第97回 アメリカ歯周病学会

外観

■ 第97回 (AAP:American Academy of Periodontology)アメリカ歯周病学会

2011年11月12日〜15日にアメリカ合衆国フロリダ州にあるマイアミビーチで開催されました。歯周病に焦点を当てた本学会は、数ある歯周病学会の中でも世界で最も権威があります。

【アメリカ歯周病学会のホームページ】 http://www.perio.org/

マイアミビーチはアメリカの南端に位置し、年間平均気温24度以上と一年を通して温暖でリゾート地ですが、マイアミ自体は大きな商業都市です。夏は暑さが厳しく、スコールも多いので10〜5月頃がべストシーズンです。英語が公用語ですがキューバ人が多く住んでおり、スペイン語なども飛び交っています。面積は東京の約2.5倍で、白い砂浜があり、郊外の国立公園では緑の大自然やサンゴ礁、希少な野生動物の姿を見ることもできます。


メイン会場講演の様子

下記に、本学会で特に注目を集めたプログラムの一部を簡単にご紹介致します。

■ 注目を集めたプログラム

進歩したサイナスリフトについて

スピーカー: Ziv Mazor, Michael Toffler, Stephen S.Wallace

2つの代表的なサイナスリフトを成功させる方法について

(1)コールドウェル・リューク法
(2)オステオトームテクニック
オステオトームでは、最小限侵襲でサイナスリフトをする際のテクニックについて述べられました。



幹細胞を使った骨再建について

スピーカー: Marco Baldoni, Ludovico Sbordone

歯周組織を再建する、または萎縮を改善する方法は様々なものがありますが、その考察を続けた結果、骨髄から採取した間葉幹細胞と多能性細胞の研究がはじまったと述べられました。そうして研究開発された「幹細胞を使った骨再建法」は、「the Superior Institute of Health and the Ethics Committee」に認可され、人体にも適用されるようになったとのことです。臨床結果については、レントゲン写真を使って発表をされました。



インプラント歯周炎の管理

スピーカー: Stefan Renvert, Maurizio Tonetti

これまでインプラント治療で最初に注目すべきことは、「デザイン」、「素材」、「外科テクニック」、「埋入場所」、「骨造成の方法」、「再建」とされていましたが、最近では、上記の治療によって引き起こされる「合併症に着目したインプラントの保存や管理」を重視していると述べられました。また、インプラント歯周炎を理解することが、インプラント被験者の長期保存に大きく関わるとし、その重要性についても言及されました。



歯周形成外科:審美学と審美性

スピーカー: John F. Bruno

上皮下結合組織移植(SCTG)の流行とテクニックについて、数年間でどう進化したかを順序立てて説明されました。口腔内すべてのエリアの歯肉退縮、審美的問題、再建処置のための準備、歯根膿瘍、根面う蝕、インプラント由来または歯間乳頭の欠損における歯肉の審美的な上皮下結合組織移植術について述べられました。



幹細胞移植の臨床適応

スピーカー: Bradley S. McAllister

天然歯の歯周外科療法とインプラント再建術に幹細胞移植が容易に適応されるようになったことを発表されました。これにより、自家由来の幹細胞移植と同種移植片由来の幹細胞移植の双方について、歯周病専門歯科の選択肢を調査したことを述べられました。


※講演の発表内容については、当サイトにおいて必ずしも保証するものではございません。


■ 第97回 アメリカ歯周病学会に参加して

97回目を迎える本学会は、冒頭でも述べたように、歯周病に焦点を当てた数ある歯周病学会の中でも世界で最も権威があります。充実したプログラムで、一線で活躍する先生方がお互いの発表に熱心に耳を傾けていらっしゃったのが印象的でした。

次回、2012年9月29日〜10月2日にロサンゼルスで開催されます。

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