インプラントの医療費控除の申告方法と還付額について
歯科インプラントに関する治療説明『医療費控除の方法と還付額』についてご紹介します。歯を失ってお困りの方、入れ歯・ブリッジが合わなくてインプラント治療を検討中の方は、ぜひご覧下さい。
更新日:2021/12/06
■目次
医療費控除の申告方法と還付額
インプラント治療で支払った治療費を申告することで、所得控除として税金の負担額を少なくすることができる医療費控除の制度は「インプラントは医療費控除で安くなる!」でご紹介しました。ここでは、医療費控除の申告方法についてご紹介します。
>>インプラントの費用について
医療費控除のタイミングは?確定申告と還付申告の期間について
確定申告は、例年2月16日~3月15日の間に必要書類を提出しなければなりません。しかし、医療費控除のような還付申告だけの場合は、1月1日から申告することが可能で、確定申告期間内に行う必要はなく、医療費を支払った翌年から5年間は申告することができます。
※会社員や公務員などの給与所得者の方は医療費控除の申告をする場合には、確定申告の手続きが必要です。
医療費控除の申告方法と提出の流れ
平成29年(2017年)分の確定申告から医療費控除の提出書類が簡略化されました
今まで必要だった医療費の領収書の提出・提示が不要となり、医療費や交通費などをリスト化した「医療費控除の明細書」を提出すればよいことになりました。
また、健康保険組合等が発行する「医療費のお知らせ(医療費通知)」を添付すれば、医療費の合計金額を「医療費控除の明細書」に転記するだけでいいので、記入が大幅に簡略化されました。
ただし、「医療費のお知らせ(医療費通知)」に記載されていない医療費がある場合は、「医療費控除の明細書」に別途必要事項を記入します。
この医療費に関する領収書は確定申告期限から5年間自宅等で保管する必要がありますので、大切に保管しておきましょう。
<医療費控除の申告に必要な物>
・ 確定申告書
・ 医療費控除の明細書
・ 医療費のお知らせ(医療費通知) ※健康保険組合等から送付される書類
・ 振込先の口座番号
・ 印鑑
・マイナンバーカードのコピー
<提出方法>
・ 税務署に直接提出する
・ 税務署に郵送する
・ 代理人(税理士等)に依頼する
・ e-Tax[イータックス](国税電子申告・納税システム)で送信する。
※パソコンの環境を整え、マイナンバーカードや住民基本台帳カードなどの電子証明書が必要です。
わからないことがあればお住まいの管轄の税務署で相談しましょう。税務署に行くことが難しい方は、会計士、税理士、社会保険労務士に相談されてもよいでしょう。
>>お住まいにある税務署を調べる
医療費控除の還付金の算出式 いくらお金が戻ってくるの?
医療費控除額は、総所得と一年間にかかった医療費の額によって変わります。控除される金額の上限は200万円です。計算方法は以下の通りです。
総所得200万円以上の人の場合
医療費控除額=医療費控除の対象になる医療費-保険金等で補填された金額-10万円
総所得200万円未満の人の場合
医療費控除額=医療費控除の対象になる医療費-保険金等で補填された金額-総所得の5%
医療費控除額×あなたの所得税率(※)=還付金額
(※)所得税率
195万円以下 : 5%
195万円を超え 330万円以下 : 10%
330万円を超え 695万円以下 : 20%
695万円を超え 900万円以下 : 23%
900万円を超え 1,800万円以下 : 33%
1,800万円超え 4,000万円以下 : 40%
4,000万円超 : 45%
これに当てはまる数字で計算すると還付金が算出されます。
医療費控除のワンポイントアドバイス
医療費控除は、1月1日から12月31日までの1年間に、「生計を一とする」家族全員の医療費が10万円または合計所得金額の5%を超える場合に受けることができます。
夫婦共働きの家庭の場合、最も収入が多く所得税率の高い人が医療費控除を申告することで還付金が多くなり、お得になる場合が多いです。
しかし、年間医療費が少ない場合、合計所得金額が少ない人が医療費控除を申告することで還付金が多くなる場合もあります。
手間はかかりますが、夫婦共働きの家庭の場合、夫と妻のどちらが申告すると還付金が多くなるか事前に計算し、確認しておきましょう。
インプラント治療にかかった費用の一部が返ってくるうえ、医療費控除は手続きが簡略化され提出書類を作成する手間が省けて申告しやすくなりました。
医療費が発生した翌年の1月1日から5年間は医療費控除の申告は有効ですので、「医療費のお知らせ」、医療費や交通費の領収書などは日ごろから整理し、大切に保管しておきましょう。
記事執筆・修正:2020年6月時点
記事監修
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。
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