■目次
色々あるインプラント(HAインプラントとチタンインプラント)
インプラントを大きく分けると、手術が2回あるものと1回のもの、それから表面性状の違いにより、チタンインプラントとHA(ハイドロキシアパタイト)インプラントに分けられます。
インプラント体の表面形状がチタンだけで構成されているものがチタンインプラントで、骨に埋める部分の表面がHA(ハイドロキシアパタイト)でコーティングされたものがHAインプラントです。
HA(ハイドロキシアパタイト)とは?
HA(ハイドロキシアパタイト)とは、リン酸カルシウムの一種で、歯や骨の主要構成成分です。歯のエナメル質の95%以上、象牙質の70%がHA(ハイドロキシアパタイト)で構成されています。そのため、生体組織と親和性が高く、時間の経過に伴って骨と結合する性質があります。
HAインプラントの特徴
HAインプラントは、ハイドロキシアパタイトの性質により、インプラントが顎の骨と生化学的に結合(バイオインテグレーション)します。
また、短期間で骨との強固な結合が得られるので、歯を抜くと同時にインプラントを埋入する場合(抜歯即時埋入)に有効です。抜歯即時埋入の場合、歯肉を切り開くことなくインプラントを埋入することが可能となるため、痛みや腫れを軽減できます。
HAインプラントとチタンインプラントの違い
骨との結合
<チタンインプラント>
厳密に言えば骨との間にはすきまがある。
<HAインプラント>
骨との間にはすきまは存在していない。かなり強く骨と結合する。
感染性
<チタンインプラント>
骨との間のすきまから細菌が侵入し、感染する場合もある。
<HAインプラント>
すきまは存在しないので細菌は侵入せず、感染しにくい。
痛み・腫れ
<チタンインプラント>
原則として歯肉を切開するので、痛みや腫れが出ることがある。
<HAインプラント>
歯肉をほとんどはがすことなく治療できる。症例によってはまったくはがすことなく行うので、痛み・腫れを著しく軽減できる。
HAインプラントのメリット
・骨の構成成分を使用するため、生体親和性が高い。
・短期間で治療が可能。
・インプラントと骨との間に全くすきまがないほど強固に結合するため、骨の状態が悪くても治療できる可能性が高い。
・抜歯当日にインプラントを埋入できる。痛みや腫れの軽減が可能。