インプラントや入れ歯の値段は?違いや特徴を料金表で解説
なんらかの理由で歯を抜いたり失った場合、その後同部で噛めるように基本的には人工歯で補う必要があります。
歯を補うにはインプラント、入れ歯、ブリッジが一般的です。
多くの歯の欠損に対応しやすいのがインプラントと入れ歯ですが、両者の違いを知っていますか?
意外とインプラントと入れ歯の違いを知らない患者さんも多いようです。
インプラントと入れ歯はどのような違いがあるのか、費用はいくらか、公的医療公的医療保険が適用されるのか?など違いについて詳しくご紹介します。
更新日:2023/08/07
■目次
インプラントは自費診療
インプラントとは、歯(歯の根っこ)の代わりとなるインプラント体を顎の骨に埋め込み、インプラントの上に人工歯を装着する治療方法です。
歯茎を切って顎の骨にインプラント体を埋め込む外科手術を伴うほか、抜歯してから骨が治るまでは治療ができないこともあり、治療期間が平均半年~1年ほどかかります。
自分自身の歯(天然歯)と同じようにしっかりと噛めるので、噛み心地が自分自身の歯に近いという方もいます。
また、歯の目立つ部分は白い人工歯を入れることができるため、見た目の違和感も少なくできます。
ただし、インプラントは「入れ歯よりも見た目が良い治療」として審美治療の要素も強いため、基本的に公的医療保険診療の対象になりません(公的医療公的医療保険は最低限のお口の機能に回復できる治療、のみに適用されます)。
費用は歯科医院によって異なるので幅がありますが、インプラント1本につき40万円~50万円が平均的です。
2023年8月 株式会社メディカルネット調べ
入れ歯は公的医療保険と自費を選べる
インプラントとは異なり、自分で取り外しをして使うのが入れ歯です。
インプラント治療は外科手術を伴いますが、入れ歯治療では行いません。インプラント治療と比べると比較的簡単に受けることができるのが入れ歯治療といえるでしょう。
入れ歯は公的医療保険で作れますが、より機能的であったり審美的(きれいな見た目)である入れ歯を自費で作ることもできます。
公的医療保険の入れ歯
公的医療保険適用の入れ歯は、自己負担が1~3割のため自己負担額をおさえられるというのが大きなメリットです。
一方で、公的医療保険の入れ歯は使用できる材料が限られています。
公的医療保険の入れ歯に使える材料は歯科用プラスチックか金属で、金属は部分n入れ歯のクラスプと呼ばれるバネにしか使えません。
入れ歯の大部分はプラスチックであり、耐久性は劣るといえるでしょう。
耐久性を保つために、自費診療で作成する金属を主とした入れ歯に比べて分厚く、違和感を感じる患者さんもいるようです。
また、前後の歯にひっかけるバネが金属のため、特に前歯では金属が見えてしまい審美性に劣ります。
自費の入れ歯
自費診療であれば、さまざまな材料から入れ歯を選択できます。
入れ歯の厚みを少なくして違和感を少なくするために金属で作られた入れ歯や、金属のクラスプを使わないノンクラスプデンチャーと呼ばれる入れ歯、マグネットを使って固定し快適に使用できる入れ歯など、それぞれ特徴のある入れ歯を作れます。
公的医療保険の入れ歯ではいつまでたっても慣れなかった患者さんも、自費でよりお口に合った入れ歯を作ることにつながります。
ただし、どの素材を使うか、どのようなデザインでどのような作り方にするかによりますが公的医療保険の入れ歯よりも高額な治療費が必要です
歯の欠損本数などによってはインプラント1本と同じくらいの費用がかかる場合もあるので、希望する治療内容、予算に合わせて担当の歯科医師と相談しましょう。
インプラントと入れ歯を組み合わせた治療も可能
インプラントと入れ歯を組み合わせるインプラントオーバーデンチャーは、インプラントを土台として入れ歯を装着する治療方法です。
インプラントが入れ歯を支えるので、従来の入れ歯のように歯茎に沈み込んで噛み合わせを負担することがなく入れ歯による痛みを軽減することができますよ。
インプラントなしの入れ歯に比べて、しっかりと噛むことができます。
また、入れ歯との併用でインプラントを埋入する本数を大きく減らすことができるので治療費をおさえることができます。
自費診療とはなりますが、料金をおさえながらしっかり噛める入れ歯を作りたい場合におすすめの治療方法です。
まとめ
インプラントと入れ歯は大きく違う治療です。
料金の違いだけでなく、それぞれの特徴を理解して比較検討するとよいでしょう。
また、片顎の歯をすべて失ったという場合には、インプラントと入れ歯を組み合わせたインプラントオーバーデンチャーという治療方法もあります。
費用を抑えてよりよい治療を受けたい場合は、複数の歯科医院で治療方法を相談してみるとよいかもしれません。
記事監修
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。
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