世界的に活動する歯科インプラントの専門学術団体・資格

インプラント治療は外科手術を伴う治療です。そのため、一般歯科と比べると技術力が要求されます。

インプラント治療を行うドクターの中には、時代とともに発達する治療法や新しく開発される技術を修得するため、インプラント治療を専門とする「学会」や「スタディグループ」などの団体に所属し、その中で知識を得たり、他のドクターに自分の症例を発表したり、日々スキルアップする人もいます。

インプラント治療は海外で始まった治療ですので、海外ではさらに高い技術力を持ったドクターや新たな治療方法を開発するドクターなども多く存在します。日本のドクターもまた、このような海外の学術団体に参加して、レベルの高い環境に身を置く方もいらっしゃいます。

ここでは、海外の学術団体には、どのような団体があるのか、その一部をご紹介します。

更新日:2019/10/01

■目次

  1. ICOI ( International Congress of Oral Implantologists )
  2. ◆取得できる資格について
  3. ITI ( The International Team for Implantology )
  4. ◆取得できる資格について
  5. AO ( Academy of Osseointegration )
  6. EAO ( European Association for Osseointegration )

ICOI ( International Congress of Oral Implantologists )

国際口腔インプラント学会

国際口腔インプラント学会

https://www.icoi-japan.jp/

1972年に設立。本部はアメリカニュージャージー州。国際的に活動する口腔インプラント学会であり、世界65の組織で構成される、世界最大規模のインプラントの学術団体であり、日本支部もある。すべての患者様によりよい歯科治療を提供するため、「歯科医療従事者のインプラント教育」に力を入れ、質の高い教育の提供をミッションとしている。またICOIが出版している学術誌「Implant Dentistry」のインパクトファクターは現在「1.404」であり(2014年1月時点)、同分野の学術誌の中での評価は大きい。

◆取得できる資格について

・入門 : ICOI Fellowship (研修医)
・補綴専攻 : IPS Mastership (補綴認定医)
・ICOI Diplomate (指導医)

>>ICOI ( 国際口腔インプラント学会 ) について

ITI ( The International Team for Implantology )

アイティーアイ

アイティーアイ

http://www.iti-japan.org/
1980年に設立。拠点はスイスのバーゼル。「インプラント歯学」及び「関連組織再生」に関わる世界中の専門家を結ぶ、国際的なネットワークを持つ団体。「科学的信頼」、「独立性」、「患者様へ対する責任」という理念を持ち、患者様の利益のために、インプラント歯学と関連組織再生のあらゆる知識の普及と振興を目指し、研究支援、開発、卒後教育プロジェクトの企画・運営を実施している。各国に「ITI セクション」を配置して情報交換を行っている。日本には「ITI セクション ジャパン」を持つ。

インプラントメーカーの一つであるStraumann社と提携し、ITI が教育と研究を中心に、Straumann社が製品を開発、販売を行っている。

◆取得できる資格について

ITIフェローシップ … ITI の理念の共有や目標達成のための活動に積極的に参加

AO ( Academy of Osseointegration )

米国・国際インプラント学会

米国・国際インプラント学会


http://www.osseo.org/
1982年に北アメリカにおいて、「Osseointegration in Clinical Dentistry」コースに参加したドクターが「骨結合」の研究と情報の共有するためにスタディグループを発足、これを継続的に行う必要があると、組織を設立。「患者様のケアや研究、教育を高水準にすることに専念する」という方針に賛同した約70カ国以上の会員から成る。日本支部はない。

EAO ( European Association for Osseointegration )

ヨーロッパインプラント学会

ヨーロッパインプラント学会

http://www.eao.org/
1991年にドイツのミュンヘンで設立。インプラント歯科の領域において、学術と臨床との差を埋めることによって患者ケアの質を改善しようと国際的に活動する団体。インプラント治療に携わるドクター同士の情報交換を実現するネットワークを持ち、主に情報発信や出版、インプラント歯科の研究を推進している。日本支部はない。

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記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。