サイナスリフトとソケットリフトの治療比較
インプラント治療は骨の厚みが決め手です。ここでは上の歯の奥歯の骨が足りない時の骨造成術である「サイナスリフト」と「ソケットリフト」について解説しています。サイナスリフトとソケットリフトの手順の違いや手術の手順についてイラストを用いて分かりやすく説明しています。治療法を詳しく知りたい方はこちらを参考になさって下さい。
更新日:2021/12/02
■目次
サイナスリフト と ソケットリフト
サイナスリフト
サイナスリフトは骨の厚みが3~5mmよりさらに少ないときや、多数の歯が欠損しているときに行います。この場合、骨移植と同時にインプラント埋入をすることは困難ですそれは、骨が薄すぎてインプラントの固定が難しいからです。
ですから、まずは骨移植のみを行い、骨がしっかりできるまでに3~6ヶ月待ちます。
無事に移植骨が固まったらインプラントの埋入になります。
基本的にはこのように骨移植とインプラント埋入を別々に行いますので、移植からインプラント埋入、さらに歯が入るまでに4.5~8ヶ月かかります。
ソケットリフト
ソケットリフトは、歯の生えていた部分から(歯を抜いたときはその穴から)。
サイナスリフトは、歯が生えていた部分の側面の歯ぐきからアプローチしていきます。
インプラントは、埋入したときにしっかりと骨で固定されていることが大原則です。ソケットリフトは、しっかりとインプラントが固定できるだけの骨の厚み(最低3~5mm)がないとできません。
ソケットリフトの良い点は、骨の移植と同時にインプラントを入れることができますので、はじめに骨移植のみをするような場合よりも、歯が入るまでの期間が短縮(歯が入るまでに3ヶ月前後)されます。また体への侵襲度(体への負担)もサイナスリフトと比べると少なくできますので腫れや痛みがほとんどありません。
サイナスリフトとソケットリフトの手順の違い
初期状態①
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以前に奥から2番目を抜歯して、ブリッジが装着されています。
抜歯するとイラストの赤い矢印のように、上顎洞側と歯肉側の歯槽骨が両方から吸収され薄くなります。
インプラントを埋入するには、最低10mmの厚みがほしいですが、イラストの例ですと、2~3mmとなりそのままではインプラント埋入不可となります。
これは個人差があり、少数派ですが抜歯して時間がたっても10~15mmある方もいます。レントゲン撮影をすればデジタルですので、画面上で100分の1mmまで正確に測ることができます。
初期状態②
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例えば左上のイラストの、ブリッジを抜歯したとしますと、一般的には赤い矢印のように歯槽骨が吸収をしていきます。
ブリッジは、土台となっている歯に大きな負担をかけますので、この例のようにブリッジにしたところから抜歯になるケースが多いと考えられます。
サイナスリフト STEP1
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サイナスリフトでは、上顎洞に骨移植を行います。イラストのように上アゴの歯肉の側面に切開を入れ、骨面を露出しさらに10~30mm程ある歯槽骨に窓をつくります。 窓を開けると上顎洞粘膜が露出しますので、注意深く歯槽骨と上顎洞粘膜をはがしていき、スペースができたところに移植骨で埋めていきます。
サイナスリフト STEP2
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上顎洞粘膜と歯槽骨の間に10mm以上の移植骨が入りました。手術後にデジタルレントゲン撮影で確認しますとイラストのように写るでしょう。移植手術から3ヶ月以 上そのままで待ちます。移植骨が完全に自分の骨となる期間です。術後、痛みはそんなにありませんが、腫れることがあり3~4日でよくなります。
サイナスリフト STEP3
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3ヶ月以上待って骨ができればいよいよインプラントの埋入です。 ここからは通常のインプラント埋入手順で行います。
ソケットリフト STEP1
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歯槽骨にドリルで穴を開けます。1mmの歯槽骨残した状態で、穴を掘るのを止めます。
ソケットリフト STEP2
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この穴に先が鈍な棒を差し込み、棒をマレット(トンカチのようなもの)で叩くと1mmの歯槽骨と上顎洞粘膜が持ち上がります。穴をあけ待ちあげるのでソケットリフトと呼びます。そこに移植骨を入れ、次にインプラントのフィクスチャー(ネジ部)を埋入します。
ソケットリフト STEP3
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ネジ部だけ入れた状態で3ヶ月以上待って人工の歯を入れていきます。サイナスリフトよりも体への侵襲度(体へのダメージ)が少ないのでその分、腫れも痛みもほとんどありません。できればソケットリフトを選びたいところですが、歯槽骨が極端に(3mm以下)少ない場合は、サイナスリフトを選択します。
記事提供
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