■目次
インプラントと歯ぐきの隙間は汚れがたまる!
インプラントと歯ぐきの間には、性質上どうしても隙間がありますので、汚れ(プラーク)がたまりやすいです。
インプラントはむし歯にはなりませんが、プラークは歯周病原因菌の塊でもあるので日々のケアで取り除けていない状態が続くとインプラント周りの歯ぐきに炎症を起こす原因となります。
インプラント周りの汚れはインプラント歯周炎の原因
天然歯の周りがしっかり磨けていないと歯周病が進みますが、インプラントの周りが磨けていないとインプラント歯周炎になります。
インプラント周囲炎とは、インプラント周りの歯ぐきや組織の炎症のことで、はじめは歯ぐきが赤くなってきて腫れたり、血が出やすくなったりする状態から、進行するとインプラントを支えている骨まで溶け始めます。
骨が溶けるとせっかく入れたインプラントが揺れたり勝手に抜け落ちたりして使えなくなってしまいますので、日々のケアが非常に重要となります。
インプラントも「デンタルフロス」でケア!
歯と歯ぐきの間の汚れは歯ブラシだけでは届きません。隙間の部分のお手入れはデンタルフロスを使用しましょう!
デンタルフロスは天然歯の歯と歯の間のケアにも使っていただきたいものですが、インプラント部分にも有効です。
また、形の変わったスーパーフロスというものもありますので次の項でご紹介します!
スーパーフロスも効果的!
スーパーフロスとは、先が硬くなっており歯の間に通しやすい形状をしています。
中心部分はスポンジがついているので、スポンジの柔らかい部分でかき出すように汚れを絡めとってくれる優れものです。
通常のフロスだときつくて入らない場合や、細いことにより清掃効果が劣る場合があるので、スーパーフロスを使ったケアもおすすめです。
何が最適か、それぞれの細かい使い方などは歯医者さんでも教えてくれますので是非聞いてみてください。
隙間が大きい場合は「歯間ブラシ」
すでに歯ぐきが下がったり歯並びの関係で隣の歯との隙間が大きくなっている、インプラントのネジの部分が歯ぐきより上に見えてきている場合には、フロスよりも歯間ブラシでのケアが効果的です。
針金タイプの歯間ブラシであれば金属の部分が直接当たってインプラントに傷をつけないよう気をつけながら優しく歯の間のプラークを除去してみましょう。
フロスによるケアで寿命を延ばそう!
インプラントの周りにプラークがたまるとせっかく受けた治療が台無しになります。
治療してからほんの数年で使えなくなるという事態を避けるためにも、フロスを使った小まめなケアを心がけましょう。
まとめ
歯科衛生士として勤務していると日常の診療でもみかけることの多いインプラント周囲炎。
他の医院でインプラントを埋入後、特段ケアをされてこられず、取り返しのつかない状態をみるととても悲しい気持ちになります。
インプラントと長く付き合っていくために必要なのは、セルフケアとメンテナンスの双方のアプローチに尽きます。
費用と時間をかけてせっかく入れた大切なものだと思いますので、おうちでのケアを入念にし、定期的に歯科医院でもメンテナンスを受けることが重要です。
記事監修
歯科衛生士:中村 優佳
国立大学歯学部卒業後、歯科衛生士として勤務。
同時取得した養護教諭免許も活かし、患者様の口腔内のケアを通して全身の健康をサポートさせていただいております。
〈取得資格〉
・歯科衛生士国家資格
・養護教諭一種免許状
・ホワイトニングコーディネーター
・日本歯周病学会認定歯科衛生士資格取得
〈所属学会〉
・特定非営利活動法人 日本歯周病学会
・一般社団法人 日本歯科審美学会