歯医者さんで行うインプラントのメンテナンス

インプラント治療後は歯医者さんへ定期的にメンテナンスに通うことがとても重要です。 ここでは歯医者さんではどんなチェックを行い、どんなメンテナンスを行うのか、被せ物の特徴や種類によってメンテナンスの方法が変わるのかなど詳細を解説します。

更新日:2021/12/07

■目次

  1. インプラントのメンテナンスって歯医者さんではどんなことをするの?
  2. メンテナンスの方法はスクリューリテインとセメントリテインで変わる?

インプラントのメンテナンスって歯医者さんではどんなことをするの?

歯医者さんで行うメンテナンスでは、ご自身で行っている歯磨きができているか、磨き残しが原因で虫歯になっていないか、歯周病になっていないか(歯周ポケットのチェック、歯茎からの出血の有無、骨が溶けていないか)を確認します。
また、噛み合わせが変わっていないか、噛み合わせが変わって他の歯に強い力がかかっていないか、それにより歯が揺れていないかといったことを確認します。

また、入れ歯の部分の歯茎がやせてきていないか、インプラントのネジが緩んでいないかなどの補綴物(ほてつぶつ)の確認も行います。その他にも歯茎や頬、舌を含めた粘膜の病気がないかということも一緒に確認し、お口の中全体のチェックを行います。

これらの検査結果から、歯の清掃(プラークなどの汚れを取る、茶渋やコーヒーのステインの除去)や噛み合わせの調整、入れ歯やインプラントの微調整を行うのがメンテナンスです。

痛くないからといって、何も問題がなく健康であるとは限りません。何も問題がないことを確認し、インプラントやご自身の歯を長持ちさせるために歯医者さんでの定期的なメンテナンスが大変重要です。

メンテナンスの方法はスクリューリテインとセメントリテインで変わる?

<スクリューリテイン(ネジで被せ物を装着する方法)の場合>
スクリューリテインの利点として、何か問題が起きた場合に歯科医院で外したい時に被せ物を固定しているネジを回すことで被せ物を外せることにあります。被せ物を外したい時とは、インプラントに何らかのトラブルが生じた場合です。インプラントはご自身の歯の周囲の歯茎や骨が歯周病にかかった時と似たような症状の「インプラント周囲炎」にかかることがあります。

インプラント周囲の炎症が生じた場合は、
①被せ物を着けたまま超音波やブラシで洗浄・清掃する
②被せ物を外してインプラント周囲の歯茎を洗浄・清掃する
方法があります。

被せ物を着けたままで洗浄・清掃する方法と比較して、被せ物を外すことにより、原因となる汚れや炎症に対する対応がより行いやすくなります。
また、インプラントの被せ物には基本的にはネジが使用されますが、ネジの緩みが生じた際も、スクリューリテインの場合はネジの締め直しての固定が容易に行えます。

<セメントリテイン(接着剤で被せ物を装着する方法)の場合>
セメントリテインの場合は被せ物の見た目が自分の歯と同じように綺麗に再現しやすいことが最大の特徴です。
一方、インプラント周囲の炎症やネジの緩みといったトラブルの際は、思ったように被せ物を外すことができず、状況によっては被せ物を壊して外す必要がある場合があります。

これらのトラブルに対応するために被せ物の接着剤を仮り着け(仮着=かちゃく)にすることが多いです。仮着の場合はインプラント周囲炎やネジの緩みの際は被せ物を外し、汚れを取ることや、ネジを締めることが可能です。
しかしながら、予期せぬ時に外れたり、長期間使用していると仮着の場合でも外れにくかったりすることがあります。

またセラミックを使用した被せ物の場合は合着する(硬い接着材でつけること)こともあり、その場合は被せ物を壊して外す必要が生じることがあります。

車で例えると、長期間使用するためには車検を定期的に受ける必要があり、その都度部品やオイルを交換する必要があります。同様にインプラントも長期間使用するために、メンテナンスは必須です。

また被せ物を作製する際は、トラブルが起きないように注意することはもちろんですが、トラブルが起きた時に対応しやすくしておくことが最も重要です。

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