■目次
この記事のポイント3つ
・インプラント治療は高額になりがちですが、医療費控除を活用することで、税負担を軽減できます。
・インプラント治療にかかる医療費の控除をe-taxで申請すると、オンラインで手続きが完結し、税務署に足を運んだり郵送する手間が省けます。
・e-taxでは確定申告書を提出した後もオンラインで進捗を確認できるので、安心して申告を完了できます。
インプラントの医療費控除をe-taxで申請するやり方
インプラントの治療費を確定申告で申請することで、所得税の負担額を少なくできる医療費控除は「インプラントは医療費控除で安くなる!」で紹介しました。ここでは、医療費控除をe-taxで申告する方法を紹介します。
①医療費控除の対象となる費用を確認する
インプラント治療の費用のうち、医療費控除の対象となるのは、通院するための電車やバスの交通費や治療費です。治療費は、手術費用や人工歯、診察料、レントゲン費用などです。
医療費控除では家族全員分の医療費を合算することができます。家族の治療費の領収書も保管しましょう。
②必要書類を準備
e-tax(電子申告)の申告では、次の書類が必要です。
・源泉徴収票
・領収書
・控除証明書
・マイナンバーカード(マイナンバーカード方式で行う場合)
参考:国税庁
③e-Taxソフトで医療費控除の項目を入力
e-taxを使用することで、確定申告がオンラインで完結し、郵送の手間が省けます。非常に簡単です。以下の手順で申告を進めましょう。
e-taxにログインした後、確定申告書の作成画面に進みます。ここで、年間の所得金額や医療費の金額を入力します。インプラント治療費など、かかった医療費や交通費を間違えないように記載しましょう。
e-taxでは、申告書に添付書類をオンラインで送れますが、領収書の提出は申告時に不要です。領収書などの書類は、申告後に税務署から求められた場合に提示することがあります。
すべての情報を入力後、確認画面で内容をチェックし、問題がなければ申告書を提出します。提出後、確認画面で申告内容の控えを確認できるので、保存しましょう。
④還付金の受け取り
e-taxを通じて申告が完了すると、税務署が申告内容を確認し、所得税の還付金が指定口座に振り込まれます。
インプラント治療などにかかる医療費をe-taxで申告することで、手軽に申告が完了し、還付金を迅速に受け取ることができます。
医療費控除のタイミングは?確定申告と還付申告の期間について
確定申告は、例年2月16日~3月15日に必要書類を提出しなければなりません。しかし、医療費控除による還付が主目的の場合は、1月1日から申告でき、確定申告期間の必要はなく、医療費を支払った翌年から5年間、申告できます。
いくらお金が戻ってくるの?インプラント医療費控除の還付金
医療費控除による還付額は、総所得と一年間の医療費によって変わります。控除金額の上限は200万円で、計算方法は以下の通りです。
総所得200万円以上の人の場合
医療費控除額=医療費控除対象の医療費-保険金等で補填された金額-10万円
総所得200万円未満の人の場合
医療費控除額=医療費控除対象の医療費-保険金等で補填された金額-総所得の5%
医療費控除額×あなたの所得税率(※)=還付金額
(※)所得税率
195万円以下 : 5%
195万円超え 330万円以下 : 10%
330万円超え 695万円以下 : 20%
695万円超え 900万円以下 : 23%
900万円超え 1,800万円以下 : 33%
1,800万円超え 4,000万円以下 : 40%
4,000万円超 : 45%
当てはまる数字で計算すると、還付金が算出されます。
インプラント医療費控除で気を付けたいポイント
医療費控除は、1月1日から12月31日までの1年間に、ご自身そして「生計を一とする」家族全員の医療費が10万円または合計所得金額の5%を超える場合に適用されます。
夫婦共働きの家庭の場合、最も収入が多く所得税率の高い人が確定新億の医療費控除を利用することで最も還付金が多くなり、お得になります。
年間医療費が少ない場合、合計所得金額が少ない人が医療費控除を申告すると、還付金が逆に多くなる場合もあります。
手間はかかりますが、夫婦共働きの家庭の場合など、夫と妻のどちらが申告すると還付金が多くなるか事前に計算し、確認しましょう。
インプラントの治療費の一部が返ってくるうえ、医療費控除は数値の記入のみと簡単で、手続きが簡略化され申告しやすくなっています。
医療費が発生した翌年の1月1日から5年間、医療費控除の申告自体は有効ですので、「医療費のお知らせ」や領収書を日ごろから整理し、大切に保管しておきましょう。
まとめ
インプラント治療などにかかる医療費はe-taxで申請でき、簡単な手続きで還付金を迅速に受け取ることができます。また、申告内容の入力時に、必要な記載項目がガイドに従って表示され、初めてでも安心して進められます。
確定申告(医療費控除)は、翌年の1月1日から5年間有効です。医療費や交通費の領収書などの必要書類を整理し、合計金額を計算して正しく申告しましょう。
記事監修
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開