■目次
インプラントを成功させるために
インプラント治療は入れて終わりではなく、成功するにはその後が大切です。また、インプラント治療を選択する前に、以下の基礎知識を持っておきましょう。
インプラント失敗の7つの原因
1.インプラントを入れた前後の歯に神経をとった歯があり、その根っこのさきの膿[うみ]
2..歯ぎしり、くいしばり
3.歯科医側のインプラント設計のあまさ
4.歯科医の技術が未熟
5.インプラントの長さが短い
6.歯周病、インプラント周囲炎
7.メンテナンス不足
1. インプラントを入れた前後の歯に神経をとった歯があり、その根っこのさきの膿[うみ]
歯の神経をとった治療をして、歯にかぶせ物、金属の歯などをかぶせた場合、痛みなどの自覚症状がなくても、根っこの先に、膿が溜まったりすることがあります。その歯が埋めたインプラントの隣にあった場合、その膿がたまっている範囲がインプラント部まで達すると、インプラントにも炎症が起こり、インプラントが抜けてしまうことがあります。
もし、インプラントの隣の歯の根っこの先に膿がたまっていたら、その歯をすぐに治療する必要があります。またインプラントを埋める前に、そういう歯があれば治療する必要があります。
2. 歯ぎしり、くいしばり
もともと天然歯(自分の歯)と同様、インプラントも横に引き倒そうとする「ちから」には大変弱くなっています。
はぎしりは横にギリギリうごく「ちから」がかかりますので、インプラントも横に引き倒されグラついて最後には抜けてしまうことがあります。こうならないようにナイトガードをするなど治療する必要があります。
3. 歯科医側のインプラント設計のあまさ
インプラントの設計に無理があれば、やはりインプラントはすぐにダメになってしまいます。
インプラントの位置と人工歯の位置がよくなければ抜けてしまいます。
例えば、左のようにインプラントが2本、人工歯1本の場合、インプラントはダメになる可能性が高くなります。
Cの人工歯でかんだ場合、AとBのインプラントは引き倒されてしまいます。この場合はBの下ではなくCの下にインプラントを入れるべきです。歯科医はこういうことを知ってはいますが、骨の量と自分の技術の関係でついつい左図のような設計をしてしまう場合があります。
最近アメリカや特にヨーロッパなどでインプラントの埋入の本数を極端に減らす方法が脚光を浴びていますが、基本的には白人と日本人(アジア人)の骨の大きさ、形(顎の骨の前後的な長さ)に違いがあり(1mmとか2mmのという違いはインプラントの予後に大きな影響を与える)白人に通用した方法をそのまま日本人に適用するのは危険があり、入念に吟味して設計をしなければなりません。
4. 歯科医の技術が未熟
歯科医の技術が未熟の場合もやはりインプラントは長持ちしません。
思った所にインプラントを埋入できなければ、設計がまちがったのと同じ結果になってしまいます。技術が未熟かどうか見極めるのは患者さまにとって、とてもむずかしいことと思いますが、重要な問題です。
目安としては「年間に100本以上の埋入実績があるか?」というのが参考になります。
ただ参考にはなりますが例外もあります。また年間100以下でもすごい技術をもっている歯科医もいると聞いています。
5. インプラントの長さが短い
これも結局は歯科医側の問題になってしまうかもしれませんが、建築業の人が杭を地面にうった時長ければ抜けにくくなりますが、短い杭だと抜けやすくなります。 これは周知の事実です。インプラントも同じです。
最近ではインプラントの長さが10mm以上であれば大丈夫だという歯科医もいますが、いろんな研究で長ければ長くもつということは証明されています。ほとんどのインプラントをする歯科医もそう思っていますが、実際にはかなり短いものが埋入されることが多くあります。結局は技術の未熟さに起因することかもしれません。
6.歯周病、インプラント周囲炎
インプラント周囲炎とは、インプラントのまわりが炎症をおこす状態をいいます。天然歯でいう歯周病、歯肉炎、歯槽膿漏みたいなものです。放置すればインプラントと結合している骨(歯槽骨)が溶けだしてインプラントが歯周病の歯のように、歯茎、歯槽骨から抜けてしまいます。
>>インプラントをだめにするインプラント周囲炎を参考にして下さい。
7.メンテナンス不足
車でも機械ものでも何でもそうですが、インプラントもやはりメンテナンスをしなければダメになる可能性は高くなります。
>>インプラントのメインテナンス方法のご紹介