ある日インプラントが抜けた!?インプラント歯周炎予防に定期検査をしよう

インプラントは埋め入れた後が特に重要です。インプラントの大敵である周囲炎にいち早く気付くにはメンテナンスが欠かせません。このページでは、歯周病を含むインプラント周囲炎の特徴・治療法・症状の度合い別に起こりやすい主な症状について、イラスト付きでくわしく解説します。

更新日:2019/10/03

■目次

  1. インプラント周囲炎?
  2. インプラント周囲炎の診査
  3. インプラント周囲炎の治療の実際

インプラント周囲炎?

インプラント周囲炎

インプラントは入れた後が大切です
インプラントは虫歯にはなりませんが、歯ブラシを怠るとインプラント周囲炎と言われる歯周病と同様な状態になり、最悪の場合、インプラントの撤去に陥ることもあります。そういった状況に陥る前に、定期検査に通院されたり、軽度のうちに治療をすることが大切です。
インプラント周囲炎になる確率は、インプラントを入れた方の2~14%くらいとも推測されています。

インプラント周囲炎の症状とは?
インプラント周囲炎は、歯周病と同じような状態になるのが特徴です。初期段階では、ほとんどが自覚症状がなく、

1.インプラント周囲の歯茎が腫れる。
2.出血する
3.膿がでる

などからはじまります。 進行してくると、インプラント周囲の骨吸収が進むとインプラントが揺れ始めます。 状態によっては痛みもでてきます。

インプラント周囲炎の診査

インプラント周囲炎の治療には、まず診断が大切であり、歯周病の検査と同じような事を行います。

・インプラント周囲のポケットの測定
・出血の有無
・排膿の有無
・動揺度
・X線写真
・細菌検査
・噛み合わせ

などを診査します。

インプラント周囲炎の治療の実際

※ Lang NP, et al.: consensus statements and recommend clinical procedures regarding implants survival and complications. Int Oral Maxillofac Implants 19 Suppl, 150-154, 2004.より改変引用

治療については、日々の歯ブラシをきちんとしていだだくということは、大前提です。CIST(累積的防御療法)のプロトコルが推奨されています。

ポケットの深さが3mm以下、汚れなし、出血なし。
(対応法) 治療の必要はありませんが定期検査は受けなければなりません。

ポケットの深さ3mm以下、汚れあり、出血あり。
(対応法) A = 機械的なクリニーニングと研磨
PMTC(professional Mechanical Tooth Cleaning )と呼ばれる専門家によるクリーニングが必要になり、ポケットの中の汚れを取り除きます。

ポケットの深さ4~5mm
(対応法) A B = Aに加えて、消毒剤による洗浄・ポケット内部の洗浄および、クロールヘキシジン溶液による洗口が3~4週間必要になります。

ポケットの深さ5mm超過、骨吸収なし、出血あり。
(対応法) 3と同様にA Bの治療を行います。

ポケットの深さ5mm超過、骨吸収2mm以下、出血あり。
(対応法) この状態になると、治療は 非常に難しくなってきます。
A B C = AとBに加えて、全身的もしくは局所的、ポケット内部に抗生剤を約10日間使用します。

ポケットの深さ5mm超過、骨吸収2mm超過、出血あり。
(対応法) A B C D = AとBとCに加えて、外科処置を行います。状態によっては、インプラントの撤去も必要になります。 外科処置には、状態によって 切除的外科や 骨再生療法を行います。

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記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。