インプラント前にしておきたい準備10選!不安のない状態で手術に挑もう

インプラント治療を行っている歯科医院が増え、歯を失った多くの患者さんにとって選択肢になります。さまざまなメリットがあるインプラント埋入手術ですが、手術を伴うため、患者さんの状態によってはすぐに治療を受けられない可能性があります。

また、現在服用している薬で治療が受けられないのでは?、と懸念されている方もいらっしゃるでしょう。
インプラント埋入手術を受けるにあたり、注意すべきポイントはどのようなものがあるのか、10点紹介します。

更新日:2024/09/16

■目次

  1. インプラント前にしたい準備10選
  2. 準備①予約する
  3. 準備②体調を整える
  4. 準備③飲んでいる薬を申告する
  5. 準備④たばこをやめる
  6. 準備⑤飲酒を控える
  7. 準備⑥お口の中を清潔な状態に保つ
  8. 準備⑦鼻呼吸を意識する
  9. 準備⑧お口を開ける練習をする
  10. 準備⑨ネイルを取っておく
  11. 準備⑩不安なことがあれば歯科医師に相談する
  12. まとめ

インプラント前にしたい準備10選

インプラント 準備


インプラントを埋入する手術の前に、どのような準備をしておく必要があるのでしょうか。手術前にしておきたい1準備を10項目に分けて紹介します。

準備①予約する

インプラント埋入手術は、インプラント体(人工歯根)を埋入する手術を行います。手術では歯肉を切開し、骨に穴を開けるなどの施術が行われるため、治療後1週間ほどは頬や顎下部に腫れや痛みが出るおそれがあります。

事前検査もあるので患者さんご自身のスケジュールも考慮しながら、予約を取るようにしましょう。手術後に外せない予定を控えている場合は、手術日を調整することをおすすめします。

準備②体調を整える

手術を受ける日は、体調を万全にして迎えることが大切です。手術の2~3日前から休息をとるように心がけ、体調を整えていきましょう。熱はなく軽い咳や鼻水程度の体調不良であれば手術を受けられますが、もし熱がある場合は手術が延期となる可能性が高いです。また、全身疾患がある方、免疫力が低い方は、手術後に腫れや痛みが強くなる可能性があります。

そのため、軽い症状であっても手術を延期する場合があります。手術の数日前からは、無理に予定を入れず手術に備えて過ごしましょう。

準備③飲んでいる薬を申告する

現在服用している薬によっては、手術できない場合があります。骨粗鬆症や高カルシウム血症の治療でビスホスフォネート製剤を服用している場合は、手術後に顎骨が壊死する可能性があります。また、ステロイド薬を服用している方は、インプラント埋入手術に成功したとしても、易感染性(※)の問題に加えてインプラント周囲の骨と結合しにくい、といったリスクがあります。服薬状況は正確にお答えするようにしてください。お薬手帳があれば詳しく伝えられます。

(※いかんせんせい:感染しやすい状態のこと)

準備④たばこをやめる

インプラント 準備

喫煙習慣がある方は、タバコに含まれている有害物質の影響により血流が悪くなり、手術後の傷の改善が遅くなることが考えられます。また、埋入したインプラント体と骨が結合しにくくなり、予後に影響を及ぼす可能性があります。

喫煙者と非喫煙者とでは、インプラント埋入手術の失敗率が喫煙者のほうが高いと言われています。治療が終わりメンテナンス期間に入ったあとも、インプラントを長持ちさせるために禁煙を継続することをおすすめします。

準備⑤飲酒を控える

手術前日に深酒をしてしまうと、体調不良で手術を迎えることになりかねません。また、手術後の腫れや痛みが強く出るおそれがあります。直前は体調管理を優先し、飲酒を控えるようにしましょう。

準備⑥お口の中を清潔な状態に保つ

インプラント埋入手術に成功したとしても、患部の周囲組織がインプラント周囲炎にかかることがあります。インプラント周囲炎とは、歯肉や骨などの組織が細菌に感染して起こる歯周病のような病気です。インプラント周囲炎を防ぐためには、細菌を増殖させない環境にすることが重要なので、治療を始める前からお口の中を清潔に保っておきましょう。丁寧な歯磨きや適切なケアを心がけ、定期的なクリーニングを受けましょう。

準備⑦鼻呼吸を意識する

喫煙だけでなく口呼吸の習慣がある方も、お口の中が乾燥しやすくなります。お口の中が乾燥していると細菌が増殖しやすくなるため、インプラント周囲炎を引き起こすリスクが高くなり、最悪の場合はインプラントが動揺して脱落してしまうこともあります。治療前から鼻呼吸を意識し、お口の中で細菌が増えないようにしていくことが大切です。

準備⑧お口を開ける練習をする

インプラントを埋入する手術を行う時には、しばらくはお口を開けたままになります。お口回りの筋肉が衰えていると、お口を開けたままにするのが疲れてしまうかもしれません。不安がある方はお口周りをマッサージしたり、お口を開き続ける練習を行ったりするとよいでしょう。

準備⑨ネイルを取っておく

インプラント 準備

手術中は患者さんの体調を管理するため、装置を使い脈や血圧を測定する場合があります。こうしたモニタリングは、安全に手術を行うためにも重要な処置となります。ネイルをしていると指先に装置を正しく装着できず正確に計測できない可能性があるので、当日はネイルを取っておくとよいでしょう。

準備⑩不安なことがあれば歯科医師に相談する

インプラント埋入手術については、手術中の処置や、手術後の過ごし方、治療後のケアなど、わからないことがたくさんあるかと思います。少しでも心配な点がある場合は、事前に担当歯科医師や歯科衛生士などに相談しておくことが大切です。
少しでも不安を払拭し、安定した精神状態で手術当日を迎えるようにしましょう。

まとめ

インプラントを埋入する手術を受けるにあたっては、体調を万全にして臨むことが大切です。体調管理に留意しつつ、禁煙・禁酒する、しっかり歯磨きをしておくなどの準備が必要です。また、服用中のお薬によってはインプラント埋入手術に影響が及ぶ可能性があるので、現在服用している薬を必ず歯科医師に伝えるようにしましょう。

喫煙や飲酒など健康を害する行動は極力控え、しっかり準備をして手術当日を迎えることをお勧めします。

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開

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記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。