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インプラントのメンテナンスは違う歯医者でも受けられる?
インプラント治療を行った後は、定期的なメンテナンスが欠かせません。
治療を受けた歯医者に何らかの理由で通院できなくなった場合、違う歯医者でメンテナンスを受けることは可能です。
治療を受けたのとは異なる歯医者でメンテナンスを受ける場合は、埋入したインプラントと同じメーカーのインプラント治療を取り扱っている歯医者を探しましょう。
インプラントのメンテナンスには知識が必要であり、違うメーカーのインプラントでは作りや治療方法が異なることがあり、十分なメンテナンスが受けられない可能性があります。
せっかくメンテナンスを受けているのに、トラブルや予兆が見つからないのは困りますよね。
そうならないためにも、十分なインプラントのメンテナンスを受けられる歯医者を探しましょう。
また、同じメーカーのインプラント治療を行っていればどこの歯医者でもメンテナンスを受けられるわけではありません。
歯科医師は自身が行う治療は責任を持って行いますが、他院の他の歯科医師が行った治療の責任は他院の歯科医師にあります。
メンテナンスを引き受けた場合は、インプラント治療に伴う責任はインプラント治療をした歯科医師の責任、メンテナンス伴う責任はメンテナンスをしていた歯科医師の責任となるのです。
しかし、インプラントのトラブルはインプラント自体に問題があるのかメンテナンスに問題があるのかがわかりづらい治療でもあります。
他院のインプラントのメンテナンスを引き受けた場合、どこからどこまでがインプラント治療をした歯科医師(歯医者)の責任で、どこからどこまでがメンテナンスをした歯科医師(歯医者)の責任か、非常にわかりづらくなるといえるでしょう。
メンテナンスのみを引き受けるのは歯科医師にとってリスクになるといえますね。
リスクを避けるために、他院で行ったインプラント治療のメンテナンスは行わない方針の歯医者もあるのです。
メンテナンスのみでも引き受けてもらえるかどうかは、歯医者に直接連絡して確認してみましょう。
転勤や引っ越しした場合はどうすればいいの?
基本的には、できれば治療を受けた歯医者に通院することをおすすめします。
やはり治療をした歯科医師が一番患者さんに行った治療を理解しているはずです。
また、上記でも記載しましたが歯科医師の責任問題についても、1人のかかりつけの歯科医師を決めることで責任の所在がはっきりとし、トラブルになる可能性を減らすことができますよ。
でも、どうしても治療を受けた歯医者に通院できなくなってしまうこともあります。
そうした場合は、まずは担当の歯科医師に相談しましょう。
インプラント治療を受けた歯科医院にグループ医院があれば、転勤先や引っ越し先から近いグループ医院に通院することができます。
グループ医院では同じ治療を取り扱っていることが多く、引き継ぎも簡単です。
何かあったときに、インプラント治療をした担当の歯科医師にすぐに連絡を取ることもできるでしょう。
グループ医院もなく通院もできない場合は、メンテナンスを引き受けてくれる歯医者を探しましょう。
新しい歯医者を探すには、自分が受けたインプラント治療について詳しく理解しておくことで探しやすくなります。
・インプラントのメーカー(メーカー名と種類を確認してみましょう)
・インプラントの大きさ(直径など細かなサイズがあります)
・被せ物の素材
・インプラントを埋入した位置
などを通いたい歯医者に伝えることで、メンテナンスを引き受けられるかどうか相談しやすくなります。
また、治療を受けた歯医者でレントゲンや治療内容の診療情報提供書をもらい、新しい歯医者に渡すとより一層探しやすくなるでしょう。
診療情報提供書をもらうには費用がかかりますが、より確実に自分自身のお口の状態を引き継ぐことができるため、ぜひもらっておきましょう。
違う歯医者でメンテナンスを受ける時のチェックポイント
違う歯医者でインプラントのメンテナンスを受ける前に、下記のポイントに注意しておきましょう!
保証期間、内容の変化
違う歯医者でメンテナンスを受けた場合、その時点でインプラント治療の契約に含まれていた保証が受けられなくなることがあります。
先にご紹介したように、責任の所在がわかりづらくなるためです。
保証内容は歯医者によってさまざまですが、トラブルが起きた際の保証が変わったり受けられなくなることも多いのです。
いざインプラントにトラブルが見られ、治療を受けた歯医者に行ったら保証がなかった、なんてことにならないよう、転院前に契約内容を確認しておきましょう。
インプラント治療の実績
新しく通う歯医者のインプラント治療の実績についても確認しておきましょう。
ノウハウや実績に乏しい歯医者では、トラブルが見つけられなかったり、メンテナンスが十分に行われない可能性があります。
メンテナンスの効果を得るためにも、自分自身が信頼できると思った歯医者を探しましょう。
インプラントの治療実績を掲載している歯医者や、カウンセリングの際に詳しく説明をしてくれるかどうか、質問に敵買うに答えてくれるかどうかなどがポイントです。
また、治療を受けた歯医者に、転院しようと思っている歯医者のHPなどをチェックしてもらうのもよいでしょう。
安易に歯科医院を選ばない(メンテナンスに力を入れているか)
インプラント治療の実績があるだけでなく、メンテナンスに力を入れている医院かどうかも、転院先を探すときには注意しておきましょう。
歯医者によっては、インプラント治療を取り扱っていてもメンテナンスにあまり力を入れていない歯医者もあります。
メンテナンスの内容や方針、費用などを確認してみましょう。
現在使用しているインプラントのやり直しもあり得る
メンテナンスで転院する際には、自身が受けた治療と同じメーカーのインプラント治療を行っている歯医者を探しましょう。
ですが、受けたインプラント治療によっては日本で普及していないメーカーのインプラントの可能性があります(特に格安インプラントの場合はその可能性が高いです)。
日本で普及していないメーカーのインプラントの場合、取り扱っている歯医者が見つからないかもしれません。
その場合、インプラントにトラブルが起き、転院先で治療を受けるのであれば、インプラント自体をやり直さなければならないことがあります。
全国提携している保証に加盟しているか
「ガイドデント保証システム」のような、全国提携している保証にあらかじめ加入しておけば、保証の内容を転院前後で引き継ぐことができるだけでなく、保証に対応している歯科医院を紹介してもらうことも可能になります。
将来的な転居の可能性がある場合は、こうした保証に加入している医院を選んでおくことで、転院をスムーズに進められるかもしれません。
インプラントのメンテナンスを受けなかったらどうなるの?
インプラントのメンテナンスを受けずに放置すると、「インプラント周囲炎」を発症する可能性が高くなります。
この症状は、インプラントの周辺に歯周病菌が付着することが原因で発生し、進行するとインプラントやその周囲の歯が抜け落ちることもあるのです。
また、場合によっては、インプラントの埋入後に継続してメンテナンスを行うことが保証を受けるための条件となっていることもあります。
インプラントに限らず、治療が終わった後もしっかりとメンテナンスを行うことによって、残っている歯やインプラントを長持ちさせましょう!
まとめ
違う歯医者でインプラントのメンテナンスを受け入れてもらえるかどうかは、事情に応じて変わります。
転院前の歯科医院で紹介状を書いてもらったり、インプラントに関する情報共有をしてもらっておきましょう。
場合によっては、保証の内容に変化が生じたり、保証を受けられなくなってしまう可能性もあるため、そういった点に関しても事前の確認が必要です。
転院前後にしっかりと情報収集を行ったうえで、納得のいくかたちでメンテナンスを続けられるようにしていきましょう。
記事監修
歯科衛生士:秋葉陽香