インプラントが臭う?仮歯や根元が臭う原因
インプラント治療後に、治療をした場所から臭いが出てしまうことがありませんか?ここでは、インプラント治療後の臭いとして考えられる原因と対策についてご紹介します。
更新日:2021/12/06
■目次
インプラントが臭う原因1.清掃不良
ブラッシングが不十分で、上部構造(人工の歯)とインプラントの接合部分にプラークや歯石が停滞し、臭いの原因となっていることがあります。
【対策】
かかりつけの歯医者さんで正しいブラッシング方法の指導を受け、歯石や歯垢(プラーク)を歯科医院で取り除いてもらうことで改善が見込めます。ただし、上部構造の形態によって引き起こしていると診断された場合は、上部構造の作り直しが必要となることがあります。
インプラントが臭う原因2.連結しているネジの問題
インプラントの種類には、「インプラン体とアバットメント」、または「アバットメントと上部構造」をネジで連結するタイプのものがあります。それらのネジの緩みや破折によって、各パーツに隙間ができて歯垢や口の中の細菌が入り込み、臭いの原因となっていることがあります。
【対策】
取り外せるパーツを洗浄し、ネジの交換や締め直しを行うことで改善が見込めるでしょう。
>>インプラントの種類 2ピースタイプ・1ピースタイプの特徴
インプラントが臭う原因3.上部構造の問題
インプラントの種類の中には、セメントで上部構造を合着するタイプのものがあります。噛み合わせの問題や上部構造の適合の問題などによってセメントが流れ出てしまい、インプラントとの隙間にプラークや雑菌が入り込み、臭いの原因となることがあります。
【対策】
■噛み合わせ
噛み合わせの問題によってセメントが流れ出た場合は、上部構造を取り外し、上部構造の内側とアバットメントの表面を清掃することで、臭いの問題が解消されることもあります。しかし、上部構造を簡単に取り外すことができない場合は、上部構造を削って取り外すことになるため、再び上部構造を作り直すことが考えられます。根本的な原因が噛み合わせより、咬合調整などによる調整は必須です。
■上部構造の適合
上部構造の適合の問題によってセメントが流れ出た場合は、上部構造を作り直すことが必要となります。
■セメントの取り残しによるもの
セメントで上部構造を合着するタイプのものは、合着後に上部構造とインプラントからはみ出たセメントを取り除きます。この際に取り残しがあると、人工歯石のようになってしまい、プラークが停滞しやすく臭いの原因となることがあります。歯科でセメントをきちんと取り除いてもらうことで改善されるでしょう。
※上部構造が仮歯の場合
仮歯は、素材がプラスチックで臭いや汚れを吸着しやすい特性があるため、着脱の際に臭いがすることがあります。仮歯の着脱で臭うことがあったとしても、その後に影響することは少ないでしょう。しかし、出血や膿が認められる場合は、歯茎に炎症が起こっていることが考えられますので、歯科医師に相談しましょう。
インプラント周囲の臭いはインプラントの適合や噛み合わせ、セメントの問題以外に、歯茎の問題(歯周病、インプラント周囲炎)によって起こることもあります。いずれにしても、適切な処置を受けることによって改善されることが多いので、お悩みの方はインプラント治療を受けた歯科医師に相談しましょう。
記事監修
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。
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