インプラントで重要な役割の仮歯
インプラント治療中に連結する仮歯について、治療の流れやその役割、特徴を解説しています。
更新日:2020/05/22
■目次
インプラント治療の流れ
歯科インプラントは、あごの骨に埋め入れる「インプラント(人工歯根)」、インプラントと人工歯を連結する「アバットメント」、「人工歯」とも呼ばれる上部構造の3つの部品で構成されています。インプラント治療は、あごの骨にインプラントを埋め入れる手術が必要です。
このときに、あごの骨の状態などによって、インプラントが安定しないと判断された場合は、骨とインプラントが結合するのを(3~6ヶ月)待ちます。この期間中は、「インプラント治療中の歯の隣の歯を利用した仮歯」や「入れ歯」を入れることができ、歯が無いように見える状態で過ごすことはほとんどないようです。
また、あごの骨の状態が良く、埋め入れたインプラントが骨にしっかり固定できたと判断されると、場合によってはその日に、インプラントに仮歯を連結することができます。どのような仮歯が入るのかについては、お口の状態によって異なります。治療期間中の口元(見た目)について気になる方は、事前に歯科医師とよくご相談されることをお勧め致します。
仮歯の役割について
仮歯は、歯科用語で「テンポラリークラウン」・「プロビジョナルレストレーション」・「TEK」と呼ばれ、以下のような役割を果たします。
・噛み合う歯や隣の歯が動くことを防ぐ
・見た目を保つ
・噛み合わせや顎の状態を安定させる
・歯茎の状態を整える
・矯正治療中の被せ物(治療後、最終の被せ物に)
仮歯は治療の行程によって形態修正を繰り返し、お口の状態に合わせたものが入ります。人工歯作製の型取りを終えたあとに装着する仮歯は、お口の中で使い続ける人工歯に最も近い形のものとなります。仮歯を装着した後は、見た目・食事・会話・ブラッシングなどに支障がないか日常生活のなかで確認し、問題があれば歯科医師と相談しましょう。
注意!仮歯のまま、治療を中断している人はいませんか?
仮歯は、治療の経過に合わせて形態修正がしやすいように、プラスチックから作られています。プラスチックはすり減りやすく、1ヶ月以上放置しておくと噛み合わせが変わる恐れがあります。さらに放置しておくと、噛み合わせが変わったことで、あごの骨に埋め入れたインプラントに強い力が加わり、インプラントが抜け落ちる可能性があります。
また、プラスチックは色素が付きやすい素材のため変色をおこしたり、臭いを吸収しやすいため口臭の原因となる可能性もあります。治療を一時的に中断せざるを得ない場合は、インプラントを守るために歯科医師へ相談しましょう。
記事監修
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。
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