当日

手術後すぐに食事はできますが、インプラント体を埋入した部位にあまり強い負荷をかけてしまうと予後が悪くなる可能性が高まります。また、負荷をかけると痛みが生じることも少なくありません。

手術当日は、基本的におかゆのような軟らかい食べ物を食べるようにしましょう。
おかゆ以外ではスープ・プリン・ヨーグルト・ゼリーなどがおすすめです。また、すりつぶしたリンゴやじゃがいもなど、あまり噛まなくても飲み込めるものを中心とした食べ物がおすすめです。

術後の痛みが治まってから~

インプラント手術が終わっても、インプラント体はまだ顎の骨とくっついておらず、不安定な状態です。痛みを感じることもあるでしょう。

手術当日ほど気を付ける必要はありませんが、できるだけ軟らかい食べ物を意識しましょう。うどん、ごはん、スープ、バナナやいちごなどあまり硬くないフルーツがおすすめです。

上顎3ヵ月~・下顎1ヵ月~

この頃になると、インプラント体は顎の骨と結合していき安定し始めます。
痛みを感じない程度に、噛み応えのある食事をとれるようになるでしょう。軟らかく煮た煮物や煮魚などです。

一口サイズのパンも食べられますが、前歯で噛みちぎるようなフランスパンや硬めのお肉、繊維質で噛み切る必要のある野菜などは、少しずつ挑戦していきましょう。

上顎6ヵ月~・下顎3ヵ月~被せ物を装着するまで

上顎6ヵ月、下顎は3ヵ月ほど経つと、ほとんどインプラント体と顎骨がくっつくのでインプラント手術前と同じような食事をとれるようになります。

普段通りの食事がとれますが、ひとつだけ注意してほしいのが「まだ仮歯である」ということです。インプラント自体は問題ありませんが、仮歯はあくまでも仮歯のため強度があまりありません。

あまり固いお肉やせんべいなどを食べると、仮歯が壊れてしまう可能性があります。また、ガムやキャラメル、餅などくっつきやすいものは仮歯が外れてしまいます。
仮歯の間はできるだけ固いものや粘着質のあるものは避けておきましょう。

即時負荷インプラントで治療を受けるための条件

即時負荷インプラント 食事

即時負荷インプラントによる治療は、誰でも受けられるわけではありません。

・顎骨の大きさや硬さが十分あること
・噛み合わせに問題がないこと
・初期固定(インプラント体を埋め込んだ直後の固定)を得られやすいこと
・お口の中を清潔に保てること
・手術後、インプラント体に負担をかけないように過ごせること

などの条件を満たした場合に治療が受けられます。
即時負荷インプラントを検討している場合は、まずは歯科医師に相談しましょう。

即時負荷インプラントのメリット

即時負荷インプラント 食事

即時負荷インプラントによる治療は、以下のようなメリットがあります。

見た目に悪い影響を及ぼさずに済む

一般的なインプラント治療では、被せ物を装着するまでの数ヵ月間何もなく過ごすことになります。

即時負荷インプラントによる治療では、手術当日に仮歯を入れるため、歯がない期間が発生しません。仕事などで人と接する機会が多い方も見た目を気にせずに治療を進めることができるでしょう。

即時負荷インプラントのデメリット

即時負荷インプラント 食事

メリットも大きい即時負荷インプラントによる治療ですが、デメリットも考慮したうえで治療を開始することが大切です。

インプラントが動く恐れがある

即時負荷インプラントではすぐに仮歯を装着することができますが、インプラント体と顎骨がすぐにくっつくわけではありません。

くっつくまでの数ヵ月はインプラント体が不安定なまま噛むことになります。強い負荷がかかるとインプラントが顎骨とくっつかず、安定するまでに時間がかかってしまうことがあるほか、場合によっては埋入のやり直しが必要になることもあります。

すぐになんでも食べられるわけではない

インプラントが不安定な時期は硬い食べ物を避ける必要があります。
手術後すぐに食事ができるといっても、何でも食べられるわけではありません。

ただし、インプラント手術の本数によりますが、治療していない部位で噛めば食事に大きな制限はありません。

即時負荷インプラントの費用相場

即時負荷インプラント 食事

即時負荷インプラントによる治療費の相場は、1本30万円~50万円程度です。
患者さんが医療費を全額自己負担する自費診療のため、歯科医院によって費用が大きく異なります。

2023年5月 株式会社メディカルネット調べ

即時負荷インプラントの治療の流れ

即時負荷インプラント 食事

即時負荷インプラントによる治療は、具体的に以下のような流れで進んでいきます。

1. 問診

すでに抜歯をしている場合、抜歯時期や理由などを歯科医師が聞き取りをしていきます。また、患者さんが希望する治療内容、治療に関する疑問や不安も相談できます。

問診で治療が可能と判断されたら、検査費用を払い治療を受けるための精密検査を受けます。

2. 精密検査

顎骨の量や厚み、神経・血管の位置など、患者さんのお口の中の状態を歯科用CTで調べます。
パノラマなどのX線撮影では平面(2次元)画像、歯科用CT検査では立体(3次元)画像を得ることができます。

3. 検査結果と治療計画の説明

検査結果をもとに、歯科医師が即時負荷インプラントによる治療可能かどうかを診断します。

そして検査結果や診断を患者さんに説明し、具体的な治療方針や費用などの説明がされます。また、使用するインプラントの種類や上部構造の種類、手術の日程などを相談していきます。

4. 手術

お口の中の状態に問題がなければ手術を開始します。

顎骨にインプラント体を埋め込む手術を行い、その後すぐにアバットメント(インプラントと被せ物を連結するもの)や仮歯が取り付けられます。
仮歯の作製・調整も最初に行うため、一般的なインプラント手術時間よりも治療時間がややかかることを考慮しておきましょう。

4. 手術

お口の中の状態に問題がなければ手術を開始します。

顎骨にインプラント体を埋め込む手術を行い、その後すぐにアバットメント(インプラントと被せ物を連結するもの)や仮歯が取り付けられます。
仮歯の作製・調整も最初に行うため、一般的なインプラント手術時間よりも治療時間がややかかることを考慮しておきましょう。

5. 最終的な被せ物の装着

待機期間を経て、インプラント体と顎骨がしっかりくっつくのを待ちます。
歯科医院によっては、くっついたかどうかを確認するためのCT撮影を行うこともあります。

インプラント体が安定したら仮歯を外し、最終的な被せ物を装着して治療完了です。

まとめ

即時負荷インプラント 食事

即時負荷インプラントによる治療では、すぐに仮歯を入れることができます。ただし、埋入したインプラント体が安定しているわけではありません。
そのため、すぐに手術前と同じ食事ができるというわけではありません。

即時負荷インプラントによる治療は、仮歯をすぐに入れるため見た目が気にならないといったメリットがあります。ただし、治療を受けるには一定の条件を満たさなければならず、場合によっては一般的なインプラントの治療方法を提案される可能性もあるでしょう。

即時負荷インプラントによる治療は、どの歯科医院でも受けられるわけではないという点にもご注意ください。興味がある方は、歯科医院に問い合わせてみることをおすすめします

記事監修

即時負荷インプラント 食事

記事監修:古川雄亮
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開

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記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。