実際のインプラント治療の流れ - カウンセリングから前日まで -

ここでは、実際の患者様がインプラント治療を受けられるまで、どのような流れで治療が進むのかを 見てみましょう。ここに登場される患者様の立場になってご自身の検討されている治療にお役立てください。(患者様本人のご厚意によって、撮影させていただきました)

更新日:2019/10/09

■目次

  1. 治療前
  2. STEP1 カウンセリングスタート
  3. STEP2 CT撮影
  4. 治療計画
  5. STEP3 治療の決定
  6. STEP4 静脈内鎮静法の説明

治療前

治療前

この患者様は、全身疾患は高血圧、軽度糖尿病、膠原病[こうげんびょう](結合組織病)という全身疾患をお持ちでした。少し遠方に住まわれていましたので、 「治療回数はできるだけ少なくしたい」、「メインテナンスのために定期的に通うことはできます」とのことでした。

STEP1 カウンセリングスタート

 今回の患者様

まずは、歯磨き指導、歯周病治療を行いました。患者様も平日にいらして頂くことができましたのでゆっくりと時間をとることができ、3回程度の来院で基本的な治療が終わりました。

この患者様がお困りだったことは、上の入れ歯を取り外ししなくてはいけないということでした。見た目にも、食事にも不便を感じていらっしゃり、口臭も気にされていました。取り外すことが嫌で、友人との旅行も避けがちだったとおっしゃっています。

インプラントは怖いし、治療期間が長期に亘ると聞き、前の歯科医院でも手術後半年は仮歯まで入らないとのことだったので通うのをやめ、あきらめていたとのことでした。

STEP2 CT撮影

STEP2 CT撮影

▲ このCTの結果により、治療計画、治療期間、費用が具体的にまとまります

まず、インプラント治療の計画を立案するため、CTの撮影をお願いしました。 同時に高血圧治療、糖尿病治療を担当している内科の先生に全身状況のチェックを依頼し、血液検査、心電図、MRIを撮影されたようです。


歯科治療には十分耐えられるとのことでしたが、この患者様は、MRI撮影時に小さい脳動脈瘤が発見されたようです。経過観察でよいとのことでしたが、これを機会に食生活に気をつけ、運動に励みますとおっしゃっていました。

治療計画

治療計画

▲この治療計画書を見積書として患者様に提示させていただきました

STEP3 治療の決定

STEP3 治療の決定

右上のブリッジの土台になっている歯がむし歯になっており、「今すぐだめにはならないだろうけれど、3年は持たないかもしれない」とお話したところ、「今回はしっかりと治療するつもりなので、だめになりそうな歯は、 どうしても仕方がないのなら抜いてください」と言っていただきました。

そのため、右上の一番奥の歯と左側のブリッジを残して歯がない部分に対してインプラント治療による、即日回復を行うことに決定いたしました。

STEP4 静脈内鎮静法の説明

STEP4 静脈内鎮静法の説明

治療計画を話し合う合間に、インプラント手術の間全身管理を担当する歯科麻酔担当の医師から、自己申告としてご自身の全身状況の把握のための「麻酔術前問診表」の記入のお願いがあります。

その後、医院で作成しお渡ししております「インプラント治療をお考えになられた患者様へ」を術前にお読みいただき、当日には「静脈内鎮静法でインプラント手術をお受けになる方へ」という資料をお渡しします。

その資料には、インプラント治療による機能回復のメリットも書いてありますが、インプラント手術による事故や、インプラントの治療後の経過において失敗といわざるを得ない治療結果についても記述してあります。

治療は良い点もございますが、リスクも伴うものです。リスクをなるべく抑えながら手術は行いますし、現時点で当医院における事故や偶発症はないものの、患者様にもインプラント治療の正しい側面をご理解していただく必要がございます。

インプラント手術前日までに、予防薬としてのお薬を受け取っていただき、当日の注意事項、術後1週間の注意事項、ご自身のスケジューリング(術後腫れる事もありえるので、会食・パーティーなどの予定のないタイミングでの手術が望ましい)について十分に話し合いを行います。

日程が決まりますと、当医院から歯科麻酔を担当する医師へ依頼をします。

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実際のインプラント治療の流れ - 手術当日 -

記事提供

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記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。