インプラントは生命保険が使える?

インプラント治療は高額で、少しでも安くできたり補助が出たらうれしいですよね。費用について調べていると「インプラントは先進治療だから生命保険を使えた」という情報を見かけますが、本当にインプラント治療に生命保険は使えるのでしょうか?インプラント治療に生命保険を使うことができるのか、詳しく見ていきましょう。

更新日:2023/05/08

インプラント 生命保険

■目次

  1. インプラント治療に生命保険が適用されたのは事実!
  2. 2012年4月からインプラント治療に生命保険が支払われない
  3. 手術給付金として生命保険が支払われることがある
  4. インプラントに公的医療保険が適用されるケース
  5. まとめ

インプラント治療に生命保険が適用されたのは事実!

インプラント 生命保険

生命保険は「人間の生存または死亡による損失を保障することを目的とする保険」とされています。

さらに、死亡時に保険金が払われる死亡保険を主として、学資保険(子供の年齢に応じて祝い金が払われたり、補助金が支払われる保険)や、「先進医療特約」(先進医療を受けた際に保険金が支払われる保険)などをオプションとしてつけることができます。

この「先進医療特約」が大きなポイント。
先進医療とは、厚生労働大臣が定めている、高度の医療技術を用いた医療のうち公的医療保険の対象になっていないものです。

インプラントは2012年3月31日まで、先進医療に含まれていました。

そのため、インプラント治療を受けた際には生命保険のうちの「先進医療特約」が適用され、保険金が支払われていたのです。※

※各生命保険会社の先進医療特約の内容によって異なります。

2012年4月からインプラント治療に生命保険が支払われない

インプラント 生命保険

2012年3月31日までは保険対象外であり先進医療の対象だったインプラント治療ですが、2012年4月1日からは一部のインプラント治療が保険の対象になり、先進医療の対象外になりました。

先進医療の対象外になったということは、先進医療特約が適用されなくなります。
そのため、2012年4月1日以降にインプラント治療を受けた人は、インプラント治療に生命保険が適用されません。

もし、2012年3月31日以前にインプラント治療を受けていた場合は、保険会社に問い合わせをしてみると良いでしょう。

大切なのは「いつインプラント治療を受けたか」です。
2012年3月時点で生命保険に加入していたとしても、インプラント治療を2012年4月1日以降に受けた場合は生命保険はおりないので注意してくださいね。

手術給付金として生命保険が支払われることがある

先進医療特約が適用されなくなったインプラント治療ですが、加入している生命保険によっては、現在でもインプラント治療に対して保険金が支払われる保険もあります。

現在インプラント治療に保険が支払われるとすれば、先進医療特約ではなく「手術」を受けたことに対して保険が適用される場合です。

インプラント治療は顎の骨にインプラント体を埋め込むという外科手術を伴う治療のため、生命保険の契約内容のひとつに「手術を受けたら保険金が出る」といった内容があれば、インプラントの外科手術に手術給付金が出る可能性があります。

ただし、手術給付金はどのような手術でも給付金を必ず受け取れるわけではありません。

生命保険の手術給付金は基本的に「医科診療報酬点数表」と呼ばれる、厚生労働大臣がひとつひとつ細かく費用を定めた保険適用の治療に対して支払われています。
そのため、自費診療であるインプラントの外科手術は保険対象外となることが多いようです。

ですが、多くの生命保険会社のホームページでは場合によっては支払える可能性があると記載されているので、まずはお問い合わせしてみてはいかがでしょうか。

インプラントに公的医療保険が適用されるケース

インプラント 生命保険

基本的にインプラント治療は自費診療であり、生命保険など任意加入の保険も適用されません。
ですが、大きな怪我や先天性異常で顎骨の形に異常があるなど一定の条件が満たされれば保険が適用されるケースもあります。

次のようなケースは保険適用となる可能性があります。

・生まれつきの疾患により顎の骨の1/3以上が連続して欠損している
・顎の骨が形成不全である
・腫瘍や顎骨骨髄炎などの病気、事故の外傷などによって広範囲にわたって顎の骨を失っている
・これらが骨移植によって顎の骨が再建されている


歯周病や加齢を原因とした歯の喪失によるインプラント治療には、公的医療保険は適用されません。インプラント治療が保険適用になるか否かはこちらをご覧ください。

まとめ

現在、インプラント治療は先進医療ではなく、生命保険の先進医療特約は適用されません。

これにより、インプラント治療に生命保険が支払われる可能性は非常に低いといえますが、厚生労働省によって費用が定められた「手術」であったと認定されれば手術給付金が出るケースがあります。

生命保険の内容は加入保険会社や加入保険の内容、特約によって個人で大きく異なります。
歯科医院では患者さんの加入している生命保険に関しては分からないため、まずはご自身でご加入の保険会社にインプラント治療を受けた時に手術給付金が出る可能性があるのかを問い合わせしてみましょう!

記事監修

記事監修:古川雄亮
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開

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記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。