インプラントは何本埋め込むの?

インプラント治療を検討中の方より、埋め入れるインプラントの本数について、多くのご相談が寄せられます。埋め入れる本数によって金額も大きく変わってくるため、気になるところかと思います。ここでは、歯科医院でどのように埋め入れる本数を算出しているのか、埋め入れる本数の目安などについてご紹介します。

更新日:2020/06/12

■目次

  1. 実際に使用する本数の算出方法
  2. 失った歯の数だけインプラントが必要なケース
  3. 1本失った場合
  4. 失った歯の数よりも少ない本数で治療ができるケース
  5. 連続して3~4本失った場合
  6. 連続して5~13本失った場合
  7. 連続して14本(すべての歯)を失った場合
  8. 記事監修

実際に使用する本数の算出方法

インプラントを埋め入れる本数は、下記の項目の状態によって決まります。したがって、歯科医師の診断によって埋め入れるインプラントの本数は異なり、また、同じ歯科医院で治療を受けても患者様の状態によって大きく異なります。

【判断ポイント】
・骨の状態の厚みや質
・噛み合わせ
・歯並び
・埋め入れるインプラントの太さや長さ
上部構造(被せ物)の形態

実際にどのようなケースの場合に何本必要なのでしょうか。

失った歯の数だけインプラントが必要なケース

〔埋め入れる本数 = 失った歯の数〕
・1本失った場合
・連続2本欠損の場合
※(奥歯の場合に3本のインプラントが必要となることもごく稀にあります。

1本失った場合

失った歯の数よりも少ない本数で治療ができるケース

〔埋め入れる本数 < 失った歯の数〕

連続して3~4本失った場合

☆連続3~4本欠損の場合の注意点
お口の状態によっては、歯の本数と同じ数のインプラントを埋め入れることもあります。

連続して5~13本失った場合

☆連続5~13本欠損の場合の注意点
上顎は骨質が柔らかく骨が薄いことが多いため、下顎よりも本数が多くなる傾向にあります。
上顎、または下顎で、顎の骨が薄いが骨を増やす手術を行わない場合、7~8mmの短いインプラントを使用することがあります。その際は、強度を保つために、埋め入れる本数が多くなる傾向にあります。

連続して14本(すべての歯)を失った場合

1. 固定式のブリッジタイプ(従来の方法)
上顎、または下顎に8~12本のインプラントを埋め込み、固定式の12~14本の上部構造を支える方法です。上顎は、骨質が柔らかく骨が薄いことが多いため、下顎よりも本数が多くなる傾向にあります。

2. オーバーデンチャー
上顎で4~5本、下顎で2~4本のインプラントを埋め込み、取り外し式の総入れ歯を安定させる方法です。

>>入れ歯を固定する治療法のオーバーデンチャー

3. All-on-4
上顎、または下顎に4本のインプラントをバランスよく埋め込み、固定式の12~14本の上部構造を支える方法です。All-on-4は難しい治療のため、インプラント治療を専門にしているような歯科医師によって行われており、患者様の状態によっては受けられないこともあります。


埋め入れる本数について悩んでいる方は、診査・診断を受けられ、歯科医師によくご相談されるとよいでしょう。

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。