安全なオペとは「シンプル」であること
(古賀テクノガーデン歯科)

インプラント・オペの様子

▲ インプラント・オペの様子

オペが行われた横浜クリニック

▲ オペが行われた横浜クリニック

インプラント治療は、インプラント体をあごの骨に埋め込むための「オペ(手術)」が必要です。

「インプラントのオペって、どんな感じなの?」「安全なオペってどういうこと?」そんな患者様の疑問を解決すべく、インプラントネットの運営スタッフがインプラントのオペを見学してきました。

古賀剛人先生とDr.Franck Renouard氏によるライブオペ

今回、見学させていただいたのは、6月19日に神奈川歯科大学横浜クリニックにて行われた、歯科医師向けの「ライブ・オペコース(研修会)」です。

この研修会は、古賀テクノガーデン歯科の古賀剛人先生がオペを行い、元EAO(ヨーロッパ最大のインプラント学会)の会長である、Dr.Franck Renouard氏がオペの解説を務めることで、100人以上の歯科医師が集まり、大変注目を集めました。

ドクターの紹介

古賀 剛人(こが たけと)先生
古賀剛人先生(左)とDr.Franck Renouard氏(右)

▲ 古賀剛人先生(左)とDr.Franck Renouard氏(右)

「古賀テクノガーデン歯科」 院長、「 医療法人 玄同会」 理事長、神奈川歯科大学インプラント科非常勤講師、新潟大学解剖学非常勤講師。
科学的根拠から学ぶインプラント外科学 -ベーシック編- 」、「同 応用編」ほか、著書および論文多数。

歯科医師向けのインプラント研修会を多く開催され、日本のインプラント界の発展に注力されています。

古賀先生の詳しいプロフィールはこちら >>

Dr. Franck Renouard(フランク・レノワー)氏

フランス、パリ開業。国際的な論文を多数発表、2004年~2006年にEAO(ヨーロッパインプラント学会)の会長を務められました。あごの骨の少ない箇所に行う「ショートインプラント」による治療の世界的権威でもあります。

インプラントのオペの様子

徹底した衛生管理のもと行われるオペ

▲ 徹底した衛生管理のもと行われるオペ

オペは別教室にて中継されました

▲ オペは別教室にて中継されました

今回のライブオペによる研修会では、 「All-on-4(オールオンフォー)」と「サイナスグラフト」の2症例のオペが行われました。
1症例目は、下あごの歯を全て失った患者様に対する「All-on-4(オールオンフォー)」のオペです。(※「All-on-4」 について詳しくはこちら)
まず、患者様に部分麻酔をかけられ、オペはスタートしました。歯茎を切開し、専用の器具で骨の形を整えてから、骨に穴を開けてインプラントが埋め込まれます。この時、下あごには、重要な神経がいくつも存在するため、それらの位置をしっかりと把握し、傷つけることのないように十分に注意しながらインプラントが埋め込まれていきました。
「All-on-4」のオペは順調に進み、約1時間半ほどで完了しました。オペ中は、古賀先生が「大丈夫ですか?」「痛みはないですか?」と、患者様に優しく声をかけられていたことが印象的でした。

2症例目では、上あごのインプラント治療において、あごの骨の高さが足りない場合に行う骨を増やす治療、「サイナスグラフト(サイナスリフト)」のオペが行われました。(※サイナスグラフト (サイナスリフト)について詳しくはこちら)
こちらのオペは、骨以外の組織へのダメージを最小限に抑えながら、骨を的確に切る器具「ピエゾサージェリー」を使って行われました。傷口をできるだけ小さくし、患者様の体へ負担が少なくなるよう、終始留意されながらオペは進みます。骨の高さが足りない部分に人工の骨を移植し、傷口を閉じたらオペは完了です。オペ開始から約1時間ほど全ての作業が終了しました。
オペ後には、Dr. Franck Renouard 氏が偶発症(医療時に突然おこった異常な状態)への対処法について詳しく説明されたほか、「インプラント治療の成功率のみならず、失敗した原因、失敗により引き起こされた合併症にもっと着目すべきである」と述べられました。


また、研修会の最後には、1症例目のオペ終了後に製作を開始した仮歯が出来上がり、手術のその日の内に患者様に装着されました。(この仮歯の製作は、古賀剛人先生に師事した「医療法人社団善歯会 ラムザ歯科クリニック」 理事長の谷口 善成先生が担当されました。)

古賀剛人先生にインタビュー

【安全なオペのために大切なことは?】

古賀 剛人 院長先生

▲ 古賀 剛人 院長先生

今回のライブオペ研修会は、古賀テクノガーデン歯科の院長・古賀剛人先生がDr. Franck Renouard 氏と共通して持つインプラント治療に対する考え方を、ひとりでも多くのインプラントドクターに伝えていきたいとの熱い思いから、実現しました。

―― 今回のライブオペを通して、日本のドクターに伝えたいとお考えになった、「安全なオペにために大切なこと」とは何でしょうか?

まず、1つ目は、ミスの生じにくい『シンプルなオペを行う』ということで す。無駄を排した手術を繰り返すことで、より技術は習熟するものです。練達の手術は、繰り返し、同様なケースに同じようなテクニックを用いることで完成します。複雑になればなるほと、慣れないことであればあるほど、失敗する確率は高くなります。単純なこと、慣れたことは失敗が少ない。つまり、安全な治療が行えるのです。

2つ目は、『外科解剖について熟知すること』です。インプラント治療は、外科手術ですから、どこにどんな神経や血管があるのか、三次元的に熟知していることが不可欠です。そのことを理解していれば誤って大事な血管を切るリスクが少なくなり、出血も最小限に抑えることができます。

3つ目は、『軟組織の扱い方の習熟』です。軟組織とは、粘膜のことですが、この正しい扱い方を理解し、指先の感覚で憶えることが重要です。インプラントドクターにとっての箸の持ち方とも言えますね。この基本ができていれば、失敗する可能性はより低くなります。

【患者様へのメッセージ】

―― 最後に、これからインプラント治療を受けられる患者様へメッセージをお願いします。

納得できる治療を受けるには、ドクターと信頼関係を築けるかどうかが鍵になります。信頼できるドクターとは、術前にリスクの診断ができ、それを患者様にきちんと伝えられるドクターです。ただメリットだけを伝えるドクターは信頼できるとは言えません。ドクター選びは簡単なことではありませんが、より良い治療を受けたいのであれば、実際に複数の医院に相談に行ってみるなど、手間と時間をかけて、ドクターを選ぶことも必要だと思います。例えるなら、家から一番近いレストランを選んで、「美味しくなかった」と言っても、それは「美味しいところを探してないから」と言えますよね。それと同じなんです。インプラントは安価な治療ではありませんので、後悔しないためにも、じっくりと信頼できるドクターを選ばれることをお勧めいたします。

ライブオペの見学を終えて

今回のオペを見学して、「安全なオペ」とは、患者様の立場を考えて行う、低ダメージで失敗が起こりにくいオペなのだと改めて感じました。そして、そのようなオペを行うためには、ドクターが日々研鑽し続けることが必要なのだとも感じました。
これからもインプラントネットでは、今回の研修会に参加されたドクターのような、常に知識と技術の習得に努めるドクターと患者様との橋渡しができるよう、努力して参りたいと思います。

医院情報

古賀テクノガーデン歯科
医院名 古賀テクノガーデン歯科
住所 千葉県千葉市美浜区中瀬1-3幕張テクノガーデンCD棟3階
TEL 043-274-6480
診療時間 平日 10:00~13:00 / 14:30~19:00
休診日 土曜・日曜・祝日

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