10年後のインプラントはどうなる!? 気になる将来のインプラント

歯科医院のサイトでインプラントの情報を調べると「インプラントの寿命は10年!」や「インプラント10年保証」という言葉をよく見かけます。

インプラントは一生ものであると言われますが、実際の寿命はどれくらいなのでしょうか?
また、10年、あるいはそれ以上保ったとして、そのときにインプラントがどうなっているか気になるところですよね。

10年後のインプラントはどうなるのか!?
将来のインプラントを詳しく解説します。

更新日:2022/04/11

10年後のインプラントはどうなる!?

■目次

  1. インプラントは10年後も使える?
  2. インプラントが10年保たなかった理由
  3. 10年後のインプラントの状態は?
  4. 10年後も変わらずインプラントを使うには?
  5. まとめ

インプラントは10年後も使える?

複数のインプラント

まずそもそも、インプラントは一生もの、10年後も使えるなどいいますが、実際に10年も使えるものなのかが気になりますよね。

インプラントの寿命とは、インプラントにトラブルが起きて再治療が必要になった場合やインプラントの撤去が必要になった時です。

インプラントが顎の骨に埋まって固定しており、ぐらついたり噛めなくなるなどのトラブルが起きていない場合は、使える状態といえるでしょう。

インプラントにつける人工歯(被せ物)が壊れた場合は、インプラント自体に問題がなければ寿命とはいいません。
人工歯を修理すれば問題なく使うことができますよ。

インプラントが使えなくなるまで、いわゆる平均的な生存率は10~15年くらいとされています。

入れ歯の平均寿命が4~5年、ブリッジの平均寿命は7~8年といわれていますので、インプラントの寿命は比較的は長いといえるでしょう。

また、あくまでもインプラントの平均寿命が10年なのであり、患者さんによっては15年・20年と使える方も多くいらっしゃいます。

インプラントが10年保たなかった理由

10年保たずにインプラントがダメになっていしまう

ですが、10年保たずにインプラントがダメになってしまう患者さんもいます。
なぜ平均寿命に達することができずにダメになってしまうのか、その理由を解説します。

インプラント周囲炎になった

インプラント周囲炎

インプラントは虫歯や歯周病にはなりません。
しかし、インプラント周囲炎という歯周病に似た疾患になることがあります。

インプラント周囲炎は、インプラントの周囲の組織が細菌に感染して炎症を起こし、インプラントを支えている粘膜や歯槽骨が溶けてしまうことです。

インプラント周囲炎はメンテナンス不足が原因であると考えられており、進行が早い傾向にあります。

インプラント周囲炎が進行すると、最終的にはインプラントが抜け落ちてしまう、インプラントを撤去しなければならないこともあります。

インプラント以外の歯がダメになった

インプラント以外の自分自身の歯(天然歯)が虫歯や歯周病などで使えなくなってしまうと、その分インプラントに強い圧力がかかってしまう場合があります。

そうなるとインプラントにダメージを与えてしまい、10年もたずに脱落してしまうことも考えられます。

10年後のインプラントの状態は?

インプラントの周りの歯茎が下がった

インプラントの平均生存率は10年ですが、10年経ったインプラントの状態は患者さんによって異なります。

例えばインプラント周囲炎を乗り越えながらインプラントが残っていた場合、インプラントの周りの歯茎が下がっていて被せ物と歯茎の間が開いているかもしれません。

また、インプラントに問題がなくても被せ物が割れる、壊れる場合は白い歯ではなく金属の歯やジルコニアの歯に変える必要があることもあります。

一方、インプラントに何ら問題が起こらなければ、インプラントを埋め込んだ直後と同じように、自分自身の歯と変わりなく機能しています。

10年後にインプラントを良い状態で残すにはどうしたらいいのでしょうか?

10年後も変わらずにインプラントを使うためのポイントをまとめました。

10年後も変わらずインプラントを使うには?

計画性のあるインプラント治療を受ける

インプラント治療計画

長くインプラントを使うには、治療を受ける前からしっかりとした準備が必要です。

例えば、歯がなくなったところにどんどんインプラントを入れていくのではなく、今後治療が必要になりそうな歯を理解したうえで、計画的にインプラントを入れるようにしましょう。

計画的なインプラント治療を受けることでほかの歯を守ることに繋がり、ひいてはインプラント自体を守ることにもつながります。

また、噛み合わせや歯並びを考慮したインプラント治療を受けることで、インプラントにかかる負荷を減らすことができ、インプラントの寿命が長持ちするかもしれません。

定期的なメンテナンスを欠かさない

定期メンテナンス

インプラントは埋め込んで終わりではありません。

インプラントのトラブルの早期発見のためにも、定期的なメンテナンスを忘れないようにしましょう。

特にインプラント周囲炎は進行が早いといわれています。
また、インプラントには神経がないため、インプラント周囲炎で痛みを感じるのは進行してしまってからのことが多いです。

気が付かないうちに進行していてインプラントがダメになってしまう、なんてことがないよう、問題がないと思っていても定期検診を受けてくださいね。

毎日のインプラントケアをする

インプラントケアグッズ

インプラントも毎日のケアが欠かせません。

前述したように、インプラントは虫歯や歯周病にはなりませんがインプラント周囲炎になるリスクがあります。

インプラント周囲炎は、インプラントの周りに汚れや細菌が残っていることが一番のリスクファクターです。

毎日の歯磨きでしっかりと汚れや食べかすを取り除きましょう。
歯磨きだけでは取り除けない汚れもありますので、歯科医院の指示に従ってフロスや歯間ブラシも使うようにしてみてくださいね。

まとめ

インプラントは長期的に使うものではありますが、10年後にどのようになっているかは、断言ができるものではありませんが、より良い状態でインプラントを長期的に使うポイントははっきりとしています。

インプラントを埋め込んだあとは、毎日のケアや定期的なメンテナンスなど患者さんの努力次第でインプラントの状態は左右されます。

10年後も、そのもっと先もインプラントを問題なく使い続けるために、インプラントについてよく知って治療やメンテナンスを受けてみてくださいね。

記事提供

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記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。