■目次
インプラント治療を受ける芸能人が多い理由
インプラント治療を受ける芸能人が多いのは、いったいなぜなのでしょうか。考えられる4つの理由をみていきましょう。
理由①自然な見た目を手に入れられるから
インプラント治療を選ぶ最大の理由は審美性に優れていることではないでしょうか。
入れ歯は視聴者に気が付かれる可能性が高く、審美性に劣ってしまいます。インプラントであれば自分自身の歯と同じような治療が可能なため、視聴者から見ても違和感のない歯を取り戻すことができます。
また、インプラントであれば人工の被せ物のため、歯の白さを変えたいときは被せ物を変更するだけで対応できます。セラミックやジルコニアであれば白さが劣化することもほとんどなく、手軽にきれいな歯を手に入れることができるでしょう。
理由②発音に影響しにくいから
インプラントは治療後に、発音機能を回復させやすいとされています。活舌も大切な芸能人は、発音に影響しないインプラントを選ぶのではないでしょうか。
舌にあたる違和感や空気の漏れが起こらず、話し方や発音が大きく変わらないことが大きなメリットといえるでしょう。
理由③歯列矯正よりも治療期間が短いから
芸能人は口元の見た目も大切なため、歯並びを整えるために矯正治療を検討する人も少なくありません。
ですが、矯正治療は2~3年ほどの期間がかかることが多く、その間は矯正装置を装着していなければならなかったり、歯を抜いてスペースを作り出す場合は歯の隙間が目立ってしまいます(歯の裏側に装置をつける矯正治療やマウスピース矯正を受ける芸能人も最近は増えています)。
そこで、抜歯してインプラントを埋入して理想の位置に歯を作り出すことで歯並びを整える芸能人もいるようです。特に、1本の歯が特別飛び出ている場合や1本の歯だけがサイズが大きく歯並びを乱している場合などに受けます。
インプラントであれば3ヶ月から半年前後で治療が完了するほか、埋入してからすぐに人工歯を装着することで、歯がない期間をなくすことが可能なため、すぐに歯並びを整えたい芸能人にとっては選択しやすい治療なのかもしれません。
理由④費用対効果が高いから
インプラントの平均寿命は10年~15年、長ければ20年使えることもあり、ブリッジであれば7~8年といわれています。
白さなどの見た目を求めてブリッジを製作するとインプラントと同じくらいの費用がかかることも少なくなく、それならば歯を削らなくてすみ、寿命も長いインプラントを選択するということでしょう。
芸能人が全員インプラントをしているわけではない
インプラントをしている芸能人の数は少なくありませんが、綺麗な歯をしている芸能人の全てがインプラント治療をしているわけではありません。
自分自身の歯を土台として整え、セラミックやジルコニアの被せ物を被せる「クラウン」と呼ばれる治療の場合や、自分自身の歯の前に薄いセラミックを貼り付ける「ラミネートべニア」など、様々な方法で審美性を高めることが可能です。
インプラントは虫歯や歯周病で歯を失った場合に受ける治療であり、健康な歯を抜いてまでインプラントにする人は多くはないでしょう。
セラミック治療とは?
セラミックと呼ばれる白い素材で被せ物を製作し、自分自身の歯を土台として装着する治療方法です。
セラミックは天然歯に近い色や透明感を再現することができ、プラスチックのような経年劣化による色の変化がほとんど起こりません。また、ツルっとした硬い素材のため汚れが溜まりづらく、口の中を清潔に保てる可能性が高まります。
インプラント治療とセラミック治療の違い
インプラントは自分自身の歯がない場合に人工歯根を土台にし、セラミックは自分自身の歯を土台にします。
人工歯根にセラミックの被せ物を装着することもありますが、「セラミック治療」という場合は自分自身の歯を土台にする治療を指します。
インプラント治療での失敗談を話す芸能人がいる理由
インプラント治療では、担当医の経験や技術の度合いによって仕上がりに大きな差が出てきます。
芸能人であっても、歯科医院・歯科医師選びを誤ってしまうとインプラント治療を失敗してしまうことがあります。
インプラント治療は高額な費用がかかり、良い治療結果を期待しているため、失敗してしまうとがっかり感が強くなり話題に挙げることもあるでしょう。また、自分と同じ失敗をしてほしくない、と話す人もいます。
まとめ
芸能人の中にインプラント治療を受ける人が多い理由としては、審美性が優れていることや発音に影響しにくいことなどが考えられます。しかし、歯がない部分を補うことが目的であるインプラント治療を全ての芸能人が選択しているわけではありません。
よく調べずに治療を始めてしまい、後になってから後悔しないためにも、インプラント治療に関して何かわからないことがあれば、気軽に歯科医院に足を運んで専門医に相談してみることをおすすめします。
記事監修
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開