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40代でインプラント治療を受けた人の割合は?
厚生労働省の「令和4年 歯科疾患実態調査結果の概要」によると、40代でインプラント治療を受けた人の割合は40~44歳が0%、45~49歳が0.7%という結果になっています。
参考:厚生労働省「令和4年 歯科疾患実態調査結果の概要」
40代でインプラントを受けるデメリットはある?
多くのメリットがあるインプラントですが、デメリットがないわけではありません。インプラントを受ける場合に知っておきたいデメリットを紹介します。
骨が足りずに骨造成(こつぞうせい)が必要な場合がある
歯周病の進行や加齢によって顎の骨が痩せている場合、骨造成という骨を増やす治療が必要になることがあります。
インプラントを顎の骨に直接埋め込むため、しっかりとした骨の厚みや高さが必要です。もしも骨の量が足りないままインプラント骨造成手術を受けると、インプラントが骨を突き抜けてしまうなどのトラブルが生じかねません。
安全に手術を受けるため、骨が足りない場合は骨造成が必要になります。
骨造成では骨の増加を目指す部位に「メンブレン」と呼ばれる人工膜を設置し、その内側に自分自身の骨や人工的な骨補填材を充填することで、骨芽細胞(こつがさいぼう)の機能を促進します。
→骨造成の種類と治療の流れやインプラント治療時の骨造成にかかる詳しい費用情報などは『インプラントの骨造成とは?メリット・デメリット、費用』の記事をご覧ください
定期メンテナンスに通う必要がある
インプラント治療後は定期メンテナンスに通う必要があります。お仕事や育児などで忙しい場合は、定期メンテナンス自体がデメリットと感じてしまうこともあるでしょう。
メンテナンスの頻度は歯科医院によって異なりますが、3ヶ月から半年に一回の通院が必要です。きちんと主治医の指導通りにメンテナンスに通わないと、インプラントの歯周病である「インプラント周囲炎」が起きる可能性があります。
インプラント周囲炎を放置すると最悪の場合、インプラントが揺れて抜け落ちてしまうという可能性もあります。
→インプラント周囲炎の症状や、インプラント周囲炎になってしまう原因について詳しくは『インプラント周囲炎 注意!インプラントが抜けることも』の記事をご覧ください。
費用が公的医療保険適用外
インプラント治療は一般的に公的医療保険適用外となるため、治療費用の高さをデメリットと感じる方もいるでしょう。インプラントの価格は約1本300,000~400,000円です。
できる限り医療費を抑えたいという方は、医療費控除という制度を利用すると良いでしょう。
医療費控除とは、1年間に自己負担した医療費が100,000円を超えた場合に確定申告すると一部の税金が返ってくる制度です。(※同年の総所得金額等が2,000,000円未満の人は、総所得金額等の5パーセントの金額です)
医療費控除は過去5年ぶんまで遡って申告することが可能なので、領収書はしっかりと保存しておきましょう。ただし、5年間の合算が10万円以上あればいいわけではないことに注意が必要です。
→医療費控除について詳しくは『インプラント治療の医療費控除額どれくらい?いくら戻ってくるの?』の記事をご覧ください。
2024年8月 株式会社メディカルネット調べ
参考:国税庁
全身疾患があると受けられない場合がある
心臓病や糖尿病といった全身疾患を抱えている場合、持病があり、状態によっては、治療が受けられないことがあります。インプラント治療を受けることができるのかどうか、カウンセリングで歯科医師にしっかりと確認しましょう。
40代必見!インプラントが向いている人の特徴とは?
インプラントに関心があるけれど、本当に自分に向いている治療か悩んでいませんか。インプラントが向いている人の特徴をチェックしましょう。
審美性を重視している
インプラントは天然歯のように高い審美性を回復することが期待できます。お口を開けた時や、笑ったときにも自分の歯のような見た目で目立ちません。
自身の天然歯のような審美性の高いナチュラルな見た目を求めている場合には、インプラントが向いているでしょう。
噛み心地を重視している
噛み心地重視の場合はインプラントが向いているでしょう。インプラントの大きなメリットとして「自分の歯のようにしっかりと噛める」ことです。
インプラントは天然歯には劣るもの、顎の骨にネジを埋め入れて天然歯に近い噛み心地で食事を楽しむことができるでしょう。
周囲の歯を削ることなく治療ができる
インプラント治療ではネジ(人工歯根)を歯のない所(顎骨)に埋め込み、その上に被せ物を被せます。
歯を失った場合に提案される治療方法として、入ればやブリッジがありますが、健康な歯を削り、人工歯を支える土台として利用するため天然歯を削る必要性が出てきます。
インプラントでは大切な自身の歯を削ることがないため、できる限り健康な歯を残したいという方には適しています。
入れ歯のお手入れが面倒に感じる
入れ歯は毎食後に取り外して、清掃する必要があります。毎食後のケアに加えて、就寝前には義歯洗浄剤を使用してケアをしなければなりません。
入れ歯のお手入れを面倒と感じてしまうかもしれません。
インプラントも天然歯のように歯磨きをしっかりとするので、日々のお手入れは欠かせないことには変わりがありません。
参考:ライオン歯科衛生研究所
まとめ
インプラントは噛み合わせなどの機能性や審美性の回復が期待できる治療方法です。顎の骨が痩せている、持病があるなど、お口や全身の状態によっては受けられないことがあります。カウンセリングは多くの歯科医院で無料で行われていることも多いため、まずはお口のトラブルやお悩みをしっかりと相談し不安点を解消しましょう。
記事監修
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開