インプラント治療の「いい歯医者」!良い歯科医院の選び方
インプラント治療の良い歯医者さんを探すにはどうしたらよいでしょうか。ここではインプラント歯科医院を選ぶコツをご紹介します。歯科医院の設備・衛生管理がしっかり行き届いているかどうか、衛生管理が不十分かどうか判断するポイントも紹介します。
更新日:2021/12/07
■目次
インプラント治療はどこの歯科医院で受けたらいいの?
インプラント治療を受けたいと考えていても、すべての歯科医院でインプラント治療をおこなっているわけではありません。約7万件ある歯科医院のおよそ2-3割です。どのようにインプラント治療をおこなっている歯科医院を探せばよいのでしょうか。歯科医院選びのポイントについてご紹介します。
1.相談できる歯科医院を探しましょう
インプラント治療をおこなっている歯科医院か、先生との相性は合いそうか、院内の雰囲気はどうかなど、を知っておくと良いでしょう。下記のようなところから情報を収集し、自分に合った歯科医院を探してみましょう。
・ホームページ
・地域新聞
・情報誌
・口コミ
【ホームページの話】
多くの歯科医院ではホームページを開設しています。以下の内容を参考にしてみてはいかがでしょうか。
■ 衛生管理に配慮があるか
(器具取り扱い方法や滅菌(クラスB滅菌器の使用)に関して記載があるか)
■ 埋め込むインプラントの種類の説明があるか
■ 実際に受けるであろう治療と同じようなケースを治療しているか(症例写真の掲載)
■ ドクター・衛生士・医院全体で医院内で勉強会や症例検討会を行っているか
■ ドクター・衛生士・医院全体で学会やスタディグループに属して、治療技術の向上や最新情報の取得に努めているか
2.治療する歯の状態を詳しく説明してくれる歯科医院か
実際に歯科医院で診察を受ける際には、治療が必要となる歯の原因や、お口全体の現状についてきちんと説明をする歯科医師を選ぶとよいでしょう。
虫歯や歯周病は生活習慣と密接な関係があるといわれており、患者さんの主訴のみを治療するだけでは一時的な改善にしかならず、根本的な問題解決にはなりません。
患者さんに病気が発生した原因を伝え、改善案をきちんと説明し、互いに協力し合って治療を進めていくことが、インプラント治療をする上で必須です。
また、自分の症状や原因を詳しく知るためには、検査と診断を受けなければいけません。インプラント治療の無料診断を実施している歯科医院もありますので、無料相談を上手く活用して歯科医師の意見を聞き、インプラント治療の方法や費用、歯科医院選びの参考にしましょう。
3.全体にかかる費用の説明が事前にある歯科医院か
いざ治療に入る前に、診断料から手術、メインテナンスまでの費用の見積もりを出してもらいましょう。
インプラント治療は、公的医療保険が適用されない自費(自由)診療となります。1本の治療費の相場は40万円~50万円となっており、医院によって使うインプラントの種類や医療機器も異なるため、費用に差があります。
>>インプラントの相場についてはこちら
忘れがちなメインテナンスの費用
インプラント治療が終わった後は、できるだけ長く快適にインプラントを使い続けるために、定期的なメインテナンスは必要不可欠です。費用で歯科医院を比較する際は、診断料や手術代や人工の歯などの治療にかかる費用で判断するのではなく、治療後のメインテナンスの費用も含め、長期的な視野を持って考えましょう。
ただし、メインテナンスの内容と費用は、お口の状態によって異なるので、おおよその見積もりになる場合が多いですが、事前に聞いておくことは、治療が終わった後に、予想を上回る費用を請求されることを回避することができます。
>>インプラント治療にかかる費用(見積書)チェックリスト
あれ、相場より安い?
相場よりも極端に安い価格設定の場合は、治療に必要な設備や環境が整っていないことや、より多くの患者様の治療をすることで費用のバランスを取っていること、使用しているインプラント体が安いことなどが考えられます。また、レントゲン撮影を省いたりなど、丁寧な治療が受けられない場合もあるようです。
インプラントにかかる費用は、インプラント治療をする歯科医院の検討ポイントとして考え、費用だけで歯科医院を決めて治療を開始しないことをお勧めします。
【インプラント体の価格の話】
厚生労働省により国内での使用が認めてられていないインプラント体でも、歯科医師の責任の元であれば使用でき、価格が安く提供されているものがあります。国内での使用が認められているインプラント体に比べて、このようなインプラントの中には、耐久性に問題があり、治療後わずか数ヶ月でインプラント体が抜けてしまう場合があることも。
インプラント体を埋め込む治療を何度も繰り返すと、インプラント体が抜けると同時にその周囲の骨も減ってしまい、新たに骨を増やす治療が必要になるなど、患者様の体への負担が増えてしまうことが考えられますので、十分に注意してください。
また、インプラント治療では、インプラント体が抜けるなどのトラブルが生じた際に、無料もしくは患者様が治療費の一部を負担し、治療のやり直しをおこなう保証制度が付いていることが多いので、国内での使用が認められていても認められていなくても、保証制度のある歯科医院を選ぶことをおすすめします。
4.衛生管理がされている歯科医院か
医療機関は、滅菌・消毒が最低限のルールです。とくに、インプラント治療は骨の中に埋め込む手術が必要なので、医院の衛生管理ができていなければ、細菌感染を引き起こす可能性があります。
消毒や滅菌の基本は、先に汚れを十分に落とすことです。汚れたままの状態で消毒薬や滅菌を行っても、その効果はありません。
【衛生管理がされている歯科医院のポイント】
・患者様の前で手袋をつけたりはずしている
・治療器具が血液や歯科材料などで汚れていない
・コップやエプロンが使い捨てのもの、殺菌されたもの
・スタッフの手洗い後に使い捨てのペーパータオルを使用している
・手洗い後に使うアルコール系消毒薬が置いてある
・トイレなどの水回りがきれいである
初めての歯科医院では上記の点を参考にして、チェックしてみてはいかがでしょうか。
インプラント治療以外の歯科治療をおこなう場合の注意点
インプラント治療以外に、例えば虫歯や歯周病などの治療が必要な場合、公的医療保険適用内での治療と、自費(自由)診療による治療の両方を説明してもらえると患者さんにとっては親切かもしれません。(歯科医院の中には健康保険での診療をいっさい行わない、自費(自由)診療だけの歯科医院もあります。)
どんな治療方法にも、メリットとデメリットがあります。これらをきちんと伝え、保険治療か自費治療の選択肢を与えてくれるのが患者さんの立場で治療を進めてくれる歯科医師を見分けるポイントです。
【保険診療と自費診療の話】
■保険診療をおこなう歯科医院で治療した場合
インプラント治療は基本的に自費(自由)診療です。保険診療を受けることで加算される「初診・再診料」や医院側による歯科疾患の管理のための「歯科疾患管理料」などは医院側は保険請求することができます(保険診療の届出を行っている医院で他に虫歯や歯周病などがある場合に限る)
記事監修
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。
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