■目次
奥歯の範囲・役割
そもそも、奥歯とはどの歯を指し、奥歯がどんな役割があるのかを解説します。
奥歯ってどこ?
奥歯がどの歯なのかかご存知でしょうか。小臼歯から大臼歯までの歯のことをいいます。わかりやすくいえば、1番前の歯(中切歯)から数えて4番目から8番目の歯になります。
一番奥にある歯は親知らずです。
奥歯が無いとどうなる?
奥歯は歯のなかでも特に寿命が短いとされており、歯周病や虫歯などで前歯より10年以上も早く抜けることもあります。奥歯が失われると口腔機能が損なわれます。
奥歯を失うと、食べ物をすりつぶしたり噛み潰したりといった咀嚼が難しくなります。食べ物をしっかり噛めないと消化不良の原因にもなり、全身の健康にも影響が出ます。
さらに奥歯が無くなり入れ歯になると見た目が気になって笑えないなどの影響が出る可能性もあります。
奥歯のインプラント費用の相場
奥歯を失ってインプラントを入れる際、費用はどれくらいかかるのでしょうか?
結論をお伝えすると、総額は1本あたり400,000円~500,000円が相場です (クリニック大きく異なります) 。
インプラント治療の費用や手順とともに、細かく説明していきます。
2023年9月株式会社メディカルネット調べ
インプラント治療前の費用
インプラント治療は顎骨にチタンなどでできたインプラント体(人工歯根)を埋入するため、精密検査が必要です。治療前に検査や診断で費用がかかります。
検査にははレントゲン撮影、診断、治療計画の説明などが含まれます。レントゲンでは歯科用CT(CBCT)とよばれる装置で骨の厚み、神経・血管の位置、埋入方向を確認します。
こうした工程より、治療前の費用の相場は15,000円~50,000円です(クリニックにより異なります)。
2023年9月 株式会社メディカルネット調べ
インプラント手術の費用
インプラント体を埋入する手術では、機器(設備)、歯科医師の施術、麻酔、痛み止めなどに関連する費用が含まれます。
費用の相場としては200,000円~400,000円 (クリニックにより異なります) と考えておきましょう。
インプラント体を埋入する手術では、機器(設備)、歯科医師の施術、麻酔、痛み止めなどに関連する費用が含まれます。
費用の相場としては200,000円~400,000円 (クリニックにより異なります) と考えておきましょう。
2023年9月 株式会社メディカルネット調べ
奥歯のインプラント治療はみんな受けられるの?
インプラント治療はどのような方でも受けられるのか。年齢や金属アレルギー、喫煙の有無など、いくつかの観点から解説します。
何歳でもインプラントできる?
インプラント体は骨と結合するので、成長期の子どもにインプラント体を埋め込もうとすると、成長に悪影響が出るかもしれません。そのため、発育中の子どもには基本的にインプラント治療は行われません。
受けられる年齢ですが、成長が止まれば受けられます。基本は18歳から20歳以降が目安です。また、高齢者であっても全身状態が安定していれば、インプラント治療が受けられます。
金属アレルギーでもインプラントは可能?
インプラントに使われている主な素材はチタンなので、生体にやさしい金属材料です。金属アレルギーの方でも比較的受けられやすいです。
金属アレルギーと関係が深いとされる金属の種類はニッケルやコバルト、パラジウムなどです。硬貨やボタンの金属パーツ、ピアスなど日常生活でよく使われている物に含まれる金属であり、金属アレルギーを起こしやすいとされています。
チタンは金属アレルギー症状が出にくいと考えられていますが、100%アレルギーが出ないとは言い切れません。心配な方は、パッチテストなどのアレルギー検査をしてから検討するとよいでしょう。
インプラントをするなら禁煙したほうがいい?
喫煙習慣があると、タバコの煙が歯肉から入って歯周組織の血流を悪化させます。すると、免疫細胞がしっかりと行き届かなく(機能しなく)なり歯周ポケットに細菌が増殖して歯周病のリスクが高くなる可能性があります。
歯周病の治療を優先するためにでインプラント治療をすぐに受けられない可能性があるため、禁煙するほうがよいでしょう。
まとめ
奥歯はしっかりと物を噛むために重要な歯です。しかし、奥歯は前歯より寿命が一般的に短く、もし奥歯を失ってしまったときは人工歯を入れる治療を受ける必要があります。
記事監修
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。