■目次
被せ物(上部構造/人工歯)はどんなものがあるの?
インプラント治療で使用する人工歯は、主に下記のような種類があります。それぞれの特徴については、「被せ物(上部構造/人工歯)の特徴と費用について」をご参照ください。
■ネジやセメントで固定するタイプの人工歯(歯科医院で取り外しができる)
【金属を使わない人工歯】
・ジルコニアセラミッククラウン
・オールセラミッククラウン
・ハイブリッドセラミッククラウン(CAD/CAM冠)
【金属を使う人工歯】
・メタルボンド
・ゴールドクラウン
■自分で取り外しするタイプの人工歯
・オーバーデンチャー
どのような人工歯が適しているかについては、お口の状態によって異なります。歯科医師による診査と診断を受け、よく相談しましょう。インプラント治療は健康保険が使えない「自由(保険外)診療」になるため、費用は医療機関によって異なります。
>>保険診療と自由(保険外)診療についてはこちら
被せ物(上部構造/人工歯)の特徴と費用について
ジルコニアセラミッククラウン
歯の表面部分にセラミック(ポーセレン)を焼き付けたジルコニア(人工ダイヤモンド)の被せ物。
1歯あたり費用の相場 : 9~20万円
メリット
・変色することがほとんどない。
・艶があり、自分の歯のような色調が再現できる。
・内面がジルコニアで作られているので、割れる可能性が低い。
・金属アレルギーの方も使用できる。
デメリット
・治療費の負担が大きい。
オールセラミッククラウン
すべてセラミックの被せ物。
1歯あたりの費用の相場 : 7~17万円
メリット
・変色することがほとんどない。
・艶があり、自分の歯のような色調を最も再現することができる。
・金属アレルギーの方も使用できる。
デメリット
・すべてセラミックで作られているので、割れる可能性が高い。
・治療費の負担が大きい。
ハイブリッドセラミッククラウン
セラミックとプラスチックを混ぜた被せ物。
1歯あたりの費用の相場 : 4~12万円
メリット
・変色しにくい。
・自分の歯のような色調が再現できる。
・オールセラミックより柔らかさがある。
・金属アレルギーの方も使用できる。
デメリット
・経年的に、艶がなくなる。割れる可能性がある。
・治療費の負担が大きいが、白い人工歯の中では一番費用が抑えられる。
*保険診療では保険が一部適用される被せ物です。
メタルボンド
歯の表面部分にセラミックを焼き付けた金属の被せ物。
1歯あたりの費用の相場 : 5~15万円
メリット
・変色することがほとんどない。
・自分の歯のような色調が再現できる。
・金属を使っているので強度がある。
デメリット
・金属を使用しているので、透明感や色調はオールセラミックより劣る。
・歯ぐきに変色が見られることがある。
・割れる可能性がある。
・治療費の負担が大きい。
ゴールドクラウン
金合金(金を主成分として複数の金属を混ぜたもの)の被せ物。
1歯あたりの費用の相場 : 4~15万円
メリット
・自分の歯と近い硬さのため適度なすり減りがあり、歯に馴染みやすい。
・金属が腐食することがない
デメリット
・金合金なので見た目が悪い。
・治療費の負担が大きい。
オーバーデンチャー
あごの骨に2~4本のインプラント(お口の状態によって異なる)を埋め込み、プラスチックで作製した取り外し式の総入れ歯を安定させる方法。
総入れ歯と入れ歯を固定する部品を含めた費用の相場 : 20~35万円
メリット
・2~4本のインプラントで総入れ歯を支えるため、費用が抑えられる。
・大きな外科手術を必要としないため、身体の負担が少ない。
デメリット
・着脱式の入れ歯を使用するので、お口の中の清掃と入れ歯のお手入れが必要。
記事監修
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。