インプラント治療のデメリットとメリットは?
自分の歯のように噛めたり、見た目を回復できるインプラントですが、顎の骨へ金属のインプラントを埋め入れる外科手術であるため、様々なリスクが発生してきます。これから手術を迎える方や、この先インプラントにしたいと検討している方はしっかりとデメリットを把握しておくことがトラブル防止に繋がります。ここでは、インプラントの治療でのデメリット4つを紹介します。
更新日:2021/12/02
■目次
インプラントのデメリット
【デメリット①】治療期間が長い
インプラントの治療は、埋め入れたインプラント体が骨に定着する期間が必要なため、長期間の治療となってしまいます。
(1)初診
(2)検査や診断
(3)インプラント体の埋め入れ(外科手術)
(4)仮歯の取り付け
(5)被せ物(上部構造)の取り付け
インプラントの治療の流れは上記のような流れで、少なくとも6~7回の通院が必要です(定期検診を除く)。インプラントは健康な体でなければ治療を進めるのが難しいため、(2)の診断や検査で全身や口腔内での異常が見つかった場合は、別途治療で完治させてから次のステップへ進む流れになります。そのため、個人により期間が延びてしまう場合があります。
(3)の外科手術後、インプラント体が骨に結合するまでに上顎で4~6ヵ月、下顎で2~4ヵ月程度かかるので、治療期間は目安として半年程度と考えてよいでしょう。
参考>>インプラント治療の通院回数や期間って?
【デメリット②】高額であることが多いになりがち
インプラントは一部を除いて、自由診療での治療となります。自由診療は医院が値段を自由に設定できるため、医院によって価格設定が様々です。インプラント体の価格のほかに、骨の造成手術が必要になった場合や、別の治療をしなければならない場合は、さらに費用がかかってしまうことがあります。万が一に備えて、費用面には余裕を持たせておくことが大事です。
参考>>インプラントっていくらかかるの?
【デメリット③】インプラントの治療を受けるのが困難な方がいる
まだ骨が成長過程にある方、免疫不全や糖尿病の方は治療ができない場合があります。糖尿病の方は免疫力が低く治癒しにくいので、埋め入れたインプラント体が骨としっかり定着しにくい、という特徴があるからです。
X線治療などを受けている方、特に顎骨にX線を受けている場合には外科処置は禁忌です。
参考>>インプラント治療ができない場合とは
【デメリット④】治療後も定期検診での通院が必要
インプラントは治療が終了したら、医院へ行かなくて良いというわけではありません。治療後も定期的な検診でお口の状態をチェックしてもらいます。この定期検診の回数は、お口の状態によって異なります。
通院を怠ってしまった場合、虫歯や歯周病によるトラブルや、お口全体の変化(噛み合わせや歯並びなど)によるトラブルなどが起こることがあるため、治療箇所だけでなくお口全体に悪影響を与えることも考えられます。決められた定期検診は必ず受けて、長持ちさせましょう。
参考>> インプラントのメンテナンス方法
インプラントのメリット
【メリット①】健全な歯は全く削らず治療可能
「抜けた歯の両隣を削るブリッジ治療など健全な歯を削るような治療方法は遠慮したい」とお悩みの方にも、インプラント治療をお勧めします。歯の抜けた所だけを削り「インプラント」を植え込みますので、その他の歯を削る必要がありません。
参考>>入れ歯とブリッジの違いは?
【メリット②】金具を使用せず自然な仕上がり
「入れ歯を不快に感じる」「入れ歯を金具で支えている歯に負担がかかって痛む」などのお悩みの方も、インプラント治療で解決することができます。歯の抜けた所へ「インプラント」を植え込みます。金具付きの入れ歯ではないので、自分の歯のように噛むことができます。
参考>>インプラント治療のメリット
【メリット③】本物のような安定した噛み心地
顎の骨にしっかり固定するので、違和感がなく噛むことができます。噛む力を回復することが出来るので、固いものを噛むことが出来るようになります。良く噛めることは全身的にも、周囲の健康な歯にもよい影響を与えます。
参考>>インプラントのメリット・デメリット
信頼できる!と思える先生へ
症例件数が多い医院や、リーズナブルな価格で提供している医院など、はじめはどこでインプラントの治療をすればよいのかが分かりません。インプラントの治療は外科手術を伴い、治療期間も長く、治療後の定期検診も必要となってくるため、先生との信頼関係の構築が最重要になってきます。
治療に関して分からないことや悩んでいることを、納得いくまで聞いておきましょう。1人だけの先生の意見を参考にするのではなく、セカンドオピニオンを利用してみましょう。インプラントを長持ちさせるには、メインテナンスや定期検診が重要にもなってきます。そのため、遠方ではなく通院のしやすい環境にある医院や病院を、なるべくオススメします。
記事監修
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。
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