【インプラント学会】インプラントドクターを選ぶ基準に!

インプラント治療を希望される方は、歯科医院を探しているときに「日本口腔インプラント学会」「日本顎顔面インプラント学会」などの記載を目にしたことがあるのではないでしょうか。「インプラント学会」は口腔インプラント学に特化した学術研究組織です。では、インプラント学会所属とは具体的に何を行っているのでしょうか。インプラント治療の歯科医院選びに参考になさって下さい。

更新日:2020/12/23

■目次

  1. 学会の活動
  2. インプラントに特化した学会
  3. 学会ごとの資格制度
  4. 歯科医院選びの注意点

学会の活動

インプラント学会はそれぞれに目的があり、目的を達成するために下記の事業を行っています。インプラント学会の目的については下記にてご紹介します。

・学術集会、講演会、研修会などの開催
・学会誌、その他の刊行物などの発行
・その学問に関する研究、調査
・研究の奨励、研究業績の表彰査
・資格認定事業
・国際的な研究協力の推進
・内外の関連学術団体との連絡や協力
・学問の成果を社会に還元する活動

インプラントに特化した学会

日本歯科医師会では学術研究組織を設けており、現在25の専門分科会と、18の認定分科会があります。その中から、口腔インプラント学に特化した学会が2つについてご紹介します。

■日本顎顔面インプラント学会(認定分科会)
口腔顎顔面領域におけるインプラントに関する基礎的並びに臨床的研究を推進し、この領域における口腔顎顔面外科を基盤とした正しいインプラントの知識と国民から信頼される良質なインプラント治療の普及を図り、もって我が国の学術の発展と口腔機能の回復による国民の健康増進に寄与することを目的とし、次の事業を行う。
引用:日本顎顔面インプラント学会 定款 第3条(2020-11-10)

会員数 :1,402名(2019.9.30)
引用:日本歯科医学会 公益財団法人 日本顎顔面インプラント学会(2020-11-10)

→日本口腔インプラント学会のインプラント専門医とは

■日本口腔インプラント学会(専門分科会)
この法人は、口腔インプラント学に関する学理及びその応用の研究発表、知識の交換・普及、情報の提供、会員の生涯学習の奨励等の事業を行うことにより、口腔インプラント学の進歩普及を図り、もってわが国における学術の発展及び国民の健康増進に寄与することを目的とする。
引用:公益社団法人日本口腔インプラント学会 定款 第4条(2020-11-10)

会員数 : 15,891名 (2019.9.30)
引用:日本歯科医学会 公益財団法人 日本口腔インプラント学会(2020-11-10)

学会ごとの資格制度

■日本顎顔面インプラント学会
歯科医師の資格制度…指導医、専門医

■日本口腔インプラント学会
歯科医師の資格制度…指導医、専門医
その他の資格制度…インプラント専門歯科衛生士、インプラント専門歯科技工士

歯科医院選びの注意点

インプラントに特化した学会では、口腔インプラントに関する知識・技術・モラルの向上のための情報、問題の解決や改善などの発信があるため、治療に携わる多くの歯科医師、歯科医療従事者が所属している傾向にあります。
しかし、学会に所属していても、学術集会や講演会などの参加や、発行された学会誌の閲覧などをしていなければ、その情報が伝わっていないこともあります。学会の所属は一つの目安として考えましょう。

一方で上記の学会の資格認定を取得、資格を維持し続けるためには、インプラントの標準的な知識と技術が必要となるため、自らの知識を増やしながら、より良い治療(または介助、技工)を行う努力をされています。
ただし、指導医や専門医は技量の高さを評価しているものではありませんので注意しましょう。


インプラント学会と称する団体は他にもあり、そのなかには資格制度を有するものもあるようです。各学会によって資格取得条件は異なります。歯科医院選びの際は、資格取得者だけにとらわれず、歯科医師の治療経験(実績)、受けたい治療を行っているかどうか、担当歯科医師との相性、わかりやすい説明を行ってくれるかどうかなど、さまざまな点に注意して選びましょう。

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生

国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。