■目次
- デンタルローンとは
- 歯列矯正のデンタルローンは月いくらかかる?【返済シミュレーション】
- 表側矯正(治療費500,000円・24回払いの場合)
- 裏側矯正(治療費1,300,000円・60回払いの場合)
- マウスピース矯正(治療費1,000,000円・36回ボーナス併用払いの場合)
- 歯列矯正でデンタルローンを利用するメリット
- まとまった資金がなくても治療を始められる
- 一度の負担を少なくできる
- カードローンよりも金利が低い傾向にある
- 医療費控除の対象になる
- 金融機関に足を運ぶ必要がない
- 歯列矯正でデンタルローンを利用するデメリット
- 審査に落ちる場合もある
- 利息が発生する
- 利用できない歯科医院もある
- デンタルローン以外の分割払いの方法
- クレジットカードでの分割払い
- 院内分割払い
- まとめ
デンタルローンとは
デンタルローンは、歯科治療の費用を分割して支払うためのローンです。歯科治療には歯列矯正、インプラント、ホワイトニングのように自費診療のものもあり、高額な支払いが発生する際などにデンタルローンが提案されます。ローンは「住宅ローン」や「自動車ローン」というように、目的別に設定されており、デンタルローンもその一種です。
デンタルローンは、患者さんが支払う歯科治療費を信販会社が立替払いします。立替分を信販会社に金利を含めて分割で返済するというシステムです。
デンタルローンの契約は、銀行などの金融機関のほか、歯科医院で直接申し込みをする提携デンタルローンもあります。
歯列矯正のデンタルローンは月いくらかかる?【返済シミュレーション】
デンタルローンはお金を借りるシステムなので、手数料や金利が発生します。これらを加味して、月々の返済額のシミュレーションをしましょう。こちらで紹介するシミュレーションは、あくまで目安となります。
表側矯正(治療費500,000円・24回払いの場合)
裏側矯正(治療費1,300,000円・60回払いの場合)
ハーフリンガル矯正(治療費900,000円・36回払いの場合)
マウスピース矯正(治療費1,000,000円・36回ボーナス併用払いの場合)
2024年10月 株式会社メディカルネット調べ
歯列矯正でデンタルローンを利用するメリット
まとまったお金を持っていなくても計画的に支払いながら治療を受けられるなど、デンタルローンにはさまざまなメリットがあります。
まとまった資金がなくても治療を始められる
一括で支払う金額を持っていないとしても、治療を受けたいタイミングで治療を始めることができます。「本当は受けたい治療があるけれど費用を払えない」という悩みを解消し、妥協することなく治療を受けられます。
一度の負担を少なくできる
一括で費用を支払ってしまうと、当面の生活費を工面できない場合もあります。デンタルローンを使った支払いなら、自分に合った支払い回数を選べるので、返済計画を立てられます。無理のない範囲で分割払いができ、生活費を確保しながら費用を支払えます。
カードローンよりも金利が低い傾向にある
一般的なカードローンの金利は3~18%程度と、上限が高く設定されています。一方のデンタルローンは2.5~8%と比較的低い金利相場です。利息分を支払う金額がクレジットカードよりも抑えられて、支払いの負担を軽減できます。
医療費控除の対象になる
医療費控除とは、年間で支払う医療費が一定の金額を超えた場合に、確定申告により控除を受けられるというものです。デンタルローンは、この医療費控除の対象になります(※金利・手数料は対象外)。
所得控除の手続きを進めることで、結果的に支払額を抑えられる可能性があります。自費診療は金額も大きくなるので、検討してみるとよいでしょう。
金融機関に足を運ぶ必要がない
デンタルローンを取り扱っている金融機関や信販会社の多くが、WEB上で手続きできるシステムになっています。実際に契約機関へ足を運ぶ必要がなく、お申し込みから契約完了までの手続きが簡単です。
また、歯科医院が窓口となって手続きできる場合もあります。ローンに関する説明を受けることもでき、不明な点も歯科医院で確認できます。
歯列矯正でデンタルローンを利用するデメリット
いくつかのメリットがあるデンタルローンですが、一方でデメリットも存在します。
審査に落ちる場合もある
デンタルローンを受けたいと考えていても、必ずローンを組めるわけではありません。デンタルローンを利用するためには審査を通らなければならず、条件に当てはまらない場合は契約を断られる可能性があります。
一例として、安定した収入がない方や、支払いの延滞履歴がある方など、返済が滞る可能性があると判断される場合があります。
利息が発生する
デンタルローンには金利が設定されており、借り入れた金額に利息が発生します。現金払いやクレジットカードによる一括払いに比べると、お支払いの総額は大きくなるので注意が必要です。
ボーナスの利用や分割回数によって支払額が変わります。また、分割払いによって発生する手数料も総額に加算されますが、歯科医院によっては手数料を無料にしているところもあります。
利用できない歯科医院もある
そもそも、デンタルローンを取り扱っていない歯科医院もあります。現金払いとクレジットカード払いのみ、という歯科医院もあるので、デンタルローンを希望される場合は事前に確認する必要があります。
デンタルローン以外の分割払いの方法
分割で医療費を支払う方法は、デンタルローン以外にもいくつか考えられます。
クレジットカードでの分割払い
クレジットカードを使った分割払いです。すでにお持ちのクレジットカードであれば審査は不要で、手続きを新たにする必要もありません。ただし、金利は約12~15%と、デンタルローンに比べると高くなります。
また、デンタルローンであれば最大で約120回払いを組める場合がありますが、クレジットカードの分割回数は最大で約36回となり、月々の返済額が高くなる可能性があります。さらに、上限金額が低いと支払いができないため、事前に引き上げるための手続きをするなどの対応が必要になります。
院内分割払い
歯科医院が独自に分割払いを設定しているところもあります。院内分割であれば、審査が不要で利息が発生しないケースが多く見られます。クレジットカードの審査が通りにくい方でも利用できる可能性があります。
ただし、分割回数や支払い方法などは歯科医院ごとに設定されており、事前の確認が必要です。また、多くの場合は治療開始から終了するまでの間に治療費を完済する契約を結ぶため、長期的な治療でなければ毎月の負担は大きくなるでしょう。
さらに、医療費控除の対象にならないケースもあるので、ご注意ください。
まとめ
デンタルローンは歯科治療の費用に特化したローンです。無理なく払える支払い回数を選べて、毎月の負担を抑えながら歯列矯正を受けられます。デンタルローンはクレジットカードに比べると金利が低い傾向にあり、医療費控除の対象にもなります。
ただし、審査を通る必要があるほか、利息が発生するため支払総額は一括払いに比べると増えてしまいます。
デンタルローンをご希望される場合でも、歯科医院によっては取り扱いがないところもあります。事前に確認のうえ、デンタルローンのご利用について歯科医院に相談しましょう。
記事監修
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開