インプラント手術の1回法と2回法の違いとは
インプラント治療には、1回法と2回法の二種類があります。
この違いは、歯肉を切開する手術を1回行うか、2回行うかという点です。アバットメント(被せ物とのインプラントの接続部分)を1次手術で取り付けるものが1回法で、2次手術で取り付けるものが2回法です。
更新日:2021/12/07
■目次
インプラント『2回法手術①』
2回法は手術を2回行います。
まず、歯肉を切開し、ドリルでインプラントを埋め入れるスペース(穴)を作り、インプラントを入れます。インプラントは骨の中に完全に埋め込み、その上に歯肉を被せて縫合します。
そして、インプラントと骨がしっかりと結合するまで約3か月~6ヶ月待ちます。(治癒期間)
インプラント『2回法手術②』
インプラントが顎の骨と結合したら、被せ物をセットするための2次手術を行います。
2次手術では再度歯肉を切開し、インプラント体にアバットメントを連結させます。その後、型を採って被せ物を作製し、アバットメントにセットします。
このように、インプラント体を歯肉の下に埋め込んだ状態で骨との結合期間を経てから、アバットメント取り付ける方法が2回法です。
インプラント『1回法手術』
1回法は、手術を1回だけ行います。 まず、2回法と同様に歯茎を切開する、もしくは歯茎に小さな穴を開けてインプラントを埋め入れます。このとき、インプラントは、アバットメントと一体化したワンピースタイプのものを使用します。そしてアバットメントは、その一部を歯肉の上に露出させた状態にします。
この状態で顎の骨とインプラントが結合する期間を経て、2回法と比べて早期に被せ物をアバットメントに装着します。
インプラント手術の1回法と2回法の違い
二回法の特徴
・歯肉の切開を2度行う必要があるため、1回法より患者様への負担が大きい。
・ほとんどすべてのケースで適用できる。
・歯肉を閉じてしっかりと治癒期間を待つため、インプラント脱落のリスクが低い。
一回法の特徴
・歯肉の切開は一度だけなので、患者様への負担が軽い。
・手術時間を短縮することが可能。
・インプラントを埋め込む顎の骨がしっかりとあることが条件である。
・骨移植や骨再生を併用すると、術式が複雑になり感染のリスクが高くなる可能性がある。
記事監修
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。
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