歯がなくなる原因とは?年齢別の主な要因を解説!おじさんは特に注意!?

歯を失いたくないと思っていたけれど、ついに歯が抜けてしまった……。「おじさん世代」にはこうした悩みが少なくないようです。 加齢によって歯が抜けやすくなる傾向にありますが、おじさんになると歯が抜けるリスクが徐々に高まってきます。 今後、これ以上歯を失わないようにするためにはどのような対処をしたらよいのでしょうか?気をつけるべきポイントをいくつかご紹介します。

更新日:2022/03/07

■目次

  1. 歯がなくなる原因の2大要因
  2. 歯周病
  3. 虫歯
  4. 特におじさんは歯周病に要注意!
  5. 年齢に関わらず虫歯を放置すると悪影響が!?
  6. 年齢別、歯を失う本数データ
  7. これ以上歯を失わないためにできることは?
  8. まとめ

歯がなくなる原因の2大要因

歯周病

歯がなくなる原因としてもっとも多いと考えられるのが、歯周病です。歯周病とは、増殖した細菌が歯周組織(歯茎、歯槽骨、歯根膜など)を破壊し、歯をぐらつかせる病気です。

初期段階では自覚症状がないため、出血が見られたり、歯がグラグラするといった違和感が出たころには、病気が進行していることも少なくありません。
また、歯周病が心疾患や脳卒中、認知症のリスクを高めるという報告もあります。

歯周病の原因は、お口の中にひそむ細菌です。口内環境がしっかり管理されていないと歯周病を引き起こす細菌が増殖してしまい、歯と歯茎の間などに歯垢というかたまりを形成して歯周組織を破壊します。

また、甘いものや柔らかいものばかり食べるという食習慣も、歯垢を増殖させます。

虫歯

虫歯は、細菌が糖分を代謝して放出する酸によって歯が溶けてしまう病気です。歯に痛みが走るようになってから検査をすると、穴が開いてすでに進行していることが多く見られます。

もし、虫歯によって歯が完全に崩壊する前に治療できたとしても、患部を含めて大きく削ることもあります。場合によっては歯の神経を抜き取ることもあるので歯に負担がかかり、健康な歯に比べると寿命が短くなってしまいます。

虫歯もお口の中にひそむ細菌が原因となり発生しますが、このほかにもお口の中に入ってきた糖質なども虫歯菌の餌となるので虫歯の発症に深く関係します。歯磨きの回数が少なかったり、甘いものばかり食べたりしていると、虫歯のリスクが高まります。

特におじさんは歯周病に要注意!

歯が抜ける大きな要因とされている歯周病は、実は35歳以上から増え始めます。
さらに年齢を重ねて45歳くらいになると50%以上の人が歯周病にかかっていると考えられており、まさに現代人の生活習慣病とも言えるでしょう。「おじさん世代」が抱える歯周病のリスクは深刻な課題となっています。

健康な歯を残していくためにも、歯周病予防は必須といえるでしょう。

年齢に関わらず虫歯を放置すると悪影響が!?

平日は仕事がある、休日もなかなか時間が作れない……虫歯に気づいていても、忙しさでつい歯科医院へ行くのを後回しにしてしまいます。
しかし、虫歯を放置するとさまざまなリスクが高まります。

虫歯が進行すると細菌が歯の神経にまで到達します。こうなると夜間に激しい痛みを伴うほか、口臭もひどくなって仕事やプライベートに支障をきたすようになります。

それでも治療をせずそのままにしていると神経が死んでしまうだけでなく、歯の根っこが膿んでしまい抜歯しなければならなくなります。さらに放置すると骨髄炎や蜂窩織炎となり、入院する必要性も出てきます。

虫歯に気づいたら、すぐにクリニックで治療を受けましょう。早期発見・早期治療が非常に大切です。早く介入すれば治療もすぐに終わりますので、なるべく早く虫歯治療を受けてください。

年齢別、歯を失う本数データ

40代になって初めて歯を失う経験をする方が多くなり、54歳以降になると上顎の奥歯を失う方が増加するデータがあります。さらに年齢を重ねていくと、前歯を失う方の割合が大きくなっていきます。

順序としては奥歯から抜けていく傾向があり、奥歯がなくなることによって前方にある歯の噛み合わせが強く当たるようになるので、さらに歯が抜けていくという悪循環をもたらします。
前歯が抜けてしまうと見た目にも悪影響が出てしまうため、奥歯の歯を失った段階で被せ物の治療を受けるなどの対処は受けたいところです。

これ以上歯を失わないためにできることは?

歯を失わないようにするための処置としてもっとも大切なのは「虫歯・歯周病の予防」だといえます。もし、虫歯や歯周病に見られる症状が現れていたら、早めに治療を受けて進行を止めましょう。

治療後は定期検診を受けることをおすすめします。唾液中のカルシウムイオンの影響により歯垢が硬くなると歯石と呼ばれる状態になりますが、これは歯磨きで除去できません。
定期的に歯を掃除して歯石を取り除いてもらいましょう。さらにクリーニングも受けられるので、歯面に光沢が出ます。

もちろん、日々ご自身で行なうセルフケアも大切です。これまで以上に丁寧に歯磨きをするほか、歯周病のリスクを高める間食・喫煙などの習慣がある方は、生活習慣を改善することも考えてみてください。

まとめ

もし歯を失ってしまったら、そのままにしないで歯科医院へ通うようにしましょう。
残っている歯の健康状態を調べることで、新たな歯周病や虫歯を予防できます。
口元がきれいだと、おじさんの印象も良くなります。

見た目を若々しく演出するためにも、歯がこれ以上抜けないような生活を心がけていきましょう。

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開