■目次
サイナスリフト ラテラルウインドウ法・オステオトーム法
サイナスリフトには一般的に2つの術式があります。
上顎の奥歯の部位には副鼻腔という、空洞があります。
歯を失って時間が経つとこの副鼻腔が大きくなるためインプラントを埋入するための高さが不足してしまうことがあります。この場合、サイナスリフト手術をおこないインプラントを埋入できるだけの骨の高さを再生する必要があります。
サイナスリフト手術には、骨の高さの不足具合や予定するインプラントの長さによって、ラテラルウインドウ法とオステオトーム法の2つがあります。
ラテラルウィンドウ法
インプラントを埋入する部位の顎の骨の高さがほとんどない場合、さらに横幅の骨も不足している場合におこないます。通常、ラテラルウインドウ法のあと5~6か月ほど治癒期間をまってからインプラント手術をおこないます。治療期間も長く、外科的な身体への負担が大きく、患者さまの負担がおおきいことが欠点です。
STEP1
インプラントを埋入するだけの高さが不足しているため、サイナスリフトをおこないます。
STEP2
顎の骨から副鼻腔脇 [ふくびこうわき] に穴をあけ、骨を増大するためのスペースを慎重に開けていきます。
STEP3
インプラントがしっかり固定できれば、同時にインプラントを埋入することができますが、通常は6ヶ月後にインプラントを埋入します。
STEP4
増大された骨の理想的な位置にインプラントを植立し、人工歯を装着します。
オステオトーム法
インプラントを埋入する部位の顎の骨の高さが不足している場合にオステオトーム法は用いられます。
上顎の骨によく見られるやわらかい骨質でも特殊な器具で骨を圧縮しながら骨の高さが増大でき、同時にインプラントを埋入することができるという特徴があります。副鼻腔に骨を増大する際に器具で槌打するため、手術中やや身体への負担があります。
STEP1
インプラントを埋入するだけの骨の高さが不足しているため、オステオトーム法をもちいてサイナスリフトを行います。
STEP2
オステオトーム法の利点として、骨の高さを増大するとともに、特殊な器具で圧縮することにより、柔らかい骨質の場合でも改善できます。
STEP3
特殊な器具をもちいてインプラントを埋入するだけの量を増大させていきます。
STEP4
オステオトーム法では、ほとんどの場合インプラントも同時に埋入することができます。