インプラントの手術にかかる時間はどのくらい?
インプラントの手術にかかる時間の目安は1本あたり10~15分程度です。二回法で二回目の手術となると、1本あたり5~10分程度となります。一回法と二回法などの通常の手術以外に、All-on-4[オールオンフォー]という手術法もあります。All-on-4は、 上顎又は下顎どちらかの 歯が全て無い方に対する治療法です。目安としてインプラント4本の 埋入で40~60分程度です 。また、骨を増やす手術はインプラント埋入と同時に行う場合と、インプラント治療前に行う場合があり、手術時間が大きく異なります。
更新日:2021/12/07
■目次
インプラント治療と手術
インプラント治療は、インプラントをあごの骨に埋め入れる外科手術を行います。「手術」というと少し怖い印象がありますが、実際、どのくらいの時間がかかるものなのでしょうか?ここでは、インプラントの手術法ごとに目安となる時間をご紹介いたします。
※患者様のお口やお身体の状態、歯科医師によって異なりますので、ご参考程度にお考えください。
インプラントの手術方法(一回法と二回法)と時間
通常のインプラントの手術方法には、「一回法」と「二回法」とがあります。まずは、それぞれの手術方法と手術にかかる時間についてご紹介します。
一回法と手術時間
一回法は、歯茎を切開する手術を、一回のみ行う治療法です。インプラントを埋め入れる際に、インプラント体のヘッド部分を歯茎の外に出すことで、もう一度歯茎を切ることなく人工の歯の装着を行います。インプラントを埋め入れてすぐに人工の歯を装着する場合などは、この方法で治療します。
インプラントを埋め入れる手術時間
・1本 15~20分
・2~3本 25~45分
・4~5本 50~85分
・7~10本 90~120分
二回法と手術時間
二回法は、歯茎を切開する手術を二回行う方法です。一回目の手術でインプラントをあごの骨に埋め入れ、一度歯茎を閉じてインプラントと骨が結合するまで3~6ヶ月待った後、二回目の手術で歯茎を切開し、人工の歯の土台をインプラント体に取り付ける方法です。骨を増やす治療を同時を行う場合などは、感染率の低いこの方法で治療します。
インプラントを埋め入れる一回目の手術時間
・1本 10~25分
・2~3本 20~35分
・4~6本 40~75分
・7~10本 80~110分
インプラント体に土台を取り付ける二回目の手術時間
・1本 5~10分
・2~3本 15~20分
・4~6本 25~35分
・7~10本 35~60分
All-on-4(オールオンフォー)と手術時間
一回法や二回法などの通常の手術以外に、All-on-4[オールオンフォー]という手術法もあります。「All-on-4」は、歯が1本も無い、または上あごか下あごの一方の歯が全て無い方に対する治療法です。4本という少数のインプラントを、角度を付けてバランスよく埋め入れることで、手術したその日に10~12本分の人工の歯(仮歯)を固定することができる治療法です。この治療法の場合は、約1時間以内で手術は完了します。
インプラントを埋め入れる手術時間
埋め入れる本数 4本 : 手術時間の目安 40~60分
骨を増やす治療と手術時間
インプラントはあごの骨に埋め入れて治療するため、治療を行うためには、ある程度の骨の厚みや高さが必要です。そのため、インプラント治療を行いたい部分に十分な骨がない場合には、骨を増やすための手術を行うことがあります。骨を増やす手術を大きく分けると、「インプラントを埋める手術と同時に行う場合」と、「インプラント埋める手術の前に、骨を増やす場合」の2パターンがあります。
インプラントを埋める手術と同時に行う場合
・ ソケットリフト(上あごの骨を増やす手術) 5~10分
・ サイナスリフト(上あごの骨を大きく増やす手術)(片側) 10~20分
・ GBR(骨の厚みを増やす手術)(1箇所)10~20分
(*担当医の経験や埋入場所などで異なります)
インプラント埋める手術の前に、骨を増やす場合
・ サイナスリフト(上あごの骨を大きく増やす手術)(片側) 30~40分
・ GBR(骨の厚みを増やす手術)(1箇所) 30~40分
・ ベニアグラフト(他の部位から骨を移植する手術) 75~90分
・ お口以外の部位(腸骨や膝など)から骨を採取する手術 120~180分
※「ベニアグラフト」や「腸骨や膝から骨を採取する方法」以外は、インプラントを埋める際にドリルで削った骨や、人工の骨を使用する場合の時間の目安です。
インプラントの手術以外にかかるその他の処置と時間
手術と同時に抜歯を行う場合:抜歯の数5~10分程度
歯を抜くことにはあまり時間はかかりませんが、抜いた周りの骨や歯茎に『膿の袋や不良な組織(肉芽組織)』がある場合には、掻き出す作業に時間がかかります。肉芽組織が残った状態でインプラントを埋めてしまうと、骨との結合が得られないことがあるため、この作業は注意深く行われます。
静脈内鎮静法を受ける場合:20~30分程度
簡単な静脈内鎮静法の説明を行います。当日は手術前後でそれぞれ10~15分程時間がかかります。
手術直前・・・麻酔医による当日の健康状態の確認や、血圧や心電図などの機器を身体に付けたり、点滴をでお薬を流します。
手術後・・・鎮静を解除するお薬を点滴の中に流し、身体につけた機器や点滴を外します。
インプラント手術後の食事や日常生活のアドバイス
インプラント手術後のお口の中はとてもデリケート。食べ物の破片や歯ブラシの刺激が傷口に触れることで痛みや出血の原因になることもあります。治癒を遅らせてしまう可能性もあるため術後3日程度は食事や日常生活に十分に気をつけましょう。
特に手術後当日の食事は傷口が開かないよう、なるべく噛まずに食べられる柔らかい物が安心です。例えばスープやゼリーおかゆなどが良いでしょう。食事の際は手術部の反対側の歯で噛むよう意識し、腫れや傷みの原因となる「辛いスパイスや刺激物」「固い物」などは避けます。できるだけ手術部に刺激を与えないよう気をつけてください。
また、歯みがきの際は舌や指、歯ブラシの毛先で傷口を触らないように十分に注意してください。歯医者さんの指示に従い、傷口が広がらないようやさしく丁寧に歯を磨きます。
そのほか、手術当日のアルコールの摂取や激しい運動、入浴(シャワーはOK)などはできる限り避けましょう。少なくとも手術当日は安静に過ごすことが傷の治りを早めるポイントです。
記事監修
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。
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